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フレッツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

フレッツ(FLET'S)とは、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)及び西日本電信電話株式会社(NTT西日本)が所有するIP網(地域IP網)へ、両社がアクセスを提供する回線提供サービスである。IP網へのアクセスは利用者とインターネットサービスプロバイダ(ISP)の2者があるが、フレッツは利用者側のアクセスサービスを指す。

地域IP網は都道府県(行政上の都道府県とは必ずしも一致しない)毎に存在し、地域IP網に各利用者とISPが接続されて、インターネットへのアクセスが可能になる。地域IP網は元来NTTの内部ネットワークであり都道府県内の電話局間通信に利用されていたが、インターネット用として外部接続(ISPの接続装置設置)を許可した経緯があり、その際にサービス名称へ「フレッツ」を冠した。そのため、地域IP網を(NTT自己利用以外の)インターネット回線として利用する形態を指し「フレッツ網」と呼ぶ場合がある。

「フレッツ」の名称は、Flat(定額)/Friendly/FlexibleのFとLet'sを組み合わせたものとされている[1]

目次

[編集] アクセスサービス

フレッツのいずれのアクセスサービスも定額制常時接続で提供される。 また、Bフレッツ,フレッツ・光プレミアム及びフレッツ・ADSLについては、PPPoEを利用し複数のISPへの接続(切り替え)を含む、複数セッションの接続が可能と言う特長がある。

[編集] フレッツ・光

Bフレッツおよびフレッツ・光プレミアムを総称して「フレッツ・光」と言う。 光ファイバー光ケーブル)の引き込み方法により数タイプある。マンションタイプを除き、光ファイバーをユーザ宅に直接引き込む(FTTH)。公称速度はユーザ端末側で最大100Mbps。サービス品目によっては、アクセス回線の帯域が他の複数の契約ユーザにより共有される。なお、サービスの名称に【東】【西】と記したものは、それぞれNTT東日本地域およびNTT西日本地域で提供されていることを示す。特記なき場合は両地域とも提供。

