メレンゲ
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- メレンゲとは、菓子素材・菓子の名前。以下に詳述する。
- メレンゲ(英語・スペイン語(アメリカ大陸) merengue, フランス語 meringue, ハイチ・クレオール語 meringue)はカリブ海にあるドミニカ共和国の発祥のダンス。早い2ビートの音楽に合わせて2ビートのステップを繰り返す。1に由来。
- 日本のバンド→メレンゲ (バンド)。
メレンゲ(英語 merengue, フランス語 meringue, ドイツ語 die Meringe, Meringel)とは、卵(鶏卵)の卵白を泡立てた食材、およびそれを用いた菓子のこと。滑らかな食感をだすため、料理(主に菓子)に使用される。
泡立てすぎると、ぼそぼその部分とさらさらの部分、すなわちタンパク質と水分が分離してしまう(離水)。 泡だて器やボールに油分が残っていると泡立たないので注意をする。 泡立てる際に、金属のボールだと色と臭いが付くことがあるので(やや青白くなる)、ホーロー引き、ガラス、プラスチックのものを使うとよい。ただし、銅製のボールを使うとメレンゲが非常に安定し、離水しにくい。 また弱酸性で安定する性質を持つので、少量のレモン汁などを加えると、離水しにくい。強酸性では、タンパク質が変性してしまうため、卵白が固まってしまう。
菓子作りにおいては、味だけではなく緩衝材として砂糖を加えることにより、耐熱性、耐酸性を上げ、さらに離水を防止させている。 砂糖を加えるタイミングを変えることにより、メレンゲの質感を変えることが出来る。泡立てる初期に砂糖を加えれば、砂糖が卵白の水分を十分に吸いシロップ状になるため、卵白の粘り気が増し、泡立てにくいが、艶のある、きめの細かい安定したしっかりしたメレンゲを作ることが出来る。表現を変えれば、硬く重たいメレンゲが出来上がる。また、泡立てる中盤から後半に加えれば、泡立てやすいが、きめが粗くもろい軽いメレンゲが出来上がる。これらの違いを利用して、菓子の種類に応じて使い分けること により、それぞれの菓子の特徴をより、細かく鮮明に表現することが出来る。
卵は、殻の表面(ON EGG)だけではなく、潜在的に数千個に1個の割合でサルモネラ菌を内部に保菌(IN EGG)していて、これらを表面上見分けることは不可能である。よって洋生菓子(ムースやクレーム・オ・ブールなど)に使う場合、衛生上、殺菌が必要である。'イタリアンメレンゲ'merengue italienneは約120℃に熱したシロップをメレンゲに加えるため、殺菌され安全であるし、気泡性も非常に安定している。ただし、十分に殺菌効果を得るための量のシロップを加えると、少々甘くなりすぎるのが唯一の欠点である。
なお、モロッコのメッラー(ユダヤ教徒地区)でメレンゲはよく見かけられるという。