グリーヴァス将軍
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グリーヴァス将軍 (General Grievous) は、アメリカ映画『スター・ウォーズ』に登場する架空の人物で、反共和国派の分離主義者(独立星系連合)を率いた将軍である。本名はカイメイン・ジャイ・シーラル(Qymaen jai Sheelal)。画像
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 特徴
クローン戦争中に分離主義者の将軍として活躍した最も冷酷無比な将軍。身体の大半がデュラスチールの体でできており、内臓はそれに覆われている。また脳は本来のそれに電子脳が足され、4本のライトセーバーを扱う際、大きな役割を果たしている。
身体には様々な機能が内蔵されていて、体を固定するもの、ブラスターなどが、その例の最たるものである。ジェダイを殺しライトセーバーを奪うことが趣味であり、自分の好きなライトセーバーを腰に装着しているのが、「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」の冒頭でもわかる。彼本来のライトセーバーの技能は、ドゥークー伯爵から手ほどきを受けて得たものだが、ジェダイが使うフォームは自分が戦えば電子脳がそれをインプットし、同じものを返すことも出来る(ブリッジノベル「悪の迷宮」では、メイス・ウィンドゥとグリーヴァス将軍が戦った際、彼が使う「ヴァーパッド」をそのまま返していた)。
[編集] 独立星系軍の将軍として
彼は共和国を攻撃し勝利し続けるなか、ある一つの計画を実行する。共和国の首都コルサントへの奇襲・銀河元老院最高議長パルパティーンの誘拐である。コルサントの奇襲は結果的に失敗に終わったが、議長の誘拐には成功し、2人のジェダイを殺害しジェダイマスター、シャク・ティを攻撃不能の状態に陥れた(この際、メイス・ウィンドゥと戦うわけだが、彼のフォースにより、グリーヴァスの内臓は、損傷を受ける。映画で、喘息のような咳をしているのも、このせいである)。
しかし、この誘拐は二人のジェダイ、アナキン・スカイウォーカー、オビ=ワン・ケノービの活躍によって最終的に失敗に終わり、(この議長の救出最中、アナキン・スカイウォーカーがグリーヴァスのマスターともいえるドゥークー伯爵を惨殺していた)自分の旗艦「インヴィジブル・ハンド」もろともジェダイ達と最高議長を葬ろうとするが、この試みもアナキン・スカイウォーカーの発揮した驚異的な操縦技術によって潰えてしまう。それと同時に、彼の運も尽きたのであろう。彼は占領した惑星、ウータパウに大量のドロイドを隠しダース・シディアスと連絡を取った。
しかし共和国は彼を見つけジェダイマスター、オビ=ワン・ケノービ将軍と大規模な機動部隊を派遣する。オビ=ワンは一人でグリーヴァスの前に現れ彼に降伏の余地を与えるが、それに従うような彼ではない。早速自分の護衛用ドロイド、マグナガードをけしかけ、彼を殺そうとする。しかし、オビ=ワンはフォースを使って難なくマグナガードを全滅させ、グリーヴァスとの決闘をする。グリーヴァスは、4本のライトセーバーを出し、オビ=ワンを攻撃した。しかし、オビ=ワンは、うまく防御し、その防御を攻撃に変え、彼の腕を2本切り落とす。その時、オビ=ワンの配下のクローンコマンダー、コーディ率いるクローン・トルーパーの機動部隊が次々と惑星に降下してきた。それでもグリーヴァスは勝利を確信し、「You must realize you are doomed.」直訳すると「貴様はここで滅びることをわからなければならない」映画では「ここが貴様の墓場となるのだ」と宣言し残った2本の腕でオビ=ワンに襲い掛かろうとする、がオビ=ワンはフォースを使ってグリーヴァスを突き飛ばし武器を捨てさせた。しかしグリーヴァスはあきらめず風変わりなホイール・バイクに乗り、乱戦状態の中敵味方を跳ね飛ばし隠しておいた宇宙戦闘機の元へと急いだ。オビ=ワンもボーガと名付けた大型の爬虫類に乗り追跡を開始しグリーヴァスを追い詰めた。追跡中にライトセーバーを落としたオビ=ワンは素手でグリーヴァスと戦うがグリーヴァスは自身の金属製の体によってオビ=ワンを追い詰める。しかしオビ=ワンはフォースでグリーヴァスのブラスターを引き寄せ、生命維持に必要なグリーヴァスの有機器官を打ち抜いた。そしてグリーヴァスは体から火を噴いて絶命したのだった。その後、彼の宇宙戦闘機はジェダイ抹殺の為にパルパティーンが命じたオーダー66から逃れたオビ=ワンがウータパウから脱出する際に使用された。
[編集] 彼の生い立ち
