バットマン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バットマン(Batman)は、アメリカ合衆国のDCコミックが刊行する複数のコミック誌に登場する架空のヒーロー。および彼の登場する映画・アニメ・TVドラマ・玩具等の名前。
キャラクターとしてのバットマンは、バットマン (架空の人物)を参照。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
1939年、DCコミックの前身である会社が発行する『Detective Comic』誌27号にて初登場。同誌は現在まで続く同社の看板雑誌の一つとなり、他にも『Batman』誌、登場キャラクターのタイトル誌など、様々な派生誌を生んだ。多くは現在も発行され、他メディア展開も盛んと、今なお人気の衰えないキャラクターの一つである。
当時は同社の『スーパーマン』が好評であり、それに次ぐヒーローものが多く出版されていた。アーティストのボブ・ケーン(Bob Kane)と作家のビル・フィンガー(Bill Finger)により、多くの仮面のヒーローや、探偵たち、レオナルド・ダ・ヴィンチのイラストなどを参考に作られた。現在は契約問題などの諸事情でケーンのみが公式な作者となっている。
なおキャラクター設定については歴史が長いこともあり、幾度か変更が行われている。下記においては特記の無い限り、現在の設定を示している。
[編集] 登場人物
[編集] サイドキック(助手兼パートナー)・執事
- については、それぞれの記事を参照。
- アズラエル(Azrael)
- 本名ジャン・ポール・ヴァレー。
- 暗殺教団聖デュマ教団の末裔。かつてブルースがベインに重傷を負わされた際に、バットマンを務めた。3度コスチュームを変えており、初期のそれは身体・精神強化用催眠プログラム(人格が攻撃的になる副作用付)たる「システム」開放用、2度目のそれは「システム」の支配から脱却しバットマンへの忠誠を示すもの、3度目のそれは自身のオリジナルのものである。現時点では生死不明。
- アルフレッド・ペニーワース
- 代々ウェイン家に仕えてきた忠実な執事。バットマンの留守を守る。若き日は舞台役者、軍医経験など多彩な経歴を持つ。初期においてバットモービルなどの製作、メンテナンスも担当していた。両親を亡くしたブルースの父親代わりであり、彼の身を誰よりも案じている。皮肉屋。『バットマン・フォーエヴァー』では、かつて、バキンガムで働いていたことを示唆するようなセリフを言っている。
- 映画初期4作でマイケル・ガフ、『ビギンズ』でマイケル・ケイン。共に父の側面を持つ忠実な執事を演じている。
[編集] 友人
- ジェームズ・ゴードン(James Gordon)市警本部長
- 腐敗した市警の良心としてあり続けた実直な警官。勝手な自警団として警察から敵視されがちなバットマンの数少ない理解者。初めの妻と離婚後、元同僚サラ・エッセンと結婚するも、ジョーカーに殺害されている。養女バーバラもジョーカーに半身不随にされているが、バットマンが狂気にかられジョーカーを殺そうとしたときは身を挺してそれを止めた。法の体現者にして、人の良心の具現者でもある。近年市警を退職したが復帰。
- 映画初期4作でパット・ヒングルがステロタイプな警察トップ、『ビギンズ』でゲイリー・オールドマンが正義に懐疑的な実直な刑事として演じている。
- ルシアス・フォックス
- ウェイン・エンタープライズ社の最高責任者。バットマンの正体は知らないが、表の顔であるブルースの、夢想ともいえる慈善事業への理想に共鳴し移籍。会社の全てを取り仕切っている有能なビジネスマン。
- 映画『ビギンズ』でモーガン・フリーマンが、彼の正体に薄々感づいている開発部長の好々爺を演じている。
- レスリー・トンプキンス
- 精神科医。幼い頃からのブルースの主治医。彼がバットマンであることを知る人物の一人で、それを常に案じている。スラム街で無料医院を開いていた。
[編集] ジャスティス・リーグ(JLA)
- バットマン、スーパーマンなどDCコミックのヒーロー達が所属するチーム。
- 詳しくは、ジャスティス・リーグを参照。(スーパーマン(クラーク・ケント)は、その記事を参照。)
- グリーンアロー
- 弓矢の名手のヒーロー。緑色の衣装を身にまとい、各種の特殊な矢を駆使する。彼もまた富豪である。皮肉屋でバットマンを「バッツ」などと呼べる唯一の人物。
[編集] 代表的な悪役(ヴィラン)
宇宙人や怪獣ではなく、ゴッサムシティに巣食う犯罪者たちが主な相手である。
バットマンは彼ら宿敵を殺すことはしない。逮捕された彼らはアーカム・アサイラムなる精神病院兼監獄に収容される。
- ジョーカー(Joker)
- キャットウーマン(Cat Woman)
