マイク・ムッシーナ
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マイク・ムッシーナ(Mike Mussina,1968年12月8日-)はアメリカメジャーリーグの先発投手。スタンフォード大学卒業。メジャーリーグでのデビューは1991年8月4日ボルチモア・オリオールズ。現在の所属球団はニューヨーク・ヤンキース。188センチ、83キロ、右投左打。メディアにより「ムシーナ」と記述されることあり。
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[編集] 経歴
- 1990年ドラフト1巡20番目にオリオールズに指名される。
- 1992年18勝5敗防御率2.54と活躍する。
- 1995年19勝する。
- 1996年2年連続19勝して、オリオールズをプレイオフに導くが、ニューヨーク・ヤンキースとのアメリカンリーグチャンピオンシップで敗れる。
- 1997年再びオリオールズをプレイオフに導くが、クリーブランド・インディアンスとのアメリカンリーグチャンピオンシップで敗れる。このシリーズの第3戦でムッシーナはリーグチャンピオンシップ記録の15奪三振を記録した。この記録は2000年のニューヨーク・ヤンキース対シアトル・マリナーズの第4戦にヤンキースのロジャー・クレメンスによってタイ記録が生まれた。
- 2000年シーズン終了後にオリオールズを離れることを決断、11月30日にヤンキースと6年契約する。ムッシーナと再契約できなかったことはオリオールズのファンにとってチームフロントの怠慢との声が大方の意見であった。
- 2001年ヤンキースに移籍した初年度17勝11敗と活躍する。アリゾナ・ダイヤモンドバックスとのワールドシリーズでは第1戦と第5戦に先発した。このポストシーズンは防御率2.63を記録した。
- 2002年18勝10敗、防御率4.05
- 2003年17勝8敗、防御率3.40
- 2004年ロジャー・クレメンス、アンディ・ペティート、デビッド・ウェルズに注目が集まったがローテーションのエースとして君臨したのはムッシーナであった。12勝9敗、防御率4.59
- 2005年エースではなくなっていたが、13勝8敗、防御率4.41でシーズンを終える。
- 2006年9月19日現在238勝をあげている。これは歴代55位にあたる。2500奪三振も記録している。現在37歳なことを考えても、300勝をする可能性を残している。7月15日のインディアンズ戦の勝利で15年連続10勝以上をあげたアメリカンリーグ最初の投手となった。
- 2007年期待される記録として、デニス・マルティネスの245勝を抜いて、一シーズンに20勝できなかった投手としては過去最高勝利。
[編集] あわや完全試合
彼が何度も完全試合を逃していることは有名。
- 1992年7月17日、テキサス・レンジャース戦で、ケビン・ライマーに2塁打を打たれるまで12人を抑え、最後のバッター14人も抑えて1安打完封。
- 1997年5月30日、クリーブランド・インディアンズ戦で9回1アウトで、サンディー・アロマー・ジュニアにヒットを打たれるまで25人を抑え、その後2人を三振に取って1安打完封。
- 1998年8月4日、デトロイト・タイガース戦で8回2アウトまで23人を抑えた後、フランク・カタラナートに2塁打を打たれる。その後もう1本ヒットを打たれて2安打完封。
- 2001年9月2日、ボストン・レッドソックス戦、最初の26人を抑えたが、代打の カール・エバレットを2ストライク1ボールと追い込みながら、レフト前ヒットを打たれる。その後一番バッターをゴロでアウトとして、1安打13奪三振完封。
- 2002年4月14日、レッドソックス戦で6回1アウトまで16人を抑えたが、ダグ・ミラベリにヒットを打たれる。ムッシーナは交代して6-2でヤンキースが勝利した。
- 2004年10月12日、アメリカンリーグチャンピオンシップの第1戦で7回1アウトで、マーク・ベルホーンに2塁打を打たれるまで登板、その後リリーフ投手が投げて10-7でヤンキースが勝利した。
[編集] まだ達成していない偉大な記録
- シーズン20勝(19勝が2回、18勝が3回)
- 防御率首位(過去何回か防御率ベスト10)
- サイヤング賞(過去6回の投票で5位以内)
- 完全試合(上記のようにあわや完全試合は何度かある)
- ワールドシリーズ制覇
[編集] 雑学
- メジャーリーグオールスターゲームに(1992,1993,1994,1997,1999)出場
- ゴールデングラブ賞受賞
- スタンフォード大学時代は、アメリカンフットボールのプレースキッカーだった。
- 1995年9月6日のカル・リプケンの2131試合連続出場記録達成の時に先発して勝利した。
- 1997年の完全試合を阻止したのは、サンディー・アロマー・ジュニアだが、1998年には彼の打球でムッシーナは鼻を骨折した。
- 2001年のあわや完全試合の際に投げ合ったのがデビッド・コーンでその時点では最も最近の完全試合達成者だった。
- ヤンキースに移籍して以来、彼は登板する前に動物園のサソリのコーナーに立ち寄る。