  • Bフレッツ・ビジネスタイプ - 主に企業向け。メディアコンバータを使用。収容局までのファイバーおよび地域IP網までの回線を専有する(SS:Single Star)。スループットが高いが、料金も高い。
  • Bフレッツ・ベーシックタイプ - 企業から個人のヘビーユーザーまで対応可能。メディアコンバータを使用。収容局までのファイバーを専有する(SS:Single Star)が、収容局から地域IP網までの回線は(他ユーザと)共有となる。
  • Bフレッツ・ファミリータイプ - ユーザ端末側の速度は最大10Mbps。NTT独自開発のSTM-PONを採用。既に新規契約受付は中止。
    この節は執筆の途中です この節は、書きかけです。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
  • Bフレッツ・ニューファミリータイプ【東】/ファミリー100 【西】 - 一般個人・中小企業向け。B-PON(ITU-T/G983.3)およびONU(Optical Network Unit: 光回線終端装置)を使用。収容局までのファイバー(下り622Mbps、上り156Mbps)を最大32ユーザで共有するが、局側の終端装置であるB-OLT(Broadband-Optical Line Terminal)の地域IP網側インターフェース(収容局内の地域IP網までの回線)が100Mbpsであり、その結果、100Mbpsを最大32ユーザで共有となる。ユーザ端末側の速度は最大100Mbpsである。料金は安いが、共有利用者が増えたり、(ファイル共有ソフトウェアなどで)帯域を占有するユーザが共有利用者に居た場合には、スループット低下の可能性もある。
    • なお、東日本管内ではハイパーファミリータイプのサービス開始を受けて新規受付を終了している[2]。また、NTT東日本では既設の回線についても順次ハイパーファミリータイプへの移行を図っている。これは、月額利用料金がニューファミリータイプと同額であることや、通信速度の面でニューファミリーよりも有利である可能性があるなど、利用者にとっても移行に際するデメリットは少ないと見て、サービス品目の集約による合理化を目的としていると思われる。
    • 当初、東日本はE-PON(独自仕様のEFM:Ethernet in First Mile)採用を予定していたが、結果的に西日本と同様にB-PONを採用した。また、東日本は、サービス開始当初、B-PONを使わずメディアコンバータを使用して(即ちベーシックタイプと同等)ユーザに対して開通させていたが、総務省より行政指導を受けて是正工事を行った。[1]
  • Bフレッツ・ハイパーファミリータイプ【東】/フレッツ・光プレミアム ファミリータイプ【西】 - 一般個人・中小企業向け。GE-PON(IEEE802.3ah)およびONUを使用。収容局までのファイバー(下り・上りとも1Gbps)を複数ユーザで共有するが、最大共有ユーザ数や地域IP網への接続仕様(OLT: Optical Line Terminal、~10Gbps?)は不明。ユーザ端末側の速度はこれまでと同様に最大100Mbpsである。ライン共有利用者が増えるとスループット低下の可能性もあるのは、ニューファミリー/ファミリータイプと同様である。なお、西日本の光プレミアムのIPv6等の仕様については、後述のフレッツ・光プレミアムと同様である。
  • Bフレッツ・マンションタイプ,ビルタイプ【東】/フレッツ・光プレミアム マンションタイプ【西】 - マンションなどの集合住宅用。FTTBまたはFTTCと呼ばれ、狭義のFTTHには含まれない。収容局までのファイバーは専有となる。各加入者宅まで直接ファイバーを引き込むものではなく、収容局からマンション用集合装置までファイバーを引き込む。そこから複数のユーザ個宅へ分配されるため、ファイバーは複数ユーザでの共有となる。ファイバーの終端装置から加入者宅までの接続方法によって次の3通りに分類される。いずれの場合もユーザ端末側の速度は最大100Mbpsである。「光ファイバーがどこまで引き込まれるか」に由来して、1.と2.はFTTB、3.はFTTCとも呼ばれる。なお、西日本の光プレミアムのIPv6等の仕様については、後述のフレッツ・光プレミアムと同様である。
  1. MDFに設置したマンション用集合型終端装置から既設のLAN配線(スループットは最大100Mbps)を利用。
  2. MDFに設置したマンション用集合型終端装置から既設の電話線上を介してVDSL(下り最大100Mbps・上り最大35Mbps)を利用。
  3. 近在の電柱等に設置した無線基地局とユーザ宅のベランダ等に設置したアンテナとの間で、FWA(Fixed Wireless Access: 実効最大下り46Mbps・上り32Mbpsの帯域を共有)を利用。
    • 西日本は1.及び2.を「マンションタイプ」、3.を「ワイヤレスタイプ」と呼称しているが、東日本は全てを合わせて「マンションタイプ」と呼んでいる。
    • 東日本/西日本とも、2.のサービス開始からしばらくは下り最大50MbpsのVDSLを使用しており、その装置が設置されている建物では今でも帯域が据え置かれている(装置の交換は行なわれない)。この場合、ひかり電話が使用できない。
    • 2007年3月現在、少なくとも東日本の一部では、装置の「メインテナンス工事」と称して50Mbpsから100Mbpsへの交換が行われ始めている。その際、NTTからレンタルしている各戸内のVDSLモデムは無償交換になっている。
    • ファイバーの能力は、東日本の「タイプ2ハイパー」,西日本の「フレッツ・光プレミアム マンションタイプ」(FTTCは対象外)のみは公称1Gbps、他は全て100Mbps。
  • Bフレッツ・マンションタイプ(光配線方式)【東】/フレッツ・光プレミアム マンションタイプ(ひかり配線方式)【西】 - マンションなどの集合住宅用。上記のFTTB/FTTCのマンションタイプとは異なり、集合装置にPONを設置し、マンション各戸まで直接光ファイバーを引き込む。狭義のFTTHと言える。なお、西日本の光プレミアムのIPv6等の仕様については、後述のフレッツ・光プレミアムと同様である。
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  • フレッツ・光プレミアム【西】 - 標準でIPv6に対応し、CTU(加入者網終端装置、IPv6サービス用専用機器)が標準提供される。なお、ユーザ・網インターフェース(UNI: User Network Interface)としては、直接レイヤ3のIPをCTUにより提供するのが原則である(なお、IPsec+RADIUS(IPv4トンネリング)を使用)。そのため、従来のIPv4のブロードバンドルータなどのPPPoE機器を使うのであれば、CTUにその設定をした上でCTU配下に接続することになる(なお、2006年8月13日提供以降の新ファームウェアで対応)。Bフレッツ・ファミリー100と違い、接続端末数制限はない。最大セッション数は5である。また、アプリケーションサービスとしてフレッツ・v6アプリと同等のものが標準提供される。