- ペンギン(The Penguin)
- リドラー(The Riddler)
- トゥーフェイス(Two-Face)
- ミスター・フリーズ(Mr.Freeze)
- ポイズン・アイビー(Poison Ivy)
- ラーズ・アル・グール(Ra's Al Ghul)
- スケアクロウ(Scarecrow)
- クレイフェイス(Clayface)
- は、それぞれの記事を参照。
- レッド・フード(2代目)(Red Hood)
- 本名ジェイソン・トッド。
- 2代目ロビンを務めていた青年が死から蘇った姿。かつてジョーカーが名乗っていたレッドフードの名を冠し、ゴッサム・シティに現れた。バットマン・ナイトウイング・現在のロビンを憎んでいる。
- ハーレークィン(Harley Quinn)
- 本名ハーリーン・クィンゼル。
- 元アーカムアサイラムのカウンセラー。ジョーカーの情婦。治療対象だったジョーカーに魅せられて自分も犯罪者となった。
- 『アニメ版バットマン』オリジナルキャラクターだったがコミックに採用された。
- ベイン(Bane)
- 人体実験で薬品を投与されたことで、強靭な肉体と怪力を得た暴力犯。一度はバットマンの背骨を折り引退に追い込んだ。
- 映画ではジープ・スウェンソン。
- グリムリーパー(Grim Reaper)
- カマを持ち、ケープを羽織った仮面の復讐鬼。バットマン登場以前の犯罪者処刑人として恐れられていた。
- その後姿を消していたが…
- バットマン2年目の活躍を描いたコミック「Year Two」に登場。この時死亡したジョー・チル(ブルースの両親を殺した強盗)の息子が二代目リーパーとなり、続編「Full Circle」に登場する。
- マンバット(Man-Bat)
- 本名カーク・ラングストーム。
- 元動物学者。コウモリの能力を身につけようとして自ら行った人体実験の失敗でコウモリ人間の姿となった。変身すると凶暴化してしまい知性を失う。後に生まれた息子は、生まれつきコウモリ獣人で、彼を追うために夫婦揃って変身したりしている。
- キラークロック(Killer Croc)
- 本名ウェイロン・ジョーンズ。
- 皮膚病によりワニのような外見と怪力を持つ。地下の違法プロレスで日銭を稼いでいたが、悪役として活動し始め、近年は何らかの要因で、獣人化が進み、知能も低下してきている。
- マッドハッター(MadHatter)
- 本名ジャービス・テッチ。
- 『不思議の国のアリス』に病的なほどのめりこんでいる悪党。天才電気工学技士で、人の心を操るチップを利用して犯罪を犯す。
- ベントリロクエスト&スカーフェイス(Ventriloquest&ScarFace)
- 腹話術師アーノルド・ウェスカーとその潜在意識であるスカーフェイスのコンビ。人形であるスカーフェイスが実権を握っており、人形ながらギャングのボスを務める。アーノルドは常にスカーフェイスに怯えている。
- ミスター・ザズー(Mr.Zsasz)
- 人を殺す度に、一つ自分の身体に傷を付けるシリアルキラーヴィクター・ザズー。
- 映画『バットマン ビギンズ』にも出演。精神病院から抜け出す禿げた髭の男。
- ブラックマスク(BlackMask)
- 化粧品会社の元社長ローマン・シニオスがその正体。会社の業績悪化から手放すこととなり、その後ギャングに身を落とす。黒い仮面を被っていたが、後に顔と癒着。黒い髑髏のような顔面になってしまった。そのせいか変装術に長けている。
- ハッシュ(Hush)
- 様々な悪党達を連携させ、ブルースに、またバットマンにプレッシャーをかけ続けた新たな悪役。二代目ロビンを復活させたり、ジョーカーにブルースの幼馴染であり、命の恩人でもあるエリオット博士を殺害させるなど、その行動は常軌を逸している。
[編集] 映画
- バットマン
-
- 1966年。同時期に放送されていたテレビシリーズの映画版。『バットマン・オリジナルムービー』としてビデオ発売あり。
- バットマン(Batman)
-
- 1989年(米)、監督ティム・バートン、出演マイケル・キートン、ジャック・ニコルソン、キム・ベイシンガー
- バットマン・リターンズ(Batman Returns)
-
- 1992年(米)、監督ティム・バートン、出演マイケル・キートン、ダニー・デヴィート、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン
- バットマン・フォーエヴァー(Batman Forever)
-
- 1995年(米)、監督ジョエル・シューマッカー、出演ヴァル・キルマー、ニコール・キッドマン、ドリュー・バリモア、ジム・キャリー
- バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲(Batman & Robin)
