ミリア・ファリーナ
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ミリア・ファリーナ(Milia Fallyna、結婚後はミリア・ファリーナ・ジーナス (Milia Fallyna jenius)) は、SFアニメ作品『超時空要塞マクロス』、『マクロス7』に登場する架空の人物。ゼントラーディ軍の女性エースパイロット(声:竹田えり)。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 『超時空要塞マクロス』時代
ゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊ラプ・ラミズ艦隊所属の一等空士長。バトルスーツクァドラン・ローを駆り、高機動空間戦闘を得意とする。親衛隊の切り札的存在であり、その勇名は男性兵士の間にも「エースのミリア」として知れ渡っていた。過去に負け知らずというプライドから、戦場において戦い甲斐のある刺激的な対戦者を求めていた。マクロス追跡作戦中、カムジン・クラヴシェラから敵軍の凄腕パイロットの存在を知らされ出撃するが、バルキリーヴァーミリオン小隊のマクシミリアン・ジーナス(マックス)との一騎打ちで初めての敗北を喫する(注:しかし、劇中ではカムジンは一条輝と一騎打ちで引き分けているが、マックスとは直接対峙していない。そのため、この凄腕パイロットとは輝のことを指していたという説もある)。
その屈辱から、復讐のためマイクローンスパイとなりマクロス艦内市街地に潜入。仇敵マックスに決闘を挑むが再び敗北。しかし愛情が芽生え、陣営や人種の壁を超え史上初の星間結婚を果たす。この出来事はMBS(マクロス艦内のTV局)により人類、ゼントラーディの双方に大きく報道される。エースパイロットの結婚は男女の恋愛という概念を知らないゼントラーディ人に大きな衝撃を与え、共存への大いなる架け橋となった(当時の年齢は地球人に換算して15歳)。戦後の2011年3月、初の星間混血児となる長女コミリア・マリア・ジーナスを出産する。
第一次星間大戦終戦直後の混乱期も、マクロスの和平勧告に応じず、戦闘を繰り返す残存ゼントラーディの説得のために、マックスと共に真紅のVF-1Jバルキリーを駆り「子連れ出撃」するケースもあり、彼女と愛娘であるコミリアの、人類とゼントラーディ共存実現への貢献度は極めて高い。
ちなみに、CDドラマ『マクロス・クラシック』では、終戦直後の地球で市役所がないため婚姻届を出せないと嘆くマックスに対し、自分がいずれ「市長というもの」になると誓うくだりがある。
劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』での名前(製造番号)は、ミリア639。メルトランディ軍モルク・ラプラミズ機動艦隊の中型高速砲艦(ミリア艦)艦長であり、別働隊として陽動・索敵・奇襲などの単独作戦を行う。TVシリーズとは異なる真紅のクァドラン・ローで出撃し、闘争本能をより残忍な形で表現している。地球上でマクロスを強襲するが、乱戦の最中マックスと一騎打ちとなり、自艦に誘い込むも格闘戦で敗北。その過程で愛が芽生え、ボドル基幹艦隊との最終決戦では共にクァドラン・ローを駆り出撃した。
なお、作中ではカットされたが、絵コンテ段階ではマイクローン装置で巨大化したマックスとの結婚式がマクロスやゼントラーディ軍に中継されるシーンが予定されていた。
[編集] 中間時代
DC用ゲーム『マクロスM3』では、2010年代から2030年代にかけてのジーナス夫妻の活躍が描かれている。ミリアはマックスとふたりで特殊任務部隊ダンシング・スカル隊を結成し、統合軍の極秘作戦で活躍。VF-9カットラスやVF-11サンダーボルトなど新型機の開発においても功績を残した。前線から退いた後はイーグルネスト空戦戦技センターの教官としてガムリン木崎らエリートパイロットを養成し、「イーグルマザー」の異名を取った。プライベートでもコミリアに続き6女を出産し、戦場で出会ったゼントラーディの少女兵モアラミア・ジフォンを養女にして育てた。地球文化に馴染み母親らしく変化していったが、女性に等しく優しいマックスにやきもちを焼くうちに浮気の疑念を持ち始め、徐々に夫婦仲が微妙になっていく。
[編集] 『マクロス7』時代
2038年、第37次超長距離移民船団長となったマックスと共に新マクロス級7番艦マクロス7副艦長に就任する。その後退役し、民間人居住区シティ7の市長選挙に立候補し、初代市長に当選。作中の2045年時点で49歳(地球人に換算)。依然若々しいが市長として厳格であり、共に暮らす末娘(七女)のミレーヌ・ジーナスに何かと干渉する「教育ママ」になっていた。娘と教え子ガムリン木崎の見合いを画策するなど、常識人ぶりは度が過ぎるほど。マックスとの夫婦関係はさらに冷え込み、別居状態(市民には極秘)が続いている上、ことあるごとに意見の衝突を繰り返している。
しかし、生来の激しい気性は変わらず、時には思いつきで突飛な行動に出ることもある。「エースのミリア」として鳴らした腕は健在で、公の要職でありながら自ら出撃することもあった。シティ7漂流時には前線復帰し、保存していたかつての愛機VF-1Jで居住区を守った(ガムリンがVF-1Jを無断使用し撃墜された後は、ダイアモンドフォース専用のVF-17Sナイトメアを無断で赤く塗装して出撃したこともある)。マックスがスターゲイザー作戦で出撃中には一時的にマクロス7艦長代理を務めるなど、難局を乗り切る中でわだかまりが解消され、かつての夫婦愛が再燃。最新鋭のVF-22SシュトゥルムフォーゲルIIを駆り、往年の絶妙なコンビネーションを見せた。
[編集] 搭乗機
- クァドラン・ロー
- VF-1J バルキリー
- VF-5000 スターミラージュ
- VF-9 カットラス
- VF-X-11
- VF-17S ナイトメア
- VF-22S シュトゥルムフォーゲルII