ビスケー湾
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ビスケー湾(英語: Bay of Biscay, フランス語: Golfe de Gascogne, スペイン語:Golfo de Vizcaya)は、北大西洋の一部でイベリア半島の北岸からフランス西岸に面する湾である。
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[編集] 地理
大部分が大陸棚の浅瀬だが、冬季の荒波では有名である。
フランスではガスコーニュ湾、スペインではビスカヤ湾と、それぞれこの湾に面した地域の名であるガスコーニュ、ビスカヤにちなんだ名で呼んでいるが、いずれもバスクと関連のある地名である。なお、スペインでは湾の西側を特にカンタブリコ海と呼ぶ。
フェリーは、ポーツマス(イギリス)~ビルバオ(スペイン)、プリマス(イギリス)~サンタンデール(スペイン)間に就航している。
[編集] 主な川
[編集] 主な沿岸都市
[編集] 歴史
ビスケー湾はバスクの捕鯨揺籃の地である。9世紀、ヴァイキングがビスケー湾沿岸地域のボルドーやバイヨンヌといった主要都市を支配した頃から、この地域で小舟と銛による集団捕鯨が始まった。以降、バスク人はヨーロッパ各地に鯨油や鯨肉、鯨のひげを輸出、中世において商業捕鯨がこの地域の基幹産業となる。14世紀頃、ビスケー湾沿岸での捕獲量が減少したのをうけて、バスク人漁師たちはニューファンドランド島近海まで進出した。17世紀にオランダやイギリスなどが捕鯨を開始すると、バスク漁業はビスケー湾を基地としつつタラの漁獲と塩干しの加工へと移行した。
今日のビスケー湾はクジラや海鳥の生息地としてホエールウォッチングやバードウォッチングがさかんに行なわれている。風が強いことから沿岸にはサーフィンのスポットが多くある。フランスの外洋ヨットレースの1つ、フィガロ・シングルハンドレース(フィガロソロ)のコースともなっている。