バレンタイン・キッス
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バレンタイン・キッス | ||
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国生さゆり の シングル | ||
リリース | 1986年2月1日 | |
録音 | - | |
ジャンル | J-POP | |
時間 | 分秒 | |
レーベル | CBSソニー | |
レビュー | ||
国生さゆり 年表 | ||
バレンタイン・キッス (1986年) |
夏を待てない (1986年) |
バレンタイン・キッスとは、1986年2月1日に国生さゆりがおニャン子クラブ在籍中に出したソロデビュー曲。クリスマスと共に一大年中行事と化した2月14日のバレンタインデーの季節には定番の曲として知られる。
なお、歌詞から分かるように、実際にはバレンタインデーの前日となる2月13日の歌である。また、歌詞のサビの部分では「バレンタインデー・キッス」と繰り返されているが、曲のタイトルは「バレンタイン・キッス」である。
目次 |
[編集] 楽曲データ
第1回 日本ゴールドディスク大賞 The Best Single Of The Year 受賞
[編集] バレンタインデーソングの定番への軌跡
- 国生さゆり、ソロデビューへの経緯 どうして「セーラー服を脱がさないで」ではなかったのか?
1985年春、広島県呉市の高校をちょうど卒業した彼女はおニャン子クラブの一員としてデビューするため上京。その前年、CBSソニーと縁を持っていたことから、所属事務所は関係会社、エイプリル・ミュージック(現・ソニー・ミュージックアーティスツ)となっていた。おニャン子クラブと彼女らが出演する番組で、フジテレビの「夕やけニャンニャン」は4月の開始当初から巷の話題となり、さらに6月のおニャン子クラブのデビュー曲「セーラー服を脱がさないで」の発表からは爆発的人気が起こる。しかし、おニャン子クラブを代表するメンバーとなる国生は、その当時はグループ内の大勢の中の一人でしかなかった。これには理由があり、「セーラー服を脱がさないで」という曲は発売元がキャニオンレコードによるものだったからだ。当時のおニャン子クラブの会員(メンバー)のなかには、国生と同じくソニー所属の河合その子、城之内早苗がいたが、彼女らもこの曲に関してはコーラス程度の参加しかなされていない。そして、「セーラー服を脱がさないで」を追うように、おニャン子クラブからの第2弾として、ソニー所属側から河合が「涙の茉莉花(ジャスミン)LOVE 」でソロデビュー。「セーラー服を脱がさないで」のフロントボーカルに起用された4人(新田恵利、福永恵規、内海和子、中島美春)と河合は、この時期のおニャン子クラブの「夕やけニャンニャン」以外の活動(他の番組に出演、グラビア撮影等)においては別格の扱いを受けることになる。このことはそのうちにグループ内にも影響が及び、他のメンバー達からは少なからず不満が挙がっていたという。しかし、年長だった国生はおニャン子クラブ本体のために、自らリーダー役となってグループ内の和のために寄与した。この行いが良かったのだろうか、番組開始当初の田舎からやってきたばかりの素人然とした顔や出で立ちも、世間が先述の5人ばかりに注目を預けているうちに変身を遂げ、彼女のソロデビューが決まる頃には、日々のテレビ映りに磨かれて抜群の容姿になっていた。おニャン子ファンの誰もが彼女のソロデビューを待ち望み始め、そして機が熟した時、彼女に与えられたのはバレンタインデーソングであった。
- 「バレンタイン・キッス」大ヒットの経緯
この曲が発売された1986年、年中行事としてのバレンタインデーは、日本独自の文化となった義理チョコもあれば、翌月3月14日のお返しのホワイトデーも設定されているなど、現在のように既に確立されていた。ただ一つなかったのが、クリスマスソングのようなバレンタインデーに関する定番曲だった。もちろん、これより以前に幾多のアーティストによってバレンタインデーを題材にした曲は作られ歌われてきたものの、この時までに誰もが知ってて、口ずさめるような定番曲は存在しなかった。洋楽に「マイファニーバレンタイン」などの著名曲もあったが、その古さからバレンタインチョコの流通や消費を担う若年層にはあまり浸透していなかった。