-
- 1997年(米)、監督ジョエル・シューマッカー、出演ジョージ・クルーニー、アーノルド・シュワルツェネッガー、ユマ・サーマン
- バットマン ビギンズ(Batman Begins)
-
- 2005年(米)、監督クリストファー・ノーラン、出演クリスチャン・ベール、リーアム・ニーソン、モーガン・フリーマン、渡辺謙、ゲイリー・オールドマン、ケイティ・ホームズ、ルトガー・ハウアー
- バットマン ザ・ダーク・ナイト(原題)(Batman The Dark Knight)
-
- 2008年(米)、監督クリストファー・ノーラン、出演クリスチャン・ベール、ヒース・レジャー、マイケル・ケイン、ゲイリー・オールドマン
[編集] TVアニメ
[編集] シリーズ
- バットマン(電光石火バットマン)
- アメリカで1970年代に制作されたもの。日本では、日本テレビ系で1987年に日本版のオープニングとエンディングを付けて放映。全13話。
- 後にテレビ東京系でキャスト変更したバージョンがある。
- バットマン(Batman: the Animated Series)
- 日本ではカートゥーンネットワーク及びテレビ東京で放送。
- ちなみに本作、ジャスティス・リーグ、バットマン・ザ・フューチャーの世界観はリンクしている。
- ジャスティス・リーグ(Justice Leage)
- スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、フラッシュ、グリーンランタン、ホークガール、ジョン・ジョーンズがチームを結成して悪と戦うストーリー。
- バットマン・ザ・フューチャー(Batman Beyond)
- 「バットマン」より後の未来時代を描いた作品。バットマンも老いたブルースからテリー・マクギニスに代替わりしている。
- ザ・バットマン(The Batman)
- 一部の設定を変更したリニューアル版。「ブルースがバットマンになって3年目」の駆け出し時代から始まる。
- 以前のバットマンのアゴは四角い(アゴが張っている)が、駆け出し(若い)だけあって、本作では「丸みを帯びた三角」という形状にデザインされている(「張り出したアゴ」は、意思の強さを表している)。
[編集] 長編
- バットマン マスク・オブ・ファンタズム
- バットマン サブゼロ 凍りついた愛
- Batman: Mystery of the Batwoman
- 上記三作品についてはバットマンの項を参照。
- バットマン・ザ・フューチャー 蘇ったジョーカー
- 上記作品についてはバットマン ザ・フューチャーの項を参照。
[編集] TVドラマ
- コメディ的側面の強い作品。バットマンが悪人をパンチすると原作コミックのような擬音が画面に合成されるのが特徴的。なお、1992年7月から1993年1月にかけてWOWOWで放送された際には吹き替えが新しく作られたが、WOWOW版ではバットマンがロビンに対して「脇役は黙っていろ」「おいロビン、ケツ触らせろ」等のヒーローとは思えない台詞が多分に使用されており他のバットマン作品とは一線を画した物となっていた。
[編集] ゲーム作品
- バットマン FC(1989/12/22)
- バットマン GB(1990/04/13)
- バットマン MD(1990/07/27)
- バットマン PCエンジン(1990/09/14)
- ダイナマイトバットマン FC(1991/12/20)
- バットマンリターンオブジョーカー GB(1992/03/28)
- バットマンリターンズ GG(1992/10/23)
- バットマンリターンズ MD(1993/02/19)
- バットマンリターンズ SFC(1993/02/26)
- バットマンフォーエヴァー GB・MD・GG・SFC(1995/10/27)
- バットマンフォーエヴァー・ジ・アーケードゲーム PS・SS(1997/02/14)
- バットマンダークトゥモロー Xbox(2003/03/20)・GC(2003/03/21)
[編集] 小説
[編集] 長編
- バットマン ジョーカーの逆襲(C・S・ガードナー、竹書房)
- バットマン スペクターを追え(S・ホーク、竹書房)
- バットマン サンダーバードの恐怖(J・R・ランズデイル、竹書房)
- バットマン 究極の悪(A・ヴァクス、早川書房)
[編集] 短編集
- バットマンの冒険1(M・H・グリーンバーグ編、社会思想社)
- バットマンの冒険2(M・H・グリーンバーグ編、社会思想社)
[編集] ノヴェライズ
- バットマン(C・S・ガードナー、竹書房):映画第1作のノヴェライズ
- バットマン リターンズ(C・S・ガードナー、竹書房):映画第2作のノヴェライズ
