ダックにおまかせ ダークウィング・ダック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ダックにおまかせ ダークウィング・ダック』(原題:Darkwing Duck)は、1991年から1993年に掛けてウォルト・ディズニー・カンパニーが製作したアメリカ合衆国のTVアニメ。ABC「ディズニーアフタヌーン」枠にて全3シーズン91話が放送された。
日本ではテレビ東京に於いて1992年から1993年に掛けて、WOWOWに於いて1993年7月21日から10月22日に掛けて第65話までが放送された。
目次 |
[編集] 概略
ディズニーアニメとしては珍しく変身ヒーロー物を取扱った作品。『ダックテイル』に登場したランチパッド・ロボダックが本作でも登場している。 ごく普通の男性がコスチュームに身をまとい、正義のヒーローとして活躍するという、活劇の王道を行く作品。しかしディズニー作品らしくベースはコメディタッチであり、主人公ダークウィングも高潔とは程遠い欠点だらけのキャラとして設定されている。 基本的に一話完結の形式がとられており、個性あふれる悪役とダークウィングとの攻防がディズニーならではの活き活きとしたドタバタで描かれる。 また放送当時、社会現象となっていた「ツイン・ピークス」をパロディ化した話も作成されており、時代をうかがわせていた。
[編集] 登場人物
- ダークウィング・ダック / ドレイク・マラード(原版:Jim Cummings 吹替:中尾隆聖)
- 本作主人公。普段はただの親父だが、影のヒーロー「ダークウィング・ダック」として数々の秘密兵器や機転・仲間の助け・そして運を武器に戦う。
- ゴサリン・マラード(原版:Christine Cavanaugh 吹替:渕崎ゆり子)
- ダークウィングの娘だが実娘ではなく、第1・2話における事件で殺害された老科学者の孫。事件が縁で知り合ったダークウィングの養子となった。非常に活発な性格の持ち主で、何かと父の仕事に首を突っ込みたがるトラブルメーカー。しかし運動神経がよく機転も利くため、たびたび父のピンチを救っている。なお余談ながら、このゴサリンの衣装やキャラのデザインは後年の映画「チキン・リトル」に登場したサブキャラクター「アビー・マラード」に非常によく似ている。性格設定や名前も似ているところから、アビーはこのゴサリンからインスパイアされたキャラではないかと思われる。
- ランチパッド・マクワック(原版:Terry McGovern 吹替:大塚明夫)
- ダークウィングの相棒。第1話で尊敬するダークウィングに出会い、事件解決に協力した事から彼に認められた。飛行機乗りであり、ダークウィングの空の機動力「サンダークワック」は彼が開発した。性格はいたって単純で、かなりの天然。ダークウィングを「ボス」と呼んで慕う。
- ホンカー・マドルフット(原版:? 吹替:折笠愛)
- ゴサリンの親友で、マラード家の隣人マドルフッド一家の次男。乱暴な長男タンクとは対照的に穏やかで、理知的な性格の持ち主。並外れた読書家であり、その知識は大人顔負けである。気弱な性格だが、いつもゴサリンに引っ張られる形で事件に首を突っ込む。ゴサリンの父がダークウィングである事を知っており、その知識を駆使してダークウィングの危機を何度も救った。
- フーパー長官(原版:? 吹替:?)
- 国際組織「SASH」の高官で、ダークウィングの上司にあたる人物。いつもモニター越しに彼に指令を送る。ダークウィングは個人活動家ではなく、SASHのエージェントであるという設定に基くキャラクターである。
- ネガダック(原版:Jim Cummings 吹替:筈見純)
- ダークウィング最強のライバルにして、悪者5人組のリーダー格。初めて登場した時は人格分裂を起こしたダークウィングの悪の心の結晶だったが、のちに一人の悪者キャラとして定着した。容姿はダークウィングとまったく同じであり、装備なども基本的に同じ。ダークウィングのパーソナルカラーが紫なのに対し、赤と黒・黄色でまとめている点が異なっている。
- メガボルト(原版:Dan Castellaneta 吹替:?)
- 悪者5人組の一人で、電気を自在に操る怪盗。手から電撃を放ったり、電線を走る電気に乗って疾走するなどの技を持っている。その一方、感電するため水には弱い。
- ブッシュルート(原版:Tino Insana 吹替:?)
- 悪者5人組の一人。元科学者だったが、実験植物と一体化したことで様々な能力を身につけ、悪の道に走った。植物を自由に操る。
- クアッカージャック(原版:Michael Bell 吹替:肝付兼太)
- 悪者5人組の一人。元はオモチャ会社を経営していたが、倒産したために悪の道に走った。「遊びまくってやる!」が口癖の愉快犯であり、おもちゃを改造した数々の兵器を使って遊び半分に犯罪を行う。人形のバナナブレインをいつも持っており、腹話術で一人芝居をするのが好き。ダークウィングとの対決回数も多い好敵手である。
- リキッデーター(原版:? 吹替:納谷六郎)
- 悪者5人組の一人。元は大手企業の社長だったが、犯罪に手を染めた事でダークウィングと対決。誤って特殊な溶解液に落ちて溶けてしまった。その際、肉体が液体化。水を操る能力を身につけた。体が液状のためどんな狭い隙間にでも潜り込む事ができ、簡単には拘束できない。弱点は凍らされること。また、セメントをかけられても動けなくなる。
- スティールビーク(原版:? 吹替:?)
- 悪の秘密結社「FAWL」のエージェント。その名の通り、鋼鉄でできたくちばしがトレードマークのニワトリである。個人ではなく結社のエージェントであるため、スケールの大きな犯罪を行うのが特徴の悪人。卵形ヘルメットをかぶった工作員「エッグマン」を統率している。
- タスカニーニ(原版:? 吹替:滝口順平)
- 元、売れない俳優だったセイウチ。悪の道に走り、詐欺や窃盗といった犯罪を繰り返す。3匹のペンギンを手下として使う。元が役者であるだけに演技が上手く、ダークウィングを悪人に仕立て上げた事もある知能犯。
- アンモニアパイン(原版:? 吹替:京田尚子)
- 「FAWL」の女性エージェント。病的なまでに汚れを嫌う潔癖症。登場回数は少ないが、スティールビーク同様にスケールの大きい犯罪を行う強敵である。
- ハーブ・マドルフッド(原版:? 吹替:桜井敏治)
- ドレイク・マラードの隣人。妻のピンキー、それに2人の息子と暮らしている。善良だがおせっかいで無神経な性格の持ち主であり、ドレイクにはとことん嫌われている。もちろん、本人は嫌われている事には気付いていない。
- ロボダック(原版:? 吹替:二又一成)
- 全身を機械化した、ロボットヒーロー。ダークウィングの友人であるが、登場回数は少ない。
[編集] スタッフ
- 監督:タッド・ストーン、アラン・ザスラヴ、橋本三郎
- 作画監督:山本繁
[編集] 日本語版制作スタッフ
- 翻訳:井場洋子
- 録音:スタジオ・ユニ
- 調整:和田修
- 演出:向山宏志