ファミコン探偵倶楽部PartII うしろに立つ少女
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ジャンル | アドベンチャーゲーム |
対応機種 | ファミリーコンピュータ[FC] スーパーファミコン[SFC] ゲームボーイアドバンス[GBA] |
開発元 | 任天堂 |
発売元 | 任天堂 |
人数 | 1人 |
メディア | [FC]ディスクカード2枚組 [SFC]フラッシュロムカセット [GBA]カセット |
発売日 | [FC前編]1989年5月23日 [FC後編]1989年6月30日 [SFC]1998年4月1日 [GBA]2004年8月10日 |
ファミコン探偵倶楽部PARTII うしろに立つ少女(ふぁみこんたんていくらぶぱーとつー うしろにたつしょうじょ)は任天堂から発売されたゲームソフト。
最初の作品は1989年5月23日に前編が、同年6月30日に後編がファミリーコンピュータディスクシステム対応として発売され、後にリメイクされた。
目次 |
[編集] 解説
製作は前作と同じ横井軍平氏である。前作「ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者」がヒットしたのを機に第2作目が作られたアドベンチャーゲームである。前作同様、非常に臨場感溢れる展開となっているが、青少年にはふさわしくない(喫煙や殺害などの)シーンが含まれている。
1998年4月1日にニンテンドーパワーの書き換え用ソフトとして、グラフィック・サウンドをリニューアルし、スーパーファミコンでリメイクされた。
さらに、2004年8月10日にゲームボーイアドバンス版(ファミコンミニ ディスクシステムセレクション)として、ディスクシステム版をそのまま移植して発売された。なお、ゲームボーイアドバンス版は、前述の喫煙シーンの影響から、CEROレーティングで15歳以上対象とされ、任天堂発売のタイトルで初のCEROレーティングによる対象年齢付きソフトとなった。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
今(1989年)から3年前(1986年)の秋のある日の夜、主人公は、ふたりの警官に追われていた。夜中にうろついていると思われる彼を厳しく尋問しようとしていたのだ。しかしそこで空木俊介という探偵に「ここは、私に任せてもらえませんか?」と、彼に助けられる。主人公は、行方不明となっていた彼の両親を探すべく単身、孤児院から飛び出し、空木いわく「もっか家出中」だったのである。主人公は、行方不明である両親が見つかる手がかりにもなるのではと考え、空木の元に身を寄せ、そして空木の助手となった。
そして数ヵ月後のある日の朝、空木探偵事務所に一本の電話のベルが鳴り響いた。一人の女子高生が川原で死体となって発見されたというのだ・・・・恐怖の事件の幕が開く!
この作品は、私立の丑美津高校(うしみつこうこう)で噂となっている「うしろの少女」という幽霊が出てくる怪談と、時効寸前の殺人事件を同時に読み解くデュアル(二重)ストーリー形式のホラーアドベンチャー。
その話の詳細はゲームの中で確認して欲しい。
[編集] システム
前作と同じくコマンド選択式のオーソドックスなスタイル。前作における欠点であった、登場人物が何度も同じ内容を語る部分が改善されるなど、全体的に前作よりもスムーズに進行するように配慮されている。絶妙な展開のストーリーは前作以上で、怪談をモチーフにした不気味な雰囲気が特徴的。最終局面からエンディングに至るまでの展開と演出は非常に印象深い。
なお、後編の序盤では擬似3Dマップを移動しての捜索シーンがあるが、SFC版ではこのシーンを削除し、テキストによる回想に省略している。
[編集] 登場人物
- 主人公
- 少年探偵。15歳。空木探偵事務所の助手。助手となって数ヶ月の駆け出しである。
- プレーヤーはこの主人公になって事件の謎を解く。
