カボチャ
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カボチャ属 | ||||||||||||
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カボチャ(南瓜、英名:Pumpkin、Squash)は、ウリ科カボチャ属 Cucurbita に属する植物のうち食用とされるものの総称。 原産は南北アメリカ大陸。 果実を食用とする。「カボチャ」という語はポルトガル語の Cambodia abóbora (カンボジャ・アボボラ、「カンボジアのウリ」の意)の後半が略されたもの。逆に前半を略してボーフラあるいはボボラと呼ぶ地方もある。また、「南瓜」は「南京瓜」の略であるという。「唐茄子(とうなす)」「南京(なんきん)」という呼び名も使用されることがある。なお、北米では英語でパンプキンと呼ばれるものは果皮がオレンジ色の種類に限られ、その他のカボチャは全てスクァッシュと総称されるため日本のカボチャは「カボチャ・スクァッシュ」と呼ばれるが、オーストラリアなど他の英語圏ではこの限りではない。
目次 |
[編集] 栽培
栽培されているのは主に次の3種類である。
- 西洋カボチャ C. maxima - 主に大型のカボチャがこれに含まれる。現在日本で広く栽培されているカボチャは西洋カボチャである。花梗はスポンジ状で膨れており、畝は無い。
- 東洋カボチャ C. moschata - 日本カボチャ、バターナット・スクァッシュがこれに含まれる。
- ペポ種 C. pepo - 小型のカボチャ、ドングリカボチャ、ソウメンカボチャなどがこれに含まれる。ハロウィンでおなじみのオレンジ色のカボチャはペポ種である。なお、ズッキーニも同種。
東洋カボチャは天文年間に日本にポルトガル人がカンボジアから持ち込んだ。ペポ種は中国を経由して来たため唐茄子とも呼ばれる。 病害虫に強く栽培も容易であり、こぼれた種が勝手に成長、結実することもよくある。強健な性質を利用して、カボチャをキュウリやメロンの接ぎ木の台にすることもある。
[編集] 食材
実はビタミンAを豊富に含む。皮は硬いが長く煮ることでやわらかくして食べることができる。日本には冬至にカボチャを食べる風習がある。 サツマイモと同様に、デンプンを糖に変える酵素を含んでおり、貯蔵によって、あるいは低温でゆっくり加熱することによって甘味を増す。 大ぶりで甘味の強い西洋カボチャが現在の主流となっているが、これは煮物を甘く煮付ける家庭料理的な習慣によるもので、ダシをきかせて煮る日本料理的な煮物には、小ぶりで甘味も少ないが煮崩れのしにくい日本カボチャが向いている。
甘みの強い品種は菓子作りにも向いており、パンプキンパイやプリン(南アメリカのフランやタイの「サンカヤー・ファクトン」が有名)などに加工される。
種子(パンプキンシード)も食品として市販されており、ナッツとして扱われる。パンや洋菓子のトッピングとして用いられることが多い。メキシコにはカボチャの種子をすりつぶしたソースで肉や野菜を煮込んだ、ピピアン(pipián)という伝統料理がある。また、種子から食用油(パンプキンシードオイル)が取れる。
アメリカ合衆国ではシナモンやクローブなど、パンプキンパイに用いる香辛料とカボチャを使って醸造したビールが生産されている。
日本では北海道での生産量が多い。
[編集] 生薬
乾燥した種子は、南瓜仁(ナンカニンまたはナンガニン)という生薬で条虫、回虫駆除に用いられる。
[編集] その他
アメリカ合衆国などではハロウィンが近づくと、オレンジ色のカボチャの中身をくり抜いて目鼻などをつけた観賞用のちょうちん(ジャック・オ・ランターン)を作り、中にロウソクを立てて戸口に飾る。昔はハロウィンが終わるとジャック・オ・ランターンでよくパンプキンパイを作っていたが、現在のジャック・オ・ランターン用のパンプキンの品種は観賞用に選抜されているため味があまり良くなく、腐るまで放置されることが多い。ハロウィンの夜に「トリック・オア・トリート(いたずらかお菓子か)」に繰り出したティーンエイジャーが他人の家のジャック・オ・ランターンを持ち去って打ち壊すのは割とよくあるいたずらであり、オルタナティブ・ロックのバンド「スマッシング・パンプキンズ」のバンド名はここから来ている。
[編集] 関連項目
分類表はウィキプロジェクト 生物のテンプレートを用いています。