ノイマン型
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ノイマン型 (von Neumann architecture) は、コンピュータの実装方式のひとつで、プログラム内蔵方式のコンピュータ・アーキテクチャの一つである。主記憶装置(メモリ)上に命令とデータを区別することなく格納し、データを命令として解釈実行する方式である(命令とデータを区別して配置するアーキテクチャについてはハーバード・アーキテクチャを見よ)。
この方式は、ジョン・モークリーやジョン・エッカートがEDVAC設計時に考案し、発表したが、EDVAC開発に加わっていた著名な数学者のジョン・フォン・ノイマンが自分の名義で発表したため、今日では、ノイマンの功績として広く知られている。
ただし、このアーキテクチャの最初のコンピュータは、EDVACではなくEDSACである。これは、EDVACの開発が非常に遅れたため、EDSACに先を越されたからである。
[編集] アーキテクチャ
ノイマン型アーキテクチャの計算機は5つの部分からなる。演算論理装置(ALU)、制御装置、メモリ、入出力と、 これらを接続するバスである。
メモリに命令を格納するので、命令を実行するにはアクセス速度の遅いメモリに必ず触れなければならず、これがコンピュータのパフォーマンスを低下させている最大の原因であるとする、ノイマンズ・ボトルネックという考えも生まれた。
[編集] 実行
ノイマン型アーキテクチャの計算機は以下のようなステップを繰り返し行うことで計算を行う。
- プログラムカウンタのさすアドレスから次の命令を読み込む
- 命令長さの分だけプログラムカウンタを増やす
- 制御装置で命令をデコードする。制御装置は計算機の他の部分に対して命令を出したり、繰り返しを行うためにプログラムカウンタの値を替えたり、条件分岐のためにALUの状態によってプログラムカウンタの値を替えたりすることができる。
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