[編集] フレッツ・ADSL

利用者から地域IP網までの間を、既存の電話線を利用するADSL。公称速度は以下の通り(下り/上り)であるが、平均的実効速度はその70%~20%程度となる(回線品質、特に線路長にも大きく左右される)。

(なお、サービスの名称はNTT東日本でのもの。【括弧】内はNTT西日本での名称。)
  • フレッツ・ADSL モアIII【モアスペシャル】 - 47Mbps/5Mbps
  • フレッツ・ADSL モアII【モア40、モア24】 - 40Mbpsまたは24Mbps/1Mbps
  • フレッツ・ADSL モア - 12Mbps/1Mbps
  • フレッツ・ADSL 8Mタイプ【8Mプラン】 - 8Mbps/1Mbps
  • フレッツ・ADSL 1.5Mタイプ【1.5Mプラン】 - 1.5Mbps/512kbps
  • フレッツ・ADSL エントリー - 1Mbps/512kbps ※東日本のみ

[編集] フレッツ・ISDN

ISDN網を使用する定額制アクセスサービスとして、2000年(平成12年)に登場した。「フレッツ」シリーズの元祖。ISDNの1チャンネルを利用して、特定の電話番号「1492」にダイヤルアップ接続を行う。ISDN交換機のISM折り返し機能により、電話網の資源を消費しないため、定額制が可能となった。定額制・常時接続の一般向けサービスとしてOCNエコノミーが先行提供されていたが、低価格個人向けサービスとしてOCNエコノミーを越えて広く普及した。

当初のサービスの名称は「フレッツアイ」であったが、東芝系列の検索エンジン「フレッシュアイ」と類似しており紛らわしいためか、程なく「フレッツ・ISDN」に改称された。当初はADSLやFTTHのサービスが存在しなかったため、単に「フレッツ」と略称されることもあった。

しばらく後に、CATVやADSL等のブロードバンドの展開が始まり、料金や速度、費用対効果の面で優位性を失ったため、利用者は大幅に減少した。現在の利用者層は、いわゆる光収容回線であったり電話局から距離が長いなどでADSLを利用できず、かつ他の手段(FTTHやCATV等)も提供されていない地域(町村・離島など)に在住している場合や、その他の理由(ISDN電話として必要、単に特に理由もなく使い続けている、光ファイバーを引き込めないが通信安定性が必要なためADSLは利用できない、など)があるユーザに限られつつある。(ISDN#日本での歴史と現状も参照。)

日本全国(全ての市町村)で提供されているように思われがちであるが、西日本管轄の一部や東日本管轄の離島の一部、特に和歌山県の山間部や小笠原諸島などでは未だに提供されていない。モバイルデータ通信定額制などその他の定額制接続の手段が無い限りにおいては、いずれの常時定額接続手段も存在しない地域が未だに存在することであり、早期の改善が待たれる。(情報格差も参照)

