スターシップ・トゥルーパーズ
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スターシップ・トゥルーパーズ Starship Troopers |
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監督 | ポール・バーホーベン |
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製作 | アラン・マーシャル ジョン・デイビソン |
脚本 | エド・ニューマイヤー |
出演者 | キャスパー・ヴァン・ディーン マイケル・アイアンサイド デニス・リチャーズ |
音楽 | ベイジル・ポールドゥリス |
撮影 | ヨスト・バカーノ |
編集 | キャロライン・ロス マーク・ゴールドブラット |
公開 | 1997年11月7日 1998年5月2日 |
上映時間 | 129分 |
製作国 | アメリカ |
言語 | 英語 |
制作費 | $95,000,000 |
次作 | スターシップ・トゥルーパーズ2 |
『スターシップ・トゥルーパーズ』(原題 Starship Troopers)は、1997年製作の映画作品。上映時間2時間9分。
かつて映像化は不可能と言われていたロバート・A・ハインラインのSF小説「宇宙の戦士」をコンピュータグラフィックスを駆使して映画化した作品で、未来の地球が舞台。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
民主主義崩壊後の新政府、地球連邦では軍部を中心とした「ユートピア社会」が築かれていた。社会は清廉で、人種・男女の差別なく全く平等に活躍しているが、軍歴の有無のみにより差別され、兵役を経て市民権のある「市民」と、兵役につかなかった「一般人」に分けられている。銀河全体に殖民を始めた人類だが、その先で遭遇した先住の昆虫型宇宙生物(アラクニド・バグズ)の領域を侵したため紛争が発生し、アラクニド・バグズが地球に対し小惑星を突入させる奇襲攻撃を仕掛けてきたため、全面戦争が始まった。
主人公ジョニー・リコ(キャスパー・ヴァン・ディーン)は、高校卒業後地球連邦軍に入隊して宇宙戦艦のパイロットになるガールフレンド、カルメン(デニス・リチャーズ)に憧れ、自身も大学進学をやめて軍に入隊し機動歩兵隊の訓練キャンプでしごかれる日々を送る。一旦は軍隊をあきらめようとしたリコだったが、奇襲攻撃で故郷ブエノスアイレスが壊滅したため機動歩兵に復帰し、宇宙での戦いに加わる。
厳しい戦いで仲間を次々に失うなか、次第に戦士として成長していくリコ。そして侵攻した惑星で、知能を持ったバグ(ブレイン・バグ)にとらわれたカルメンを救出しようとするが…
[編集] 概要
本作は元々、フィル・ティペットのストップモーション・アニメーションを使って「巨大昆虫と戦う映画」を作りたいというバーホーベン監督の構想と、『宇宙の戦士』の映画化企画とが合流したもので、1983年頃から準備が進められていたが諸事情により企画は一時頓挫した。その後バーホーベンとティペットは『ロボコップ』を製作、さらにティペットは『ジュラシック・パーク』を機にCGへと転向した。そこで改めてCGを使ったSFアクション映画として企画が再浮上する事となった。
B級テイスト溢れる内容や、原作で機動歩兵が装着していたパワードスーツが登場しないなど、原作ファンの評判はお世辞にも良いとは言えなかった。さらに作中では、未来の地球なのに兵士が暗いところで懐中電灯を使っている、衛星軌道上からの事前爆撃によって敵戦力を減少させずに、装甲車両や航空機の支援なしにいきなり歩兵部隊を投入している(航空支援が行われたのは劇中1回のみ)、そもそも歩兵部隊の装備がアサルトライフルと手榴弾、および桁違いに破壊力の大きい携帯ロケット弾(おそらく核兵器)以外はなにもないなど矛盾点やご都合主義が非常に多い。そのためか一般的には、単なる荒唐無稽なSFアクション映画としてしか見られなかったようで、興行的にもあまり振るわなかった。
しかし、残虐な行為やグロテスクな映像を軽いタッチで見せる監督お得意の演出に加え、地球連邦のプロパガンダCMを随所に挿入するなどして軍国主義的な色合いのある原作を過度に強調し皮肉ったり、アメリカ社会の現状を小馬鹿にするといったブラックユーモア満載の、バーホーベン節全開ともいえる内容になっているため、一部の映画ファンには熱狂的に支持された。
2003年にはティペットの初監督作品となる続編「スターシップ・トゥルーパーズ2」が作られている。
2006年5月、第3弾の製作の可能性が発表された。前2作で脚本を務めたエド・ニューマイヤーの初監督作になる予定とのこと。また、1作目で主演を務めたキャスパー・ヴァン・ディーンは、自身のオフィシャルサイトで同企画に関わっていることを明かした。
[編集] キャスト
- ジョニー・リコ: キャスパー・ヴァン・ディーン
- ディジー・フロレス: ディナ・メイヤー
- カルメン・イバネス: デニス・リチャーズ
- エース・レビー: ジェイク・ビジー
- ジーン・ラズチャック: マイケル・アイアンサイド
[編集] スタッフ
- 視覚効果:ティペット・スタジオ
[編集] 登場するアラクニドバグズ
太陽系とは離れた連星クレンダスの惑星に住む昆虫形生物。アリやハチのような真社会性生物であり、宇宙に胞子を放出する事によって他の惑星を侵略してコロニーを増やし活動領域を広げている。(アニメ版のスターシップ・トゥルーパーズ クロニクルズ では宇宙船の役割をした種類が存在し、これが宇宙空間を移動するという役割をしている)
- ウォリアー・バグ(ユーロピギ)
- 一番多いバグズ。アリでたとえれば兵隊アリに相当する。腰椎に支えられた大顎状関節や第一歩脚の変化した鎌上の節足、鋭くとがった歩脚で兵士を圧倒する。全体的に黒色で黄色い縞模様がある。
- ホッパー・バグ(オピリオネス)
- ウォリアー・バグに羽をつけたした形をしているが色は光沢がかかった緑色で腹部が出ている。大きな羽を持っているが、実際に長く飛ぶことはできずに、高いところから飛び降りたりせて滑空している。そのスピードと自重から得られたエネルギーを第一歩脚の変化した鎌状の節足に乗せることで、歩兵隊の首を切断することができる。
- プラズマ・バグ(ソリフーガイ)
- タンカー・バグ(アンブリピギ)
- 体の形はプラズマ・バグと似ているが腹部は一回り小さくなっている。地中を進み頭部からオレンジ色の腐食性の有機酸を火炎放射器のように出すことができる(本物の火を吹いているという声もある。これが有機酸なのか、本物の火なのかは分かっていない)。また下顎でニッパーのように歩兵隊の足や腕を切断できる。
- ブレイン・バグ(セレバス・レックス)
- アラクニドの頭脳階級でカブトムシの幼虫か膨れ上がったクモのような形状をしており、ピンクがかかった色をしている。また頭部からのカマキリの鎌上の節足のようなもので人間の頭を突き刺し人間の行動を支配したり、劇中では脳にストローのように刺して吸い取ったりできる、このシーンはこの映画では有名なシーンである。
- チャリオット・バグ(スキゾペルティーダ)
- カメムシに似ており体は赤みがかかった茶色である。 上記のブレイン・バグが移動できないため乗せる役割をしている。実際にそれほど害はない。
[編集] 関連項目
- 『宇宙の戦士』
- 『スターシップ・トゥルーパーズ2』
- 『スターシップ・トゥルーパーズ・クロニクルズ』
- ロジャー・ヤング
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