クズリ
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?クズリ | ||||||||||||||||||||||||
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クズリ Gulo gulo |
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Gulo gulo (Linnaeus, 1758) |
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和名 | ||||||||||||||||||||||||
クズリ | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Wolverine |
クズリ(屈狸、Guro guro、英:Wolverine)は、哺乳綱食肉目イタチ科クズリ属に分類される哺乳類。
目次 |
[編集] 分布
アメリカ合衆国(アラスカ州)、カナダ北部、ロシア北部、スカンジナビア半島
[編集] 形態
体長は65-105cm、尾長は17-26cm、体重は30kg程度に達する。イタチ科のなかではラッコに次いで大きな体をもつ。オスはメスに比べ、30-40%程度大きい。クマのようながっしりとした体格をしているが、イタチ科特有の行動をする。好奇心は旺盛。
頭部は平らでは小さく、耳は小さく丸い。鋭い歯と強力なあごによって凍った肉や骨を噛み砕く。嗅覚に優れる。
四肢は短く幅広で、雪上での行動に適している(幅広である為、足の平が「かんじき」のような役割を果たし、沈み難い。雪上では、時速40キロメートルものスピードで走る事ができる。)。足指はそれぞれ5本で、鋭い爪をもつ。毛は黒色で長い。乳首は後ろ足の付け根にある。
[編集] 生態
針葉樹林(タイガ)やツンドラ地帯に生息する。樹洞や岩穴に巣を作り、単独で生活する。昼も夜も活発に行動するが、非常に警戒心が強い。
食性は雑食性でノウサギやジャコウジカ、鳥類、動物の死骸、果実等を食べる。凶暴な性格で、大型獣のトナカイやヘラジカを襲ったり、オオカミやコヨーテから獲物を奪うこともある。食べ切れなかった食べ物を、木の上に隠す習性がある。学名のGuloは「大食漢」を意味しその名が示す通り多くの餌を食べる。
後ろ足で直立したような姿勢で、母乳を与える。中には祖母が孫に母乳を与えている姿が、確認されている。
[編集] 絶滅危惧種位置
VULNERABLE(IUCN Red List Ver.2.3(1994))
[編集] 人間との関係
クズリという和名はニヴフ語が語源であり、これに「屈狸」という漢字が当てられている。
アメリカ合衆国のミシガン州は"クズリの州"として知られており、ミシガン大学のスポーツチームはMichigan Wolverines(ミシガンのクズリ)と呼ばれている。しかしクズリはミシガン州では、ほとんど見つかることは無い。ハンターと生態学者によって2004年に1頭が発見されたのが、ここ約200年にわたってミシガン州内でクズリが観察された唯一の例である。この1頭がミシガン州産のものなのか、人間によって連れてこられたものなのかは明らかでない。
北欧では、昔「人を襲って食べる」と思われていた。 毛皮は敷物等に利用される。
[編集] クズリが登場する作品
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
カテゴリ: Vulnerable | イタチ科