- 空木 俊介(うつぎ しゅんすけ)
- 私立探偵兼空木探偵事務所の所長。36歳。警察において信頼が厚い人物。
- 「金田源治郎殺害事件」の捜査に専念するため、今回の事件を主人公に任せる。
- 橘あゆみ(たちばな-)
- 丑美津高校1年生。15歳。サークル「探偵クラブ」のメンバー。
- 親友を殺され、事件解決のために主人公に協力する。
- 事件に対する強い思いから、思いがけない行動力を見せることも。
- 小島 洋子(こじま ようこ)
- 丑美津高校・1年A組。15歳。親友のあゆみと一緒に、「探偵クラブ」というサークルを作っていた。
- 丑美津高校に古くから伝わる怪談話「うしろの少女」の噂を調べていくうちに、何者かによって殺害される。
- 日比野 達也(ひびの たつや)
- 丑美津高校の英語教師。31歳。小島洋子のクラスの担任で、洋子の死に強いショックを受けている。浦部を慕っている。
- 小島 秋江(こじま あきえ)
- 洋子の母。42歳。洋子が亡くなった直後はショックに陥っていたが、徐々に主人公に対して協力的となる。
- 駒田 哲治(こまだ てつはる)
- 丑美津高校の美術教師。59歳。勤めるようになって35年であり、学校一の古株。
- 「うしろの少女」のこともそれなりに知っており、校長の浦部とは古くからの付き合いでもある。
- 前作に登場した熊田と同様、語尾の「じゃ」が「ぢゃ」になるのがご愛嬌。
- 浦部 忠志(うらべ ただし)
- 丑美津高校校長。57歳。教育者の鑑として生徒・教職員の信頼も厚い。
- 今回の事件では冷静となりつつも、生徒を守れなかったことを悔いている。
- 葉山 久子(はやま ひさこ)
- 丑美津高校の生物教師。32歳。
- 丑美津高校の卒業生でもあり、最初に「うしろの少女」を目撃したのは彼女であるという噂がある。
- 田崎 敏夫(たざき としお)
- 丑美津高校の用務員。58歳。
- 少々変わり者だが普段は温厚。しかし一旦カッとなると何をするかわからない程激情的な性格でもある。
- 高校には20年ほど勤めている。以前は、左官業を営んでいた。
- 丸山(まるやま)
- 空木の知り合いの刑事。48歳。
- 空木とは古くからのつきあいで、主人公にも協力的。
- 15年前に発生した時効寸前の「金田源治郎殺害事件」の最終捜査に追われている。
- 浅川 しのぶ(あさかわ ―)当時
- 15年前に失踪した丑美津高校の女性徒。当時15歳。その後未だに行方不明。死亡したと思われる。
- 金田 源治郎(かねだ げんじろう)
- 丑美津高校の近くに住んでいたスナック経営者。
- 15年前、スナック経営のかたわら、詐欺行為も行っていた。多くの人々から被害の訴えがおこり、
- 警察が捜査に乗り出そうとした矢先に自宅で殺害された。
- 金田 五郎(かねだ ごろう)
- 源治郎の養子。31歳。父が殺された後は職にも就かず、その遺産を食いつぶして豪遊している遊び人である。
- 河合 ひとみ(かわい ―)
- 丑美津高校の1年生。15歳。生前の洋子と仲が良かった。
- 女性のような名前であるが、実はツッパリ風の男子生徒。強面な外見とは裏腹に正義感は強い。
- 主人公を不審人物と思い込んでいたが、誤解を解いてからは捜査に協力する。
- 水野(みずの)
- スナックの経営者。33歳。事件当時の五郎とは遊び仲間だった。
- 田崎 文(たざき ふみ)
- 田崎の母。81歳。東北の小さな漁村に住んでいる。
- 加藤(かとう)
- スナック「サンボラ」のマスター。25歳。
- かなり冷たそうに見えるが、ひとみが中学生のときに世話になっていた。
- 桂木 良子(かつらぎ りょうこ)
- 丑美津高校の卒業生。31歳。しのぶの知り合い。
- 石橋 さやか(いしばし ―)
- 桂木の友人。31歳。しのぶとは中学校の同級生。
- 内田 輝彦(うちだ てるひこ)
- 工場経営者だったが金田の詐欺にあい、工場をだまし取られる。
- 源治郎の殺害当初は有力な容疑者だったが、事件の数日後自殺、死体で発見される。