ムーディー・ブルース
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ムーディー・ブルース(The Moody Blues)は、1964年にデビューしたイギリスのプログレッシブ・ロック・バンド。世代的にはビートルズやローリング・ストーンズ、ザ・フー等とほとんど変わらず、ロック黎明期に誕生した古参バンドのひとつである。
[編集] 経歴
デビュー最初期はR&B系グループとして活動しており、「Go Now!」が1965年に全英1位の大ヒットを記録するが、まもなく中心メンバーであるデニー・レインが脱退し、音楽性は変化。メロトロンやシンセサイザーなどの電子楽器を駆使した前衛的な音楽に変わっていく。また、1960年代の段階でオーケストラとの競演で新しいロックのスタイルを築き上げるなど、プログレッシブ・ロックというジャンルを生み出した草分け的な存在と言える。
ちなみに、1966年にバンドを脱退したデニー・レインは、後にポール・マッカートニー率いるウイングスに加入する。
その後は、1967年『Days Of Future Passed』、1968年『In Search Of The Lost Chord(失われたコードを求めて)』、1969年『On The Threshold Of A Dream(夢幻)』、1971年『Every Good Boy Deserves Favour(童夢)』といったほとんどのアルバムが英米で大ヒットを記録。ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、イエス、EL&P、ジェネシス等と共に1960~70年代のプログレッシブ・ロック・ムーブメントを支えた。かつてジミー・ペイジは「本当にプログレッシブなバンドは、ピンク・フロイドとムーディー・ブルースだけだ」と語っていた。
1972年にアルバム『Seventh Sojourn』を発表してからは活動が停滞する。この時期はプログレッシブ・ロックの最盛期であり、この頃にほとんど活動を行っていなかったという点がプログレ・ファンからの認知が低い理由と言える。しばらくして活動を再開し、1981年発表のアルバム『Long Distance Voyager(魂の叫び)』で全米1位を獲得、復活を印象付けた。1980年代以降はプログレッシブ・ロックの衰退もあり、ポップな大衆的音楽に変化していった。
幾多のメンバー・チェンジや音楽性の変化などを経て、現在も活動中である。日本では知名度や人気、評価はあまり高くないが、ロック史の上で見れば重要な意味を持つバンドである。
[編集] アルバム・ディスコグラフィー
- 1965 The Magnificent Moodies (邦題:ムーディー・ブルース・ファースト・アルバム)
- 1967 Days Of Future Passed
- 1968 In Search Of The Lost Chord (邦題:失われたコードを求めて)
- 1969 On The Threshold Of A Dream (邦題:夢幻)
- 1969 To Our Children's Children's Children (邦題:子供たちの子供たちの子供たちへ)
- 1970 A Question Of Balance
- 1971 Every Good Boy Deserves Favour (邦題:童夢)
- 1972 Seventh Sojourn
- 1977 Caught Live + 5
- 1978 Octave (邦題:新世界の曙)
- 1981 Long Distance Voyager (邦題:魂の叫び(初期には『ボイジャー~天海冥』))
- 1983 The Present (邦題:新世界への道程)
- 1986 The Other Side Of Life
- 1988 Sur La Mer
- 1991 Keys Of The Kingdom
- 1993 A Night At Red Rocks
- 1999 Strange Times
- 2000 Hall Of Fame
- 2003 December
- 2005 Lovely To See You (Live)