パニッシャー
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パニッシャー(Punisher)は、マーベル・コミック刊行の複数のコミックに登場する架空のヒーロー。正面に大きく白い髑髏を描いた漆黒のコスチュームに身を包んだクライムファイター(=犯罪者を退治する事を専門とするヒーローの事)。
本名、フランク・キャッスル。セントラル・パークでピクニックを楽しんでいた彼の一家は、突然勃発したギャングの抗争に巻き込まれ、その銃撃戦の流れ弾で最愛の妻と二人の子供は帰らぬ人となる。暗黒街のギャングたちへの復讐を固く誓った彼は、いっさいの過去を捨て、非情の私刑執行人「パニッシャー」として生まれ変わった。
パニッシャーとなってからは主にニューヨークを中心に活動。なお元はアメリカ海兵隊員であった。
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[編集] 特徴
コミックは子供向けの物という認識がアメリカにはあり、マーベル・コミックの他の多くのヒーロー達は、相手がどんなに極悪の犯罪者であっても彼らを故意に殺すことをしない。しかしパニッシャーは法律もモラルも無視し、犯罪者らを冷酷に処刑・殺戮する(そのため、当の彼自身が犯罪者として警察に追われる身であり、また他のスーパーヒーロー達とも対立しがち、あるいは軽蔑されがちである)。現実のアメリカの治安の悪化という背景事情がこうしたヒーロー像を求め、許容するようになったと見られている。
スパイダーマンやデアデビルやゴーストライダーなどニューヨークを中心に活動するヒーローとは一応の親交がある。また、パニッシャーほど苛烈では無くとも時には殺人を犯す事も辞さないウルヴァリン(X-メンを参照されたい)とは、ある種の共感を持ちあっている様である。
また、クロスオーバー『バットマン/パニッシャー』ではDCコミックのヒーローであるバットマンと競演している。本作では「愛する者、肉親を殺された事の報復」という共通する行動原理を持つにもかかわらず、「絶対に犯罪者を殺さない」バットマンと「犯罪者は必ず殺す」パニッシャーの生き方の違いが浮き彫りにされ興味深い(日本版は権利関係のため絶版。アマルガム・コミックスも参照)。
現実に凶悪事件の増える中で、悪人の徹底的な倒し方が人気になり、映画版続編の製作が決定した。
[編集] 能力
肉体的には全くの通常人で、なんのスーパーパワーも持っていない(この点でも前述のバットマンとは共通する)。しかしあらゆる銃火器・爆発物を自在に使いこなし、白兵戦での戦闘技術も一流。特にギャングとの銃撃戦においては全く情け容赦がない。その戦闘能力はマーベル世界の超常的な能力を持つヒーローらにもひけをとらないものである。
[編集] 映像化作品
- 「パニッシャー」(1989年、オーストラリア、日本公開1990年1月):
- 監督:マーク・ゴールドブラット、出演:ドルフ・ラングレン、ルイス・ゴセット・ジュニア
- 「ザ・パニッシャー」(2004年4月全米公開、日本公開2004年11月):
- 監督:ジョナサン・ヘンズリー、出演:トーマス・ジェーン、ジョン・トラボルタ
- 「ザ・パニッシャー2」(製作決定)
[編集] ゲーム作品
カプコンから出されていたベルトスクロールアクションゲームと、THQから出されたサードパーソンシューティングゲームなどがある。
カプコン版では2Pキャラクターが特殊諜報機関シールドのエージェント「ニック・フューリー」となっており、「スパイダーマン」「デアデビル」にも登場するキングピンの組織と闘う。また、銃を持った敵が現れるとパニッシャーとニックも拳銃を抜き、それで攻撃することが出来るなどといった独特のシステムがある。
[編集] パロディ
ルトガー・ハウアー主演の映画「ブラインド・フューリー」の主人公は、上記の「ニック・フューリー」と同姓同名で、その親友の名前はフランク。