シムアース
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シムアース (SimEarth) は、1990年にマクシスからPC/AT互換機用のゲームとしてリリースされ、Windows、Amiga、Macintoshなどに移植されたシミュレーションゲーム。日本では1991年12月29日にスーパーファミコン版がイマジニアから、1993年1月14日にPCエンジン版がハドソンから、1993年3月12日にメガドライブ版がセガより発売された。
前作シムシティが街を育てるゲームだったのに対し今回は惑星を育てるゲーム。プレーヤーは神となって惑星に様々なイベントを起こしていく。大陸移動説や進化論などの科学理論と、地球を一つの生命体と捉える作者ジェームズ・ラヴロックのガイア理論に基づいてつくられている。地球物理学、地質学、生物学などの様々な分野が応用されている。バグが多くて回収騒ぎになったことがある。
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[編集] ランダムプラネット
一から惑星を創るモード。マグマだらけの星に雨が降って海ができ海洋生物が誕生し・・・といった星の成り立ちをそのまま体験できるモード。惑星の進化度合に応じた4つのタイムスケール(下記参照)から選択して始められる。一定基準を満たせば次のタイムスケールに移行し、文明が極度に発達するとエクソダス(地球からの移住)が発生し宇宙へ移民してしまい、残った生物がまた進化して文明を持ち…という事の繰り返し。強いて言うなら100億年経つと惑星が寿命を迎え消滅してしまうのでそれがゲームオーバーとなる。
- 地質タイムスケール
- 惑星の誕生~生命の発生を扱う。配置できる生物はバクテリアとアメーバのみ。クリア条件は多細胞生物の出現。
- 進化タイムスケール
- 多細胞生物が出現し、生物が爆発的に増加する。多様に変化する気候に気をつけながら生物を進化させて行く。クリア条件は文明の誕生。2回目以降は新しい生物の文明を発生させる。
- 文明タイムスケール
- 文明を持った生物が現れ、惑星各地に広まっていく。文明を発展させるのがこのタイムスケールの目的。なお文明を持つのは哺乳類だけに限らず、すべての陸生生物(と場合によっては海洋生物)に文明を持てるチャンスがある。なお一度に文明を持てる生物は一種類のみ。クリア条件は産業革命が起こる事。
- 技術タイムスケール
- 産業革命によって技術が飛躍的に進歩し、都市が惑星各地に出来る一方、公害・資源枯渇・世界戦争など現実の地球にもある問題が惑星に起きてくる。これらをうまく押さえ込んで文明を他の惑星に移住させる事が目的。クリア条件はエクソダスが起きる事。なお、エクソダスが完了した後は進化タイムスケールに移行し、別の生物に文明を発生させることになる。
[編集] シナリオ
ミッションをクリアしていくモード。シナリオは全8つ。
- アクエリアス
- 水の惑星。海洋生物は豊富だが陸が無い、故に火を起こせないので文明が存在しない。土地を創って文明を起こすか、ヒトデにモノリスを使用すればクリア。
- 地球カンブリア
- 文字通り地球のカンブリア紀を再現。大気が不安定な中で生物に文明を持たせ、産業革命を起こさせればクリア。
- 地球現代
- 地球の現在を再現。紛争、資源不足、地球温暖化など様々な問題が山積している。エクソダスを起こせばクリア。
- 火星
- 前3つのシナリオとは難易度が桁違いに上がり、このシナリオから制限時間が導入される。マイナス200度の極寒の地の中で植物数、生物数が規定数に達すればクリア。温室効果によるテラフォーミングが目的。
- 金星
- 今度は摂氏500度の世界。植物数、生物数が規定数に達すればクリア。
- 氷の惑星
- 火星と違い水分は豊富。星を覆う氷を溶かし海を創り、植物数、生物数が規定数に達すればクリア。
- 砂漠の惑星
- 前3つのシナリオと異なり生物どころか文明も存在しているがみるみるうちに星が干上がっていく。植物数、生物数が規定数に達すればクリア。
- 地球2XXX年
- ボーナス面に近い最後のシナリオ。ロボットが地球を征服している。植物数、生物数が規定数に達すればクリア。
[編集] デイジーワールド
ガイア理論においては、生物相は自らのため最適な物理的条件を確保しようとする。(歴史上の爆発的進化や大絶滅も、生物相のこの働きで説明できるとする)
この考えに基づき、惑星上にデイジー(雛菊)以外の生物が存在しない場合を仮定した思考実験(実際にはもう少し複雑な生態系を仮定することもある)が、デイジーワールド・モデルである。
このモードで惑星環境を操作すると、気温が上がった時には太陽光を反射しやすい色の薄いデイジーが繁栄し、気温が下がればその逆となり、結果として惑星の気温を平衡状態に保つ様子を観察できる。
なお、このモードではデイジー以外の植物を配置することができず、生物を配置してもすぐに死滅するため、当然の事ながら、ゲームとして成立しているとは言いがたい。
ただし、ロボットは生き残ることがある。