クラインの壺
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クラインの壺(くらいんのつぼ)は、境界も表裏の区別も持たない2次元曲面の一種で、主に位相幾何学で扱われる。3次元空間内では実現不可能だが、自己交差を許せば擬似的に作ることができ、その形を壺になぞらえたものである。ドイツの数学者フェリックス・クラインにより考案された。クラインの管、クラインの瓶とも言う。
表裏の区別を持たない2次元曲面には他にメビウスの帯がある。メビウスの帯が2次元のテープ状のものをひねり表を辿っていくとそのまま裏に行き着くようにしたのに対し、クラインの壺は3次元のチューブをひねり表を辿ると裏に行き着くようにしたものである。
伸縮自在で太さも変えられる円筒を、伸ばして逆方向に曲げ、差し込むことで作られるが、それは4次元世界でのことで、3次元世界では面の交差が生じるという無理がある。
[編集] 関連事項
浅田彰のベストセラー『構造と力 記号論を超えて』には、表紙にたくさんのクラインの壷が描かれている。これは、浅田がモダン社会のメタファーとして、クラインの壷を使用したことに由来する。
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