ヌート・ガンレイ
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ヌート・ガンレイ (Nute Gunray) は、映画『スター・ウォーズ』シリーズの新三部作(『エピソード1/ファントム・メナス』『エピソード2/クローンの攻撃』『エピソード3/シスの復讐』)に登場する架空の人物。種族はニモーディアン(ニモーディア人)で、性別は男性。画像
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[編集] 人物
他のニモーディアンと同じく、天性の競争心と殺人的なビジネス観を持ち合わせ、通商連合最高幹部会議で絶大な影響力を持つ。物語中では一貫して、通商連合の総督(通商連合の最高権力者)の地位にある。このためガンレイ総督とも呼ばれる。外見は鼻もなく独特のエイリアン的醜怪な容貌で、スター・ウォーズの悪役キャラクターの中でも最も不人気なキャラクターの一人である。銀河系の公用語ベーシックを独特のアクセントで話し、比較的美声の持ち主でもある。死と労働を極端に嫌う種族であるため彼の周りには多くのドロイドが配置されている。
[編集] 活動
エピソード1では、ダース・シディアスの命を受けて通商連合の偽装貨物船(武装した貨物船)の艦隊を率いてナブーを封鎖するが、合法化するために必要なアミダラ女王の署名が得られずに最終的には失敗。このナブーの戦いの失敗で、通商連合の私設軍隊は大きな打撃を受け、ヌート・ガンレイも逮捕された。しかし、ガンレイは共和国の体制が腐敗しきっていることを利用し、裁判で有罪の判決を受けながらも総督の地位を守り、密かに通商連合軍を再建した。
エピソード2では、ドゥークー伯爵率いる分離主義運動に呼応して10年前に苦汁を舐めさせられたアミダラ議員暗殺を条件に、経済面・軍事面で独立星系連合(分離主義勢力)を支える事を約束。以後、分離主義評議会の幹部としてクローン大戦で共和国と敵対した。なお、グリーヴァス将軍とは不仲だった。
ダース・シディアスとはエピソード1では臣下のような態度をとっていたが、あくまで互いに利用するだけの関係であった。しかしエピソード3では、そのシディアスの野望が成就したのち利用価値を見限られ、シディアスの使者ダース・ベイダーに殺される。最後に助命ではなくシディアスに対する疑問を口にしていることから、それなりに誇り高い人物であったことが伺える。映画版では問答無用で殺されてしまうが、ガンレイの疑問に対するシディアスの答えは、小説版でアナキンの台詞として明かされる。
[編集] その他
- 実はスーツアクター兼声優はジェダイ・マスターキ=アディ=ムンディと同じサイラス・カーソンがつとめている。ともに着ぐるみに近いキャラクターながら、アナキンの不平に目を伏せて無言で場をいさめた重厚なムンディと、映画中では軽率さが際だち、最後までダース・シディアスに振り回される悲惨な悪役となったガンレイ総督の対照的な演技は見事である。日本語吹き替え版での声優は鈴木勝美。
- ヌート・ガンレイは金の亡者で日本人が話すようなたどたどしい英語を話すため、アメリカの一部の市民団体から人種差別だと抗議を受けた事がある。しかし、声を担当したサイラス・カーソンは「彼らには見たところ鼻がない。だから鼻が無いような発音をするイメージのあるタイ人の英語をまねてセリフを話した」と、語っているためこの抗議は完全に的を外れた結果となった。
- ガンレイをはじめニモーディアンがみな高い帽子を被っているのは、その中に顔の表情を動かす機械が入っているため。エピソード1の頃は瞬きと口を開閉する程度だったが、エピソード2ではコンピュータ・プログラムによるリップシンク、エピソード3では顔全体の筋肉の動きの再現などその技術は飛躍的に進んでいた。