マクロス7 (架空の兵器)

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マクロス7(まくろすせぶん、MACROSS 7)は、SFアニメ『マクロス7』に登場し、作品の舞台にもなった架空の宇宙船。新マクロス級移民船の7番艦で、第37次超長距離移民船団の旗艦である。艦体は前部のバトル7と後部のシティ7に分離・合体が可能。

本項ではマクロス7を中心に第37次超長距離移民船団（通称マクロス7船団）を構成するその他の艦艇についても記述する。

[編集] 新マクロス級移民船

宇宙戦艦SDF-1マクロスをベースに開発されたメガロード級移民船（01~13）に続き、2030年から超長距離移民船団の旗艦として就役した艦級。2051年までに13番艦が就役し、各々が超長距離移民船団を率いて銀河系各方面へ出発し、移民可能な惑星を探している。通常巡航時の全長約7770m、質量77億7000万t。メガロード級（約1620m）を遥かに超える人類史上最大の宇宙船である。メガロード級までは戦艦内に居住区が設営される形で軍関係者と民間人が同乗していたが、民間人への配慮から戦闘行動にある程度の制約が課せられていた。新マクロス級では船体が戦闘ブロック（バトル）と居住ブロック（シティ）に分割され、巡航時にはドッキングし緊急時には分離するという方式で、作戦効率と安全性の向上が図られている。管轄という点でも、バトルは統合軍、シティは行政（市庁）の下に分かれ、それぞれ艦長と市長が最高責任者に就いている。なお、同級艦であっても建造時期により機能・外観は異なる。マクロス7以外の新マクロス級艦については後述の同型艦を参照。

また、「種や文化の保存」という超長距離移民政策において、長期の航海中も文化の育成を図るため、研究、生産、レジャーなどの専門施設をもつ大型艦が随行し船団を構成する。各艦はホログラムハイウェイ（ミルキーロード）で結ばれ、自家用車（簡易宇宙船）で自由に往来でき、総体的に大都市としての機能を持つ。その他の小型船、護衛の宇宙戦艦、宇宙空母、フリゲート艦なども含めると船団規模は約1,000隻、民間人の数は100万人以上にも達する。すべての艦が超空間移動装置フォールドシステムを備えており、フォールド通信を利用したギャラクシー・ネットワークで銀河系全域と結ばれている。

[編集] マクロス7

新マクロス級移民船の7番艦として2038年に地球を出発し、第37次超長距離移民船団を率いて銀河系中心方面へ航行している。艦長及び船団長はマクシミリアン・ジーナス（通称マックス）、副長はミリア・ファリーナ・ジーナス。ミリアは後に退役しシティ7市長に立候補、当選する。出発から7年後の2045年、プロトデビルンに率いられた謎の勢力バロータ軍と遭遇し交戦状態に入る。

[編集] バトル7

マクロス7の前部に位置する巨大なステルス攻撃宇宙空母で、マクロス7船団総旗艦。2段式の飛行甲板を持ち、艦載機VF-11サンダーボルト、VF-17ナイトメアなどを搭載する。艦橋前部にはダイアモンドフォース、エメラルドフォースなどの精鋭部隊を緊急射出する電磁カタパルト3基と、サウンドフォース用サウンドブースターの格納庫がある。また、単独でも戦闘が出来るよう、対空砲やミサイルなども充実している。艦隊戦などの緊急時には通常の空母形態（要塞艦）から人型ロボット形態（強攻型：通称「BIG-M」）へトランスフォーメーションを行い、艦底に接合している砲艦「ガン・シップ」を右手に握り、超大口径ビーム砲「マクロス・キャノン」として使用する。最大威力時や連射時には伝導管を通じてバトル7本体からエネルギー供給を受ける。また、強攻型時のみ、肩に位置する部分に中口径の2連装砲が姿を現す。

（諸元）全長：約1,510m　全備質量：約7,770,000ｔ

[編集] シティ7

マクロス7の本体である超巨大都市型移民船。バトル7とはエネルギープラントを介して合体する。亀甲型の艦体上半分が市街地区画、下半分が推進部やバトル7の修理ドッグになっている。市街地区画は透明ドームに包まれ、その上部を巨大な貝殻のような天蓋（防護シェル）が覆っている。巡航時には防護シェルが解放され、内面にホログラフィック映像で人工的に地球の気象（昼夜や晴雨）が再現されている。戦闘時には映像の消灯（シェルオフ）や防護シェルの閉鎖（シェルダウン）で居住区の安全が図られる。

居住区で暮らす民間人は約35万人。市街地には高層ビル群や20世紀の名建築を模したメモリアルパークがあり、商業施設、住宅地、緑化地区や人工湖なども整備され、地球と変わらない日常生活が営まれている。透明ドーム面には市民の移動手段としてチューブ式のリニアモーター交通システム「星の手線」が縦横に走る。本作の主人公熱気バサラが暮らすのは、左舷に張り出した出島のような「アクショ」と呼ばれる区画。無許可でドッキングポートを占拠し、シティ7からライフラインを引き込んでいる。正式に船団登録していない治外法権区で、治安は悪いが物価が安いためアーティストなどが住みついている（ニューヨークのSoHoがモデル）。

