サイリューム
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サイリューム (CYALUME, Cyalume) はケミカルライトスティックの商品名。米オムニグロー・コーポレーションの登録商標である。
サイリュームは商品名だが、世界初のケミカルライトスティックであることもあり、ケミカルライトスティック全般をサイリュームと呼ぶことが多い。電気式のライトスティックをも含めることもある。
サイリウムと呼ばれることも多いが、英語の発音からは無理のあるカナ表記であり、オムニグローの商品名としては誤りである。ただし、他社製品をサイリュームとして売ると商標権侵害になるので、あえてサイリウムとして売ることがある(ハロー!プロジェクトの公式グッズなど)。なお、サイリウムという商標は(ライトスティックの商標としては)登録されていない。
[編集] 原理と用途
2液混合の化学発光により蛍光を放つ。溶液Aをガラス製のアンプルに入れ、そのアンプルが溶液Bとともにポリエチレンの筒に入れ密閉されている。スティックを折って内部のアンプルを割ることで2液が混合される。
発熱せず、毒性や引火性がないため屋内でも使用できる。また酸素も必要としない。
緑、赤、黄色、白、青、赤外線などのタイプがある。通常6~8時間発光する。しかし、数分間しか発光しないかわりに高輝度のものもあり、このタイプで代表的なものがウルトラオレンジである。
コンサート会場で幻想的な空間を演出するためや、夜間の自動車トラブルや停電などの災害時、夜釣りの浮きなどに利用される。
[編集] 語源
「サイリューム (Cyalume)」は、開発社名のシアナミド (Cyanamid) とルミネッセンス (luminescence、発光) の合成語(ただしこの後、シアナミドはこの商標権を含む発光体事業をオムニグローに売却した)。英語での発音は「サイアルーム」に近いが、日本での商品名および登録商標はサイリュームである。