- バットマン&ロビン(M・J・フリードマン、主婦の友社):映画第4作のノヴェライズ
[編集] 邦訳コミック
- 権利関係で殆どは絶版となっている。
- BATMANオリジナル・コミック日本語版
- 近代映画社より刊行。代表的な古いエピソードを集めたもの。海外では続編としてジョーカーを中心にしたものがまとめられているが未邦訳。
- バットマン/パニッシャー
- スーパーマン/バットマン No.1~3
- 小学館プロダクションより。彼らの誕生譚のリメイク作品を収録。1、2には「イヤーワン」、3には「イヤーツー」前半部のみ収録。続刊が期待されたが打ち切り。スーパーマンの誕生譚「マン・オブ・スティール」は全て収録。
- バットマン/スポーン 日本語版 ISBN 4-07-310456-X
- バットマン:ブラック&ホワイト
- 小学館プロダクションより。アメリカンコミックはカラーが通常だが、あえてモノクロで製作された作品群で多数のアーティストが参加している。日本からは大友克洋が参加した。
- バットマン:ダークナイト・リターンズ
- 小学館プロダクション刊。リンク先参照。
- バットマン/ヘルボーイ/スターマン ISBN 4-7968-4047-8
- 小学館プロダクションより。他社ヒーローであるヘルボーイとの競演作のほか、その作者であるマイク・ミニョーラの手がけたバットマン作品二編を収録。
- バットマン:アーカムアサイラム ISBN 4-7968-4050-8
- 小学館プロダクションより。精神病院アーカムを舞台にした。絵画のようなタッチの幻想的作品。
- バットマン:ウォー・オン・クライム
- 小学館プロダクションより。キングダム・カムの作者、アレックス・ロスの写実的タッチが魅力。
- バットマン:マッドラブ ISBN 4-7968-4114-8
- ジャイブより。アニメ版コミックの翻訳。ハーレイクィンが主役の表題作とクリスマスエピソード集。
- バットマン:ブラック&ホワイト2 ISBN 4-7968-7020-2
- 小学館プロダクションより。同タイトルの続編。
- バットマン:キリングジョーク アラン・ムーア DCユニバース・ストーリーズ ISBN 4-902314-26-6
- ジャイブより。「キリングジョーク」を手がけた作家、アラン・ムーアの他のヒーローものとの合本。
- バットマン:HUSH 1 ISBN 4-902314-55-X
- バットマン:HUSH 2 ISBN 4-902314-56-8
- ジャイブより。ジム・リーによる緻密なタッチの作品。新たな敵ハッシュの策謀を描いた。
- バットマン:ハーレイ&アイビー ISBN 4-86176-082-8
- ジャイブより。アニメ版コミック。女性キャラクター主役の楽しい作品。他に映画「バットマン ビギンズ」登場のラーズ絡みのエピソード収録。
- バットマン・イヤーワン ISBN 4-86176-155-7
- ジャイブより。映画公開に合わせて新訳、別彩色版で刊行された。
- バットマン:テイルズ・オブ・デーモン ISBN 4-86176-156-5
- ジャイブより。「ビギンズ」に登場したラーズの初登場作と、グリーンアローとの競演作収録。
- バットマン:ダークナイト・ストライクス・アゲイン ISBN 4-86176-154-9
- ジャイブより2005年刊。詳細はリンク先参照。
- バットマン:パーフェクト・ガイド
- 小学館プロダクション。バットマンの解説本。キャラクター、歴史など詳細に載っている大型本。
[編集] その他
- BATMAN Child of Dreams 1 ISBN 4-06-334361-8
- BATMAN Child of Dreams 2 ISBN 4-06-334474-6
[編集] 日本国内地上波放送時の前後番組
フジテレビ系 日曜18:30枠(1966年4月10日-1967年1月1日まで・30分枠) | ||
---|---|---|
前番組 | バットマン (実写版・米TVシリーズ) |
次番組 |
キャスパーと遊ぼう | バットマン | |
フジテレビ系 日曜18:00枠(1967年1月8日-1967年3月26日まで・1時間枠) | ||
18:00-思い出映画館 18:30-バットマン |
バットマン (実写版・米TVシリーズ) |
18:00-バットマン 18:30-リボンの騎士 |
フジテレビ系 日曜18:00枠(1967年4月2日-最終回・30分枠) | ||
バットマン | バットマン (実写版・米TVシリーズ) |
リボンの騎士 |
日本テレビ系 日曜10:00枠 | ||
剛Q超児イッキマン | 電光石火バットマン (アニメ版) |
赤い光弾ジリオン |
[編集] 関連項目
■テンプレート/■ノート