グランド・モフ・ウィルハフ・ターキン
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グランド・モフ・ウィルハフ・ターキン(Grand Moff Wilhuff Tarkin)は、『スター・ウォーズ』に登場する架空の人物。エピソード3とエピソード4に登場。
エピソード4で演じたのはイギリスの名優ピーター・カッシング。エピソード3ではウェイン・パイグラム(Wayne Pygram)が演じた。画像
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
スピンオフの設定も含まれています
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[編集] 概要
最初のデス・スターの司令官で、レイア・オーガナの故郷の星オルデランを破壊したが、ヤヴィンの戦いで、彼はフォースに導かれた反乱同盟軍に、第一デス・スターもろとも木っ端微塵に吹き飛んだ。
帝国が成立してから少し後、ゴーマンに対する帝国の課税に抗議する大規模なグループが、着陸デッキを占拠した。ターキンは、彼の船を整然と着陸させ、大勢の帝国市民を押しつぶして殺した。これはゴーマンの虐殺として知られるようになる。そして、不平者への徹底的な抑圧と恐怖による統治、すなわち「ターキン主義」を確立した。
ターキンは皇帝パルパティーンから度々「力そのものより、力への恐怖によって統治せよ」と言われていた。
[編集] 帝国初のグランドモフ
グランドモフとは、複数の宙域を統括する総督のことである。ウィルハフ・ターキンは、銀河帝国で一番初めにグランドモフに任命された男である。
彼はもともと、惑星エリアドゥ出身の貴族で、この工業惑星の副総督を兼ねていた。 通商連合とヴァローラム銀河元老院最高議長との間でサミットが行われる際に、議長を接待して中央権力への足掛かりをつかむ。だがこれが同時に、ヴァローラムにとっては失墜の第一歩となる。
数年後、(映画「エピソードI:ファントムメナス」から三年後)彼は共和国辺境領域保安軍の中佐として、三十台半ばにしてパルパティーン元老院最高議長や、その他多くの権力者と繋がりを持っていた。
話は変わるが、共和国辺境領域保安軍の設定は、SWのスピンオフ界でも微妙な位置づけである。というのも、この設定の書かれている「ローグ・プラネット」は、エピソード2が発表される以前の作品であり、作者のグレッグ・ベアには、未だ共和国は軍隊を持たないという設定が明らかにされていなかったのである。現在、ルーカスフィルムによってなされている「歴史の編纂」では、どのようにこの軍隊が位置づけられているのか不明である。
ターキンは友人のレイス・サイナーから、星ほどの大きさもある宇宙船というアイデアを聞かされ、また、そのころ辺境に存在していた惑星、ゾナマ・セコートのみで作られるセコート船と呼ばれる宇宙船に興味を抱き、この惑星を征服しようとする。だが、そこには偶然、オビ=ワン・ケノービと彼のパダワン、アナキン・スカイウォーカーがおり、彼らの活躍と、ゾナマ・セコート自身がハイパードライブを起動して、惑星ごといずこかへ去っていってしまったがために、彼のたくらみは失敗する。
だが彼は、サイナーのアイデアである要塞惑星のアイデアを自らのアイデアとして売り込み、失地回復する。やがて彼は、クローン大戦終盤にエリアドゥに総督として帰り、流刑惑星デスペイヤーにおいて、その要塞惑星、通称デス・スターの建造を開始する。
[編集] ターキン・ドクトリン
彼の支配信念は、極めてわかり易いものだった。すなわち、「恐怖による統治」であり、帝国の統治の基本方針は、彼によって打ち立てられた。彼自身も、惑星ゴーマンにおいて、暴徒を鎮圧するために、彼らの上にヴィクトリー級スター・デストロイヤーを着陸させるという過剰なまでの暴力の行使を行っている。
彼のこの基本方針は、ターキン・ドクトリンと呼ばれた。 その内容は、直接の軍事力によるものではなく、その軍事力のもたらす恐怖によって銀河市民を統治するというものであり、その究極がデス・スターだった。
彼は、帝国の成立の直後に、グランドモフの称号を得て、デス・スター建造の監督をし、アウターリムの帝国領を思うままに統治した。映画「エピソード4:新たなる希望」を見ればわかるが、彼の権力は、あのダース・ヴェイダーと同等、もしくはそれを凌ぐほどであった。皇帝以外にヴェイダーに命令できたのは、後にも先にも、ターキンだけである。
[編集] デス・スターの完成とターキンの死
デス・スターは遂に完成し、そのころ勃興しつつあった反乱勢力を根絶するために進撃を開始する。いまやアウター・リムの大部分を統治しているターキンにとって、これが終われば、デス・スターでもって皇帝を滅ぼし、自らが新しい皇帝になるつもりだった。ダース・ヴェイダーは、皇帝から派遣されたお目付け役だったといわれている。
だがその計画も、反乱軍にデス・スターの設計図を奪われるという事件によって、狂わされる。オルデランの元老院議員にして反乱勢力の指導者であるレイア・オーガナを捕らえ、反皇帝派の根拠地の一つであるオルデランを破壊して、デス・スターの威力を示してみたものの、設計図は取り返せず、オーガナの救出のためにデス・スターに乗り込んできたルーク・スカイウォーカーらには逃げられる。だが、彼らの宇宙船に発信機を取り付けることで、反乱軍の秘密基地のありかを探し出すことには成功し、ターキンは一路、惑星ヤヴィンへと向かう。
しかし反乱軍は、すでにデス・スターの弱点を割り出していた。その廃熱ダクトにプロトン魚雷を打ち込めば、反応炉は大爆発を起こす。ここに、ヤヴィンが潰されるのが先か、デス・スターが破壊されるのが先か、というチキンレースが始まった。ターキンはデス・スターの勝利を信じて疑わなかった。だが結局、ルーク・スカイウォーカーという農夫の青年によってデス・スターは破壊され、ターキン自身も運命を共にする。
この戦いで生き残ったのは、若干のパイロットと、ダース・ヴェイダー、シャトルでデス・スターを離れていたマキシミリアン・ヴィアーズ大佐のみであった。
[編集] ターキンの死が銀河に与えた影響
彼の死は、銀河系、特にアウター・リムに多大な影響を与えた。彼は帝国草創期、または共和国期から皇帝を支持していた人物であり、帝国の成立とあいまって、治安の悪いアウター・リムを統治するための数々の特権を与えられていた。デス・スター建造の監督権を与えられていたことからも、その権力の大きさが伺える。ヤヴィンでの敗北は、アウター・リムを統治していた権力機構の最高司令部を一気に取り払うことになってしまったのだ。各地では反乱の火の手が上がり、反乱同盟軍は一気に勢力を拡大した。
帝国側でもこれを鎮圧すべく、スーパー・スター・デストロイヤー「エグゼクター」を建造し、第一級の艦船からなる機動艦隊「死の小艦隊」を編成し、皇帝の第一の弟子であるシスの暗黒卿ダース・ヴェイダーに指揮を任せ、追撃と反乱の鎮圧を行わせた。
ターキンの後継者として、グランドモフ・アーダス・ケインがアウター・リムの統括を行ったが、彼に与えられた権限はターキンのそれと比べるべくもなかった。彼は皇帝の死後、帝国からの分離を宣言してペンタスター同盟に加わるも、後に暗殺される。