また、ISDNも全国遍くカバーされているように思われているが、収容局から加入者宅までの線路長が8~10kmを超えるような場合には、ISDNすらもサービスの提供がほぼ不可能であり、上記と同様な問題が起きる。

[編集] フレッツ・スポット

外出先での無線LANによるフレッツ網接続の提供。

東日本においては、当初「Mフレッツ」の名称で、NTT自らは無線アクセスを提供せず、フレッツ網を利用して無線アクセスを提供する飲食店やホテルなどの事業者(Mフレッツホスト)と、無線アクセスの利用者(Mフレッツメイト)を募集するという独特な形態のサービスであったが、後に一般的な公衆無線インターネットサービスに変更され、名称も西日本のものと同じになった。

2005年10月26日より、NTT東日本・NTT西日本の各契約ユーザが、NTT東西のいずれのサービスエリアでも利用可能となるローミングサービス開始。.

[編集] アプリケーションサービス

フレッツ加入者同士の通信を可能にしたり、利便性を高めたりする付加サービス。 ただし現状は、フレッツ網内で閉じる通信については、NTT東日本NTT西日本との間の境界を越えた通信ができないなどの短所がある。

(なお、サービスの名称はNTT東日本でのもの。【括弧】内はNTT西日本での名称。)

[編集] Mフレッツ

東日本のみのサービス。フレッツ・スポットにおいて、認証と暗号化を強化。VPN向け。

以前は、公衆無線インターネットサービスの名称であった。上記#フレッツ・スポット参照。

[編集] フレッツ・オフィス

B2B環境の構築など。フレッツ網と契約者のネットワークを専用線(DA,HSD,ATM,MDN,Ethernet)で結び(または,NTTビル内にハウジングした契約者設備とフレッツ網を結び)、アクセス回線(Bフレッツ、フレッツ・ADSL、フレッツ・ISDNおよびMフレッツメイト)からのプライベートネットワーク接続を可能にする。

[編集] フレッツ・アクセスポート

東日本のみのサービス(ただし,フレッツ・グループでBフレッツビジネスタイプに対応しているので、西日本でも実質的には同種サービスが提供されていると考えて良い。) Bフレッツ利用者を中心としたイントラネットの構築など。Bフレッツビジネスタイプのアクセス回線に対して、アクセス回線(Bフレッツ、フレッツ・ADSL、フレッツ・ISDNおよびMフレッツメイト)からのプライベートネットワーク接続を可能にする。

[編集] フレッツ・グループアクセス【フレッツ・グループ】

拠点間LANの接続など、VPNとしての利用。すなわち、アクセス回線(Bフレッツ、フレッツ・ADSL、フレッツ・ISDN)利用者同士でのプライベートネットワークを構成できる。

[編集] フレッツ・コネクト【フレッツ・コミュニケーション】

PC同士のテレビ電話(ビデオチャット)や、動画等の送受信サービス。

[編集] フレッツ・セッションプラス【フレッツ・プラス】

PPPoEの同時利用可能セッション数を増やせるオプションサービス。

[編集] フレッツ・スクウェア

フレッツアクセス回線利用者専用のポータルサイト。動画配信が中心。

「.flets」という独自のトップレベルドメインを使用する。 Bフレッツまたはフレッツ・ADSLにて、専用のPPPoE設定を行い接続する必要がある。インターネットからはアクセスできない。

以前は、フレッツ・ADSLやBフレッツファミリータイプではPPPoEの同時利用可能セッション数が1であったため、フレッツ・スクウェアを利用するにはインターネット接続を切ってフレッツ・スクウェアにつなぎなおす必要があり面倒であった(とくに、常時接続してサーバ運用しているような回線では、事実上使えなかった)。 しかし、2002年に基本契約のセッション数が2以上(マルチセッション)に引き上げられ、対応した接続ツールも提供されたことにより、以前よりも利用しやすくなった。

