プトレマイオス1世
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プトレマイオス1世ソーテール (ギリシア語表記:Πτολεμαίος Α' Σωτήρ 紀元前367年-紀元前282年) は、エジプトのヘレニズム国家プトレマイオス朝の初代ファラオである。マケドニア王国の貴族ラゴスの子で、幼少時よりアレクサンドロス3世(通称、大王)の「ヘタイロス(側近騎兵隊将校)」として育った。大王の死後はディアドコイの一人としてエジプトに拠った。
プトレマイオス1世は、アレクサンドロスの東征において将軍として従軍し、帝国内でも重要な地位にあった。大王の死後は、自らがサトラップとして統治していたエジプトに割拠して後継者(ディアドコス)として名乗りを挙げた。大王の遺体を帝国の首都バビロンから奪い取り、ナイル川の戦いでの勝利を経て、大王を自国の首都アレクサンドリアにミイラとして埋葬した。
彼は内政において統治体制を確立し、外征においては領土を東地中海まで拡張するなどして、古代エジプトの繁栄を取り戻した。この故に、プトレマイオス1世は、古代ギリシア語において「救済者(ソーテール)」の称号で呼ばれた。また、首都アレクサンドリアに、王立研究所(ムセイオン)とそれに併設したアレクサンドリア図書館を建設した。
[編集] 映画での描写
アメリカ製作の映画『アレキサンダー』ではアンソニー・ホプキンスが演じ、勇猛果敢な知将として描かれている。また、劇中では物語の語り手ともなっているが、彼は実際に自身の手で『アレクサンドロス大王伝』を著している事がわかっている。ただし、この著作はアレクサンドリア図書館の火災の時に消失してしまい、現存していない。