サクラチトセオー
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2006年9月21日撮影 |
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性別 | 牡 |
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毛色 | 鹿毛 |
品種 | サラブレッド |
生誕 | 1990年5月11日 |
父 | トニービン |
母 | サクラクレアー |
生産 | 谷岡牧場 |
生国 | 日本(北海道静内町) |
馬主 | (株)さくらコマース |
調教師 | 境勝太郎(美浦) |
競走成績 | 21戦9勝 |
獲得賞金 | 5億2097万9000円 |
サクラチトセオーは、日本の競走馬である。1995年のJRA賞最優秀5歳以上牡馬。妹にサクラキャンドル(エリザベス女王杯優勝馬)がいる。
切れ味ある差し脚を武器に活躍し、1995年の天皇賞(秋)を制した。その他にも1994年中山記念、1995年アメリカジョッキークラブカップなど重賞4勝。とくに1994年の京王杯オータムハンデキャップ勝利時は当時の1600m日本レコード(1分32秒1)を樹立した。
早くからその能力の高さは買われていたが、ひ弱さが足かせとなってなかなか本領発揮できなかった。特に3歳時は状態面の不安でなかなかレースを使えずNHK杯3着でやっと東京優駿(日本ダービー)に出走できた。しかしキャリア4戦という経験の浅さもあり、先行するも11着に敗れ、その後は故障もあり3歳秋を棒に振ってしまう。
4歳になると重賞勝ちを収めるなど台頭するが、GIになると凡走が続いた。宝塚記念では後方待機から追い上げたものの6着、京王杯オータムハンデキャップをレコード勝ちして臨んだ天皇賞(秋)では直線で進路をカットされ6着、打倒ナリタブライアンをかけて臨んだ有馬記念では4コーナーでそのナリタブライアンに並びかけて直線失速で6着。いずれもその前のステップレースは勝っている為、1着と6着が相次ぎ、「競馬界のイチロー君」と揶揄されたこともある。
5歳の春シーズンはナリタブライアン、ヒシアマゾンの不在もあってGI戦線の主軸を担った。しかし1番人気に押された安田記念では最後方から追い込みながらハナ差届かず2着で初GI制覇はならず。続く宝塚記念も1番人気だったが、高速馬場で先行馬が前残りとなって7着に追い込むのが精一杯。この後休養明けの秋初戦となった毎日王冠は重馬場に苦戦しながらも4着。そして2度目の天皇賞(秋)挑戦を迎えることになる。
天皇賞(秋)を前にして主戦騎手の小島太が調教師転向を表明。翌年2月限りでの引退がほぼ濃厚となった。これで陣営としてもGI奪取へ後がない状況となる。故障で戦線を離脱していたナリタブライアンがぶっつけでの挑戦を表明し、ファンも1番人気に支持する。そしてサクラチトセオーが2番人気に支持された(2番人気だったマイシンザンが出走取り消しの為、3番人気からの繰り上がり)。追い込み馬に不利な最内枠からの発走だったが、道中17頭中16番手を追走し、小島自らも「スタンドに馬をぶつけに行くつもりで大外へ出した」と最後の直線だけで15頭をごぼう抜きし、粘りこみを計るこの年の皐月賞優勝馬ジェニュインをハナ差差し切って優勝した。先行馬優位な展開の中での大逆転劇、そして小島が引退表明直後だっただけにファンの歓声も大きかった。この2週間後にエリザベス女王杯を制したサクラキャンドルと共に、小島の引退の花道を飾った名兄妹として記憶されている。
1995年12月の有馬記念では人馬共に最後のGIとなったが、ここでも先行馬優位な展開の中3着まで追い上げる健闘を見せた。これを最後に引退し種牡馬生活に入った。現在はレックススタッドに繋養されている。代表産駒にラガーレグルス(ラジオたんぱ杯2歳ステークス)、ナムラサンクス(ダイヤモンドステークス)、ナムラリュージュ(阪神スプリングジャンプ)、エーティーダイオー、サクラゲイル、サクラエキスプレス、ロックカーニバルなど。
[編集] 競走成績
1992年(2戦2勝)
1993年(2戦0勝)
- 3着 - NHK杯(GII)
1994年(10戦5勝)
- 中山記念(GII)、京王杯オータムハンデキャップ(GIII)
1995年(7戦2勝)JRA賞最優秀5歳以上牡馬
- 天皇賞(秋)(GI)、アメリカジョッキークラブカップ(GII)、2着 - 安田記念(GI)、中山記念(GII)、3着 - 有馬記念(GI)
[編集] 主な産駒
- ラガーレグルス(ラジオたんぱ杯2歳ステークス)
- ナムラサンクス(ダイヤモンドステークス)
- ナムラリュージュ(阪神スプリングジャンプ)
[編集] 血統表
サクラチトセオーの血統 グレイソヴリン系(ナスルーラ系)/アウトクロス | |||
父
*トニービン Tony Bin 1983 鹿毛 |
*カンパラ Kampala 1976 黒鹿毛 |
Kalamoun | *ゼダーン |
Khairunissa | |||
State Pension | *オンリーフォアライフ | ||
Lorelei | |||
Severn Bridge 1965 鹿毛 |
Hornbeam | Hyperion | |
Thicket | |||
Priddy Fair | Preciptic | ||
Campanette | |||
母
サクラクレアー 1982 鹿毛 |
*ノーザンテースト Northern Taste 1971 栗毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Lady Victoria | Victoria Park | ||
Lady Angela | |||
*クレアーブリッジ Clare Bridge 1967 鹿毛 |
Quadrangle | Cohoes | |
Tap Day | |||
Abeyance Lass | Ambiorix | ||
Vulcania F-No.13-c |
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