[編集] フレッツ・オンデマンド

東日本のみのサービス。フレッツ網を利用した動画などの配信サービス。主に、ストリーミングをPCに対して配信する。動画配信ネットワークの提供や料金回収はNTTが中心となって行う(フレッツ・ドットネットのブロードバンド映像サービスとは異なる)。

[編集] フレッツ・アドーガ

東日本のみのサービス。フレッツ・スクウェアおよびフレッツ・オンデマンドにおいて、動画の開始前・および終了後にCM等のミニコンテンツを挿入するサービス。

[編集] フレッツ・セーフティ

対応ルータ機器上において、コンピュータウイルス不正アクセス等の検出・除去をする。ブリッジ接続やIPv6の通信には未対応。(フレッツ・v6アプリのセキュリティ機能とは異なる)

[編集] フレッツ・ドットネット【フレッツ・v6アプリ】

IPv6を利用したサービス。

東日本のみのサービスとして、128bitの長いIPv6アドレスの代わりにFLET'S.Netネーム(FdNネーム)を設定し、PC同士でのメッセンジャーやテレビ電話のアプリケーションで利用できる。

西日本のみのサービスとしては、セキュリティ機能がある。PCにv6アプリ関連ツールをインストールし、当該PC上で機能するものであり、フレッツ・セーフティとは異なる。この機能は、IPv6の通信にも完全対応している(2005年6月16日以降)。

東西共通のサービスは、PC同士でのテレビ電話(ビデオチャット)、ブロードバンド映像サービスがある。

テレビ電話はフレッツ・コネクト【フレッツ・コミュニケーション】と同様のサービス。フレッツ・コネクト【フレッツ・コミュニケーション】と相互接続している。

ブロードバンド映像サービスは、フレッツ網を利用した動画などの配信サービスであるが、フレッツ・オンデマンドとは異なり、専用のSTBをユーザ宅に別途設置し、テレビ上で映像を再生させる、CATV類似のサービスである(IP放送IPテレビ》、VOD)。また、動画配信ネットワークの提供や料金回収はISPが行い、フレッツは単に中継サービスを提供する。

なお、西日本のアクセスサービス「フレッツ・光プレミアム」では、IPv6対応のCTUが標準提供される点でフレッツ・v6アプリとは異なるが、アプリケーションサービスとしては同様の物が提供される。

[編集] フレッツ・v6マイディスク

IPv6によるリモートストレージサービス。ウェブ経由でアクセス。フレッツIPv6ユーザに対する共有機能、アルバム機能なども提供。

[編集] フレッツ・v6キャスト

西日本のみのサービス。IPv6によるコンテンツのマルチキャスト配信が可能となるサービス。コンテンツプロバイダー向け。

[編集] ひかり電話( IP 電話サービス)

[編集] 概要

Bフレッツ上で提供される(0AB~J)番号(一般の固定電話番号形態)のIP電話サービスとして、「ひかり電話」がある(なお、NTT西日本では、ひかり電話は、フレッツ・光プレミアムと、Bフレッツ・マンションタイプ(一部の局のみ)においてのみ提供される。)。また、法人向けのサービスとして、「ひかり電話ビジネスタイプ」、「ひかり電話オフィスタイプ」がある。IPセントレックスサービスも提供される。

固定電話相当の品質を確保した一般の固定電話番号形態のため、従来の固定電話からの番号ポータビリティ(移行)が可能である反面、050番号のIP電話のように通話料無料でかけられるケースはない。また直収電話と同様にナビダイヤルテレドームテレゴング、シャープダイヤル(警察への相談問い合わせ番号である「#9110」など)、コレクトコール、NTT系以外の他社着信課金(0070・0077・0088フリーコール、フリーフォン)などの特殊番号に接続できない[3][4]、遠隔検針やホームセキュリティシステムが使えなくなる場合が多い[5]、などのデメリットもある。