シティ7の運営は統合軍から独立し、ミリア市長以下シティオフィスの管轄下にある。市長の特別許可がないかぎり、統合軍といえどシティ内への作戦出動は認められない。平時の治安維持は警察（シティポリス）が担当し、「パトロイド」と呼ばれる特殊可変メカを使用している。しかし、バロータ軍兵器の侵入には対処しきれないため、ミリア市長の一存により、ガムリン木崎大尉率いるダイアモンドフォース隊が直属防衛隊として配備された。

（諸元）全長：約6,210m（エネルギープラント約800mを含む）

[編集] マクロス7船団艦艇

[編集] 統合軍関連

ウェストポイント級支援母艦

統合軍の演習艦。艦内に可変戦闘機用の演習フィールドなどの施設を持つ。全長：約3,500m　質量：約3,315,000,000t

ビギンヒル

グァンタナモ級宇宙空母

アームド級宇宙空母の発展型。宇宙デッキを改造したアームド級と違い、純粋に戦闘艦として設計された。

CV-299 グァンタナモ　（サニーフラワーの護衛艦）
CV/ARMD362 舞鶴
CV-375 マモイ

ウラガ級護衛宇宙空母

グァンダナモ級の上位艦として建造された2段宇宙空母。通常巡航時は大型艦にドッキングしている。

CV-404 浦賀　（リビエラの護衛艦）
CV-406 ブランプトン　（ハリウッドの護衛艦）
CV-412 アバディーン　（ビギンギルの護衛艦）
CV-417 ケフラヴィーク　（アインシュタインの護衛艦）
CV-565 サラトガ II

ノーザンプトン級ステルスフリゲート: 船団の前衛・後衛を守り、哨戒などにあたる高速艦。ブルーノーズ、ボロネーゼ（01、03、05、06）、カーラ009、ルーシー、スターゲイザーなどの艦がある。スターゲイザーはプロトデビルンに対しマックス艦長自ら出陣した特殊作戦で使用され、作戦名も「オペレーション・スターゲイザー」と呼ばれた（同艦は作戦中撃沈された）。

ゼントラーディ系艦艇

ノプティ・バガニスbis級

第一次星間大戦でブリタイ・クリダニクの乗艦として知られたノプティ・バガニス級艦隊指揮艦を、地球技術を導入して改良したもの。本来の曲面的フォルムに平面的なステルスラインが混じっている。

ステルスフリゲート艦

ノーザンプトン級の同型艦だが、主にゼントラーディ系技術が用いられている。

[編集] 民間関連

アインシュタイン: 最先端の科学技術を研究する研究実験艦。科学者やその家族約5万人が暮らす学園都市でもある。ピラミッド状の艦体が特徴。全長：約3,000m　質量：約225,000,000t
サニーフラワー: 食料となる農作物や家畜を生産する農業艦。艦体はその名の通りひまわりの花に似ている。全長：約4850m　質量：約3,200,000,000t　乗員：約15万人
スリースター: 工業施設が集まるコンビナート艦。日用品から戦艦まであらゆる工業品を生産する。艦尾から吹流しの放熱フィルムを伸ばしている。全長：約5,500m　質量：約5,950,000,000t　乗員：約15万人
ハリウッド: アトラクションなど娯楽施設の他、映画撮影スタジオもあるアミューズメント施設艦。球体の艦体表面はフェイズドアレイアンテナで覆われ、銀河ネットワークの情報中継基地となっている。また、軍の情報管制艦としての機能も持つ。全長：約3,500m　質量：約530,000,000t　乗員：約5万人
リビエラ: 艦内に人工の海がある海洋艦。本来は魚介類の養殖・研究用施設だが、情緒たっぷりの景観から一部が会員制高級マリンリゾートとして利用されている。そのため「リゾート艦」と呼ばれることが多い。艦体は巻貝のような形状で、下面に突き出た深海研究用タワーは深度2200mにも達する。全長：約6,300m　質量：約10,700,000,000t　乗員：10万人

その他

マーク・トウェイン号

20世紀のミシシッピー川の外輪蒸気船を模した遊覧船。熱帯植物園やプールなどの施設もある。全長：約300m

武道艦

5角形の巨大コンサートホール船。OVA『マクロスダイナマイト7』オープニングフィルムでFIRE BOMBERがライブを行う。ステージはホール中心に浮遊している。

ヘブン

サイドストーリー的漫画『マクロス7 トラッシュ』に登場する。墓地や各宗派の施設が集められた艦で、「幽霊船」と陰口を言われることも。艦体は十字架に似た形で、緑豊かな艦内には居住区もある。中央（シティ7）から離れた場所柄ゆえ、訳ありな住人が多いという。

[編集] 同型艦

マクロス1: 新マクロス級1番艦として2030年に地球を出発。シティを覆う防護シェルを持たない。
マクロス5: 第35次超長距離移民船団の旗艦。マイクローン化したゼントラーディ人のみで構成される移民船団のため、マクロス5にもゼントラーディ系デザインが導入されている。移民先として到着した惑星ラクスにおいて、バロータ軍の攻撃に遭い大破した。
マクロス9: マクロスシリーズの外伝的ラジオドラマ『マクロス・ジェネレーション』に登場する。
マクロス13: PSゲーム『マクロス VF-X2』に登場する。新マクロス級の最終艦で、アクティブステルス技術の進化により、従来の直線的デザインからやや複雑な形状に変化している。