スペースゴジラ
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スペースゴジラ (SpaceGodzilla) は、日本の特撮映画『ゴジラvsスペースゴジラ』にゴジラの敵役として登場した架空の怪獣である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 特徴
外見はゴジラに酷似しているが、背中に2つの大きな尖った水晶のような結晶体がある事や、体色がゴジラと比べ青っぽい事、頭に黄色い角が生えている所が大きく異なる。この肩の結晶体から宇宙エネルギー(漠然とした表現であるが、太陽エネルギー、光子、重力子といったものであるようだ)を得て、攻撃したり、活動したりするのである。ここを折られると宇宙エネルギーが途絶え、一気に弱くなってしまう。宇宙エネルギーが尽きると活動ができなくなり、絶命する。人気投票などではデストロイアと並び若いファンの間ではかなり人気のある怪獣である。
重力をコントロールしてゴジラを宙に浮かす設定などは、当時復活が検討されていた、宇宙から来訪する本物のキングギドラの影響である(引力光線は本来、グラビトルネードの様に敵を宙に舞い上げる物だったが技術的限界などからその表現は見送られた)。
劇中での命名者は、G研究所の生物工学教授・権藤千夏(吉川十和子)。
デザインはスーパーファミコンのゲーム『超ゴジラ』に登場した、ゴジラの進化型である「超ゴジラ」がベースとなっている。
スーツアクターは播谷亮。
- 身長:120メートル
- 体重:8万トン
(飛行形態)
- 全長:250メートル
- 体重:72万トン
- 飛行速度:マッハ3
[編集] 劇中での活躍
権藤教授の推論によると、宇宙に飛散したモスラに付着していたものなのか、ビオランテの細胞のものなのかは分からないが、どちらかのG細胞(後述)がブラックホールに飲み込まれ、結晶生物と恒星の爆発エネルギーを吸収してホワイトホールから放出された結果、異常進化して誕生したとされる。非常に高い知能を持ち、ゴジラを倒すという直接的な目的のために地球に来襲した(もしかすると、ゴジラに変わって彼が地球を支配したかったのではないかとも考える事も出来る、地球レベルでの縄張り争いである)。又、スペースゴジラ自体が一種の電磁波を発しているらしく、電子機器に干渉して動作障害を起こさせたり、通信障害を発生させる事があり、テレビが映らない、スロットが常に大当たりになる、クレーンゲームの景品が自動で出てくる(これは物理的に不可能だと思われるが)等の現象が発生した(余談であるが、劇中のこのシーンに松村邦洋と小堺一機が会社帰りのサラリーマンとして出演している)。
特定の範囲にエネルギーエリアを作り出し、無限にエネルギーを宇宙から供給する事が出来るため、エリアが崩壊するかエネルギーを受信する役目を持っている肩の結晶体を破壊されない限りほぼ無敵である。さらに、背面にある結晶を大型化する事で、空中・宇宙空間を問わず飛行可能(ただし低空飛行の場合、背中の結晶体を巨大化させなくても、飛行可能である)。宇宙空間では光速(一部資料では光速の三倍)での飛行が可能であり、大気圏内でもマッハ3で飛行する事が出来る。口から吐くビーム「コロナ・ビーム」は様々な角度からの攻撃が可能である他、超能力「グラビ・トルネード」(念力や反重力としている資料もある)でゴジラであっても持ち上げ蹂躙する事が出来る。また、ゴジラにはない光線を跳ね返すシールドをはる事が出来る。さらに、飛行形態では大型化した結晶体からリング状の衝撃波を撃ち出すことができるほか、催眠術のような能力も持ち、リトルゴジラを一時操ったこともある。
アステロイドベルトでMOGERAと交戦し中破させる。その後バース島に襲来し、ゴジラを一度はダウンさせて戦闘不能に追い込んだ。リトルゴジラを結晶に幽閉した後、札幌、山形、神戸などを破壊し、福岡都心部にエネルギーエリアを構築。ゴジラとMOGERAを迎え撃ち、2vs1の不利な戦闘にも関わらず苦戦させるが、肩の結晶体とエネルギーを集めていた福岡タワー地下の結晶体をMOGERAに破壊され、弱体化したところをゴジラによって倒され、結晶化した粒子が宇宙に逃げていった。
バリア「フォトン・リアクティブ・シールド」でゴジラの熱線を跳ね返したり、結晶体を飛ばして「ホーミング・ゴースト」として攻撃したりと、他の怪獣にはなかった特異な戦法を持ち、平成シリーズでは最もゴジラが苦戦した怪獣といえるかもしれない(事実、ゴジラが勝利できたのはMOGERAの援護によるところが大きい)。
[編集] 結晶生物
宇宙の辺境のどこかに生息する、G細胞が融合した珪素生命体。スペースゴジラ背面及び福岡のエネルギーエリアに生えてきた物がそれだといわれている。重力子をコントロールする性質をもち自らの質量を自在に変えられるらしいのだが、それはスペースゴジラの意思による。福岡で生えていた100m程度の大きさが本来のサイズだと思われる。
[編集] G細胞について
スペースゴジラの元となったG細胞については、本作の制作発表当初は『ゴジラvsビオランテ』で空に消えたビオランテの細胞とされていたが、『ゴジラvsキングギドラ』における歴史改変でビオランテの存在は消滅していることが指摘されたため、『ゴジラvsモスラ』で宇宙へ向かったモスラに付着したG細胞の可能性もあるという設定に変更されている。
ただし、スペースゴジラが消滅する描写は、ビオランテが消滅するシーンと非常によく似ており、口の奥にはビオランテに似た牙が生えているので、ファンの間ではビオランテの細胞ではないかという説が根強い。
飽くまで余談であるが、ブラックホールからホワイトホールへ繋がるワームホールはパラレルワールド間を繋ぐものだという説がある。また未来から過去へ繋がる事も有り得る為、遥かな未来にブラックホールに飲みこまれたビオランテの組織がスペースゴジラに変貌して、歴史改変後の世界のホワイトホールから出現したとも考えられる。