[編集] ポストシーズンの成績
- 1996年、1997年、2001~2005年に7勝7敗、防御率3.30
- 1997年のリーグチャンピオンシップでは2試合で好投した(15回を投げて25奪三振の試合、被安打4(被本塁打1)の試合)が、味方が得点できずに2試合ともチームは敗れた。
[編集] 年度別成績
年度 | チーム | 勝利 | 敗戦 | 防御率 | 試合 | 先発 | セーブ | イニング | 被安打 | 失点 | 自責点 | 被本塁打 | 四球 | 奪三振 |
1991 | BAL | 4 | 5 | 2.87 | 12 | 12 | 0 | 87.2 | 77 | 31 | 28 | 7 | 21 | 52 |
1992 | BAL | 18 | 5 | 2.54 | 32 | 32 | 0 | 241.0 | 212 | 70 | 68 | 16 | 48 | 130 |
1993 | BAL | 14 | 6 | 4.46 | 25 | 25 | 0 | 167.2 | 163 | 84 | 83 | 20 | 44 | 117 |
1994 | BAL | 16 | 5 | 3.06 | 24 | 24 | 0 | 176.1 | 163 | 63 | 60 | 19 | 42 | 99 |
1995 | BAL | 19 | 9 | 3.29 | 32 | 32 | 0 | 221.2 | 187 | 86 | 81 | 24 | 50 | 158 |
1996 | BAL | 19 | 11 | 4.81 | 36 | 36 | 0 | 243.1 | 264 | 137 | 130 | 31 | 69 | 204 |
1997 | BAL | 15 | 8 | 3.20 | 33 | 33 | 0 | 224.2 | 197 | 87 | 80 | 27 | 54 | 218 |
1998 | BAL | 13 | 10 | 3.49 | 29 | 29 | 0 | 206.1 | 189 | 85 | 80 | 22 | 41 | 175 |
1999 | BAL | 18 | 7 | 3.50 | 31 | 31 | 0 | 203.1 | 207 | 88 | 79 | 16 | 52 | 172 |
2000 | BAL | 11 | 15 | 3.79 | 34 | 34 | 0 | 237.2 | 236 | 105 | 100 | 28 | 46 | 210 |
2001 | NYY | 17 | 11 | 3.15 | 34 | 34 | 0 | 228.2 | 202 | 87 | 80 | 20 | 42 | 214 |
2002 | NYY | 18 | 10 | 4.05 | 33 | 33 | 0 | 215.2 | 208 | 103 | 97 | 27 | 48 | 182 |
2003 | NYY | 17 | 8 | 3.40 | 31 | 31 | 0 | 214.2 | 192 | 86 | 81 | 21 | 40 | 195 |
2004 | NYY | 12 | 9 | 4.59 | 27 | 27 | 0 | 164.2 | 178 | 91 | 84 | 22 | 40 | 132 |
2005 | NYY | 13 | 8 | 4.41 | 30 | 30 | 0 | 179.2 | 199 | 93 | 88 | 23 | 47 | 142 |
2006 | NYY | 15 | 7 | 3.51 | 32 | 32 | 0 | 197.1 | 184 | 88 | 77 | 22 | 35 | 172 |
Total | ' | 239 | 134 | 3.63 | 475 | 475 | 0 | 3210.1 | 3058 | 1384 | 1296 | 345 | 719 | 2572 |
2 デレク・ジーター | 11 ダグ・ミントケイビッチ | 13 アレックス・ロドリゲス | 18 ジョニー・デイモン | 19 ケビン・トンプソン | 20 ホルヘ・ポサダ | 24 ロビンソン・カノ | 25 ジェイソン・ジアンビ | 26 ウィル・ニエベス | 27 ダレル・ラシュナー | 28 ミルキー・カブレラ | 29 井川慶 | 31 ジョシュ・フェルプス | 33 ブライアン・ブルーニー | 34 ショーン・ヘン | 35 マイク・ムッシーナ | 36 マイク・マイヤーズ | 40 王建民 | 41 ミゲル・カイロ | 42 マリアノ・リベラ | 43 スコット・プロクター | 45 カール・パバーノ | 46 アンディ・ペティット | 48 カイル・ファーンズワース | 52 ルイス・ビスカイーノ | 53 ボビー・アブレイユ | 55 松井秀喜
6 監督 ジョー・トーリ | 23 ベンチ・コーチ ドン・マッティングリー | 一塁ベース・コーチ トニー・ペーニャ | 二塁ベース・コーチ ラリー・ボーワ | 打撃コーチ ケビン・ロング | 49 ピッチング・コーチ ロン・ギドリー | ブルペン・コーチ ジョー・ケリガン