シリア語
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シリア語 ܣܘܪܝܝܐ Suryāyā/Suryoyo |
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話される国 | イラク、シリア、トルコ、レバノン |
地域 | 中東 |
話者数 | |
順位 | 100位以下 |
言語系統 | アフロ・アジア語族 |
公的地位 | |
公用語 | なし |
統制機関 | なし |
言語コード | |
ISO 639-1 | |
ISO 639-2 | syr |
ISO/DIS 639-3 | |
SIL | SYC |
(古典)シリア語はシリア、レバノン、トルコ、イラクを中心とする中東のキリスト教徒によって用いられている古典語。アフロ・アジア語族セム語派に属するアラム語の一種。
目次 |
[編集] 歴史
元来は1~2世紀頃のエデッサ(現トルコ領ウルファ)辺りのアラム語方言とされているが、この言語がキリスト教と強く結びつき、文語としての地位を確立すると中東一帯で広く用いられるようになった。
しかし5世紀にいわゆるネストリウス派が分離してササン朝ペルシア領内で活動するようになると、ローマ帝国領内のキリスト教徒との交流がなくなり、双方の言語に差異が生じた。ペルシア領内の言語は東シリア語、ローマ領内の言語は西シリア語と呼ばれる。
7世紀にこの地域がイスラームの支配を受けるようになると、シリア語はキリスト教徒のみが用いる言語になり、口語はアラビア語に取って代わられて衰退した。
現在は主にキリスト教会の典礼用語などとして用いられる。
[編集] 文字
シリア文字が用いられるが、3つの異なる字体が存在する。東西分裂以前のシリア語ではエストランゲロという古形が用いられた。これは現在でも欧米の学術出版で用いられることがある。東シリア語は東シリア文字を用い、西シリア語は西シリア文字を用いる。
黙字(書いても読まない文字)が比較的多く、黙字を示すための記号がある。
[編集] 音韻
[編集] 母音
東西シリア語で母音体系は若干異なる。東シリア語の方が古い体系を保存しているとみなされている。
- 東/a/ - 西/a/
- 東/ā/ - 西/o/
- 東/e/ - 西/e/
- 東/ē/ - 西/i/,/e/
- 東/i/ - 西/i/
- 東/o/,/u/ - 西/u/
[編集] 子音
破裂音(/b/,/g/,/d/,/k/,/p/,/t/)は母音の後で摩擦音になる。