コーデックはG.711 μ-law、ペイロード間隔は20ms。

(0AB~J)番号のIP電話サービス全般に関しては、IP電話の項を参照。

フレッツフォン」という名称で、テレビ電話サービスを提供している。これはNTTドコモFOMAで提供しているテレビ電話サービスと相互通話が可能である。

[編集] 対災害性

ひかり電話は、「フレッツ・光」の回線上で提供される電話サービスである為、停電時には利用できない。

固定電話(アナログ加入電話)の場合、NTT局舎からメタル線路を通して電話機端末までの給電(局給電)が行われている為、ISDN(INSネット)等の例外を除いては、停電時にも利用可能である事が多い[6]。しかし、ひかり電話の場合には、利用者自らが電源対策(UPSの設置等)[7]を行わないと利用できない。[8]

なお、NTTによる「災害時の優先的な通信の確保」(災害時優先電話)の対象外であるため、災害時優先電話の回線としても採用はできない。

2007年3月25日に発生した能登半島地震では、富山県及び福井県つながりにくい状況が発生した。[9][10]

[編集] 障害 (2006年)

2006年9月19日から21日にかけ、NTT東日本の「ひかり電話」網の大規模な通信障害(通話制限)が発生した[11][12]。「ひかり電話」と他の固定電話携帯電話を中継する制御装置(ゲートウェーサーバ)の能力を超えたためといわれている。

9月25日、制御装置ソフトウエアバグと発表された。契約者には基本料金から日割り計算で3日分を差し引く措置がされる。[13]

従来の固定電話と比較すると、新しい技術である故にトラブルの発生率が現在はまだ高いことや、また今回のような障害時には、一般の固定電話回線を残すことが多い050局番のIP電話と異なり、代替手段がないという脆弱性が浮き彫りになった。

またNTT西日本の「ひかり電話」においても、2006年2月から4月にかけ、小規模な通信障害が5回連続で発生し、[14] さらに、同年10月23日には大規模障害が発生し[15]、同様に3日間の基本料金を割り引く措置が執られた[16]

[編集] 脚注

  1. ^ フレッツ・はじめて図鑑、NTT東日本
  2. ^ 東京都大島町及び八丈町は2006年11月30日までで、その他の地域は2005年4月30日までで、それぞれ新規の受付を終了した。
  3. ^ NTT東日本 ひかり電話 接続可否番号一覧
  4. ^ NTT西日本 ひかり電話 接続可否番号
  5. ^ 東京ガス:月々1900円からの本格ホームセキュリティ「Q&A」
  6. ^ ただし、近年は局給電に非対応の安価な固定電話機が増えている。
  7. ^ 利用者の屋内配線末端からNTT局舎までの経路途中にある電源が必要なNTT機器(例:FTTBにおける集合VDSL装置等)も同様に電源対策が必要となる。
  8. ^ ISDN(INSネット)においては乾電池等による対策も可能であるが(ターミナルアダプタルータの一部にバックアップ用乾電池を装着できるものがある)、ひかり電話のIP端末機器の場合、回線終端装置などの消費電力がISDNより遙かに大きく、乾電池等による対策もできない。
  9. ^ 能登半島沖を震源とした地震による通信サービス等への影響について(第3報) 2007年3月25日
  10. ^ 能登半島沖を震源とした地震による通信サービス等への影響について(最終報) 2007年3月25日
  11. ^ (参考1-1)つながりにくい事象の発生状況(1) - NTT東日本
  12. ^ (参考1-2)つながりにくい事象の発生状況(2) - NTT東日本
  13. ^ 「ひかり電話」ふくそうの原因及び対策の実施について - NTT東日本
  14. ^ NTT西日本がひかり電話の故障原因を発表 - 日経BP ITPro
  15. ^ 「ひかり電話」のつながりにくい状況の原因及び対策の実施について - NTT西日本
  16. ^ 「ひかり電話」のふくそうに伴う基本料金等の取扱いについて - NTT西日本

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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