クラヴィコード
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[編集] 概要
大きさは小さく、音も静かである。
クラヴィコードは14世紀頃に発明され、1840年代まで製作されつづけた。19世紀末にアーノルド・ドルメッチによって復興された。18世紀中葉から主としてドイツ語圏の国々、スカンジナビア半島およびイベリア半島において全盛期を迎えた。1730年代以前に製作された楽器の多数は小さい(おそらく長さ4フィート、幅1フィート、高さ1/3フィート、音域4オクターブ)のに対して、後期の楽器は長さ7フィート以上の大きさであり、6オクターブの音域を有していた。
クラヴィコードの内部は、左側の留め具と右側のペグ(調弦のためのピン)の間に弦が張られており、ペグの手前にはブリッジが配されている。動作は単純で、鍵(けん)が小さな金属片(タンジェントと呼ばれる)の取り付けられたレバーとなっており、タンジェントが弦(通常は複弦)を上に向かって垂直に叩く。音はタンジェントが弦に接触している間、持続する。音量は鍵を叩く強さによって調整が可能である。またピッチもタンジェントが弦に触れる強さを変える事で変化させることができ、この方法によってビブラートをかけることも可能である。
ブリッジからタンジェントまでの間の弦が振動するため、多数のタンジェントを伴った多数の鍵を同一の弦に割り当てることも可能である(モノコードに類似)。こうした楽器は特にフレッテッド・クラヴィコードと呼ばれている。この技術によって必要となる弦が少なくなることから、楽器の製作が容易になる。その一方で、一本の弦で一度に一つの音しか出せないため、楽器の能力を限定してしまうこととなる。結果として、各弦に複数の音が割り当てられた楽器は稀な存在となった。複数の音が割り当てられる場合、一般には同時に奏でられることが稀な音(例えばドとド♯)が同一の弦に割り当てられた。18世紀後半には、大抵各鍵ごとに一対の複弦が割り当てられるようになった。
一つあるいは二つの手鍵盤とペダルが付いたクラヴィコードがオルガン奏者の練習用に製作された。こうした種の楽器は電器式ふいごが発明されるまで用いられた。そのため、この時期に作曲された「オルガンのための練習曲」は、より正確にはペダル付きのクラヴィコードを意図したものであるとの見解もある。
1400年ごろから1800年ごろにかけて、チェンバロ、ピアノおよびオルガンのために書かれた音楽の多くはクラヴィコードによって演奏することが可能である。バッハの子であるC.P.E.バッハはクラヴィコードの熱心な支持者だった。
今日では世界各国にクラヴィコード協会が設立されており、過去70年間において400を超える録音が残されている。 音量の小ささから、大ホールでの演奏は不可能であるが、現在はかつて多くの音楽家が愛用していたクラヴィコードの演奏会が行われ、CDも発売されている。
ロックやファンクで使用されるクラヴィネットは、本質的には磁気のピックアップを用いて信号をアンプに送る電子クラヴィコードである。