彼は惑星カリーを故郷にする爬虫類種族カリーシュの将軍であり、戦いのない平和な日常に適応することが難しいほど、非常に戦いを好んでいた。彼があのような姿になるまでは、愛する家族・仲間もいた。分離主義者は、彼の統率力・軍人としての力を評価し、シスの軍門に入ることを誘った。彼は故郷が戦争によってこうむった莫大な負債を帳消しにすることを条件に独立星系連合に加わった。しかし、ダース・シディアスは彼をより扱いやすくするために、分離主義者に爆発事故を起こさせてグリーヴァスに重傷を負わせ、サイボーグに改造させた。そして改造手術の過程において彼は高等生物が持っている感情を失っていた。感情そのものを削られているのである。(しかし、彼はそれに近いものは感じることが出来る)さらに彼は精神にまでメスを入れられており、もはやシスマスターの操り人形であった。そしてグリーヴァスは大きな虚栄心を抱くようになり、始めはありきたりなドロイドのプレートで覆われていた顔に金属の歯をつけ、カリーシュの戦士が身に付ける猛獣の骨で出来た仮面に似せたものに付け替え、ケープも羽織るようになった。
- 4本のライトセーバー
- 通常状態ではライトセーバーを2本使うが、本気を出す際・鍔迫り合いになった時には4本使う。彼の両腕がさらに分かれるのである(その為か指が6本ある)。彼は電子脳の補助によって、あらゆる角度から攻撃をしかけられる。たまに、足を使って、3刀流となるときもある。
- ジェダイを殺す技能
- 彼の趣味はジェダイを殺すことである(彼はカリーシュであったときに、ジェダイに非常に不満を持っていた。というのは自分が指揮する近隣の惑星に住むヤムリとの戦争がジェダイの仲介によって終り、共和国が故郷である惑星カリーに経済制裁を加えたからである)。彼は、自分の身体能力を最大限に使って、さらにライトセーバーを用い、ジェダイを殺してゆく。殺したジェダイのライトセーバーを収集するのもまた、彼の趣味の一つである。
- 性格
- 彼は、非常に残酷で、民間人や難民を無差別に攻撃することに躊躇しない。これは彼がジオノージアンから受けた手術で脳にまでメスを入れられたためであり、彼の残酷さや大胆さはほとんどがこの改造のせいである。
[編集] なぜオビ=ワンに負けたのか?
- フォームの相性説
- グリーヴァスは有名なジェダイ・キラーであり、ほとんどのジェダイのフォームを使いこなすことが出来る。しかし、オビ=ワンの使うフォームは「ソレス」と呼ばれ、完全に防御に徹したフォームである。そのため、グリーヴァスのような攻撃に徹しているフォームには有利なのである。つまり、オビ=ワンはその頃ソレスを重点においていたので、攻撃を簡単に防御することが出来て、それをさらに受け流し、攻撃に加えることが出来たのである。
- 体調不良説
- メイス・ウィンドゥによる内臓の損傷(映画では咳で表現されていた)のため、本気を出せなかったという見解。
- 実力説
- グリーヴァスがジェダイを殺した時には相手が疲労している時や不意をついて攻撃することが多く、オビ=ワンのように正々堂々と真正面から戦ったことはあまり無かった。また、今まで殺したジェダイも実戦経験の浅い者が多かった。
[編集] 犠牲となったジェダイたち
グリーヴァスは「ジェダイ・キラー」という異名の通り、多くのジェダイを手に掛けてきた。現在判明している犠牲者は以下(スピンオフ含む)。
- アディ・ガリア(ボズ・ピティ)
- ダクマン・バレック(ハイポリの戦い)
- シャア・ギ(ハイポリの戦い)
- ター・セイア(ハイポリの戦い)
- パブロ=ジル(コルサント)
- ロース=デル・マソナ(コルサント)
- ファル・ムダーマ(コルサント)
- ロロン・コロブ(コルサント)
- ジュマー
かっこ内は戦闘名および戦場惑星
[編集] 豆知識
- ジェダイキラーでありライトセイバーコレクターでもある彼が使用した4本のライトセイバーのうちの1本は、ジェダイマスター・サイフォ=ディアスのライトセイバーである。これは、彼が重傷を負いサイボーグ化した時、お見舞いに来たドゥークー伯爵から完治祝いのプレゼントとして渡されたもので、特にグリーヴァスは、このサイフォ=ディアスのライトセイバーがお気に入りだったそうである。
- 新共和国の時代には、グリーヴァス将軍は彼の出身種族カリ-シュが信仰するの神々の1人に加えられている。カリーシュは強い信仰心を持っており、多くの神を信じている。
- エピソード3では制作スタッフの1人としてグリーバス将軍の声を演じる人の候補を選ぶことになっていたマシュー・ウッド自身の声が使われており、咳はジョージ・ルーカスの咳を録音した物を加工して使われている。