「夕やけニャンニャン」やおニャン子クラブの活動を統括していたスタッフらの話によれば、元々は狙って後世に残る定番曲を生み出そうとして作ったわけではなく、またお菓子業界からの要望によって作られたものでもなく、国生のデビュー時期がたまたまこの時期になったため、バレンタインデーという題材が選ばれたにすぎなかった、とのこと。当時のおニャン子クラブから出す曲は「夕やけニャンニャン」が月曜から金曜までの放送と視聴者の日々の生活に密着していたため、楽曲のテーマ性に季節や行事に沿ったものが多かった。1986年1月9日木曜日、おニャン子クラブがゲスト出演し、国生が彼女自身の役(ただし役名は国分さゆり)でメインゲストで登場した「スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説」の劇中内で「バレンタイン・キッス」初公開。そして1986年1月13日月曜日、この週最初の「夕やけニャンニャン」から毎日連続して、さらに同夜のフジテレビ「月曜ドラマランド」で放送されたおニャン子クラブ主演の初ドラマ「ボクの婚約者」のエンディングでもこの曲の歌唱映像は流れる。この日から発売日、そしてバレンタインデーのある週まで彼女が歌う「バレンタイン・キッス」の歌唱映像は、夕方5時台にもかかわらず視聴率が常時10%を軽く越し、全国ネットに近いネット数を持つようになった「夕やけニャンニャン」で毎日流れ、またおニャン子関連の他のテレビ番組やラジオ番組でも後押しされる。このインパクトがいかほどのものであろうか。2月1日発売後、オリコンでは初登場第2位、ミュージック・ラボとミュージック・リサーチでは初登場第1位を獲得、2月14日以後も「ザ・ベストテン」などの人気歌番組にもランキングされ続けて出演して歌うなどこの曲の人気は持続していった。
この曲の発売から1年半あまりの後、1987年8月31日、一時代を築いた「夕やけニャンニャン」は終了し、それに伴いおニャン子クラブも翌月解散していった。また、国生も1989年11月に歌手活動を停止。以後は女優に専念していく。しかし、歌い手はいなくともこの曲は毎年バレンタインデーが近づくと、街ではBGMとして持てはやされ、テレビやラジオからは季節感を出すために大量に流れ出す。懐かしの歌と現在流行っている歌を並行して紹介する日本テレビの音楽番組「速報!歌の大辞テン」では、毎年1月末か2月はバレンタインデーの話題を振りたいがために、必ずこの曲が流行っていた1986年2月のヒット曲の特集をするほどだった。50'sのようなオールディーズ・サウンドに乗って、国生がコニー・フランシスを意識して髪をポニーテールにして歌ったこの曲は、誰もが振り返れる思い出へと姿を変えていった。この曲以後もバレンタインデーの歌は作られたが、ついぞこの曲ほどのインパクトを残したものはない。こうして「バレンタイン・キッス」は定番となっていった。
[編集] カバー
- 2003年11月19日発売のおニャン子クラブ楽曲のカバーアルバム『おニャン子パンクラブ』で、女性ロックバンドのキッチンゴリラがカバーした。
- 2004年2月14日に人気アニメ作品『テニスの王子様』の登場キャラクターである跡部景吾(声優:諏訪部順一)のキャラクターソングとしてカバーされ、シングルCD が発売された(オリコンウィークリーチャートで14位)。その翌年2005年2月5日に『テニスの王子様』の登場キャラクターである同じく忍足侑士(声優:木内秀信)のキャラクターソングとしてもカバーされシングルCD が発売された。ちなみに 2月5日は忍足侑士を演じる声優・木内秀信の誕生日でもある。どちらも初回生産限定盤としてリリースされたため、発売後すぐに完売となった店が相次いだ影響もあり、更にその翌年2006年2月1日に同じく初回生産限定盤として再リリースされた。なお跡部景吾・忍足侑士版の CD ジャケットは国生版の EP ジャケットを忠実に再現したものとなっている。しかし、歌詞はそのままのため、ジェンダーソングとなっており、一部では気色悪いという評価もある。また 2007年2月14日には真田弦一郎(声優: 楠大典)が歌うシングルCD も発売された。(楠大典本人が「自分も歌いたい。」と希望したらしい。『テニスの王子様 オン・ザ・レイディオ』より。)
- 2006年1月18日に発売された まんすりぃ 萌音 chapter.7 ~はっぴぃ!バレンタイン~の中で後藤沙緒里がカバーしている。ちなみに、同曲は まんすりぃ萌音ぼーかるこれくしょん Vol.2にも収録されている。
- 2006年1月27日、人気ファッション雑誌 『Popteen』 専属モデルの益若つばさがメインボーカルを務める音楽グループ「渋谷トランス向上委員会」のデビューシングルとしてカバーされた。
- 2006年2月10日、広瀬香美が東京オペラシティで開催した東京フィルハーモニー交響楽団とのジョイントライブで歌った。
- 2007年には国生自身によるセルフカバー『バレンタイン・キッス 2007』が期間限定でレコ直、ソニーサイト、music.jp、オリコンモバイル他着うたフル、着うた、着ムービー、PVフルで配信された。さらに、フルコーラスではないが、バレンタインデー前日となる2007年2月13日に、テレビ朝日の『ロンドンハーツ』で新バージョンが放送された。
- 秋元康プロデュースによる女性アイドルグループAKB48が毎年2月14日の公演でカバーしている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
カテゴリ: アイドル歌謡 | テレビドラマ主題歌 | 1986年のシングル