モンジュー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1999年11月28日 東京競馬場 |
|
性別 | 牡 |
---|---|
毛色 | 鹿毛 |
品種 | サラブレッド |
生誕 | 1996年4月4日 |
死没 | (現役種牡馬) |
父 | サドラーズウェルズ |
母 | フロリペデ |
生産 | ジェームズ・ゴールドスミス |
生国 | アイルランド |
馬主 | マイケル・テーバー |
調教師 | ジョン・ハモンド(仏) |
競走成績 | 16戦11勝 |
獲得賞金 | 10,820,000フラン 523,000ポンド 503,555愛ポンド 20,000,000円 |
モンジュー(Montjeu、1996年 - )は、アイルランドで生産され、フランスで調教された競走馬。凱旋門賞、キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス、アイリッシュダービー、ジョッケクルブ賞(仏ダービー)等に勝った。現在は種牡馬として活躍中である。
目次 |
[編集] 現役時代
1996年4月4日生まれ。同世代はドバイミレニアム、ファンタスティックライトなどがいるハイレベルな世代。
2歳のときフランスでデビューしたモンジューは2歳を2戦2勝、3歳緒戦のグレフュール賞を制し、一躍クラシック候補に躍り出る。そのジョッケクルブ賞の前哨戦リュパン賞では2着と敗れるも、迎えた本番では4馬身差をつける圧勝でフランス3歳の頂点となる。
続くアイリッシュダービーも5馬身差の圧勝、その後休養に入り、秋に行われるヨーロッパ最大のレース凱旋門賞へと駒を進める事を決定する。この年、凱旋門賞に出走するべくエルコンドルパサーが長期の欧州遠征を行っていた。エルコンドルパサーにとっては強烈なライバルが出現したこととなる。
迎えた秋、緒戦のニエル賞を持ったままで制し、凱旋門賞へと向かう。この年の凱旋門賞はエルコンドルパサー、デイラミやダリアバ、ボルジアなどが出走しており、ハイレベルのメンバーが揃うレースであった。スタートが切られ、気持ちよく逃げるエルコンドルパサーに、馬場が悪いにも関わらず後方からレースを進めるモンジュー。
逃げるエルコンドルパサーと追い込みにかけるモンジュー。ゴール前の直線ではこの2頭の勝負となるが、残り50mで逆転したモンジューが1/2馬身の差をつけて優勝。日本の競馬ファンを悔しがらせた。次に陣営が選んだのはジャパンカップで、エルコンドルパサーとの死闘を演じたこともあり、日本でも非常に注目されたが、日本の速いタイムが出る芝があわなかったのか、スペシャルウィークに完敗の4着であった。こうして3歳シーズンを終え、この年のカルティエ賞最優秀3歳牡馬を獲得。
古馬になり、心身ともに充実したモンジューは快進撃を続ける。G1を2連勝し、迎えたキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスでは日本から参戦のエアシャカールやファンタスティックライトなどを子ども扱いするかのように圧勝し、格の違いを見せ付ける。しかし秋になり、2連覇を懸けて望んだ凱旋門賞であったが、極端な斤量差もあってか当時のヨーロッパ最強3歳馬シンダーの前に屈し、その後も精彩を欠いて2連敗。そのまま引退する。
[編集] 競走成績
出走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離 | 着順 | 騎手 | 1着(2着)馬 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1998年9月18日 | シャンティ | マニゲット賞 | 芝1600m | 1着 | C.アスムッセン | (Camikaril) | |
1998年10月18日 | ロンシャン | アイソノミー賞 | 芝1800m | 1着 | C.アスムッセン | (Spadoun) | |
1999年4月25日 | ロンシャン | グレフュール賞 | G2 | 芝2100m | 1着 | C.アスムッセン | (Sendawar) |
1999年5月16日 | ロンシャン | リュパン賞 | G1 | 芝2100m | 2着 | C.アスムッセン | Gracioso |
1999年6月6日 | シャンティ | ジョッケクルブ賞 | G1 | 芝2400m | 1着 | C.アスムッセン | (Nowhere to Exit) |
1999年6月27日 | カラ | アイリッシュダービー | G1 | 芝12f | 1着 | C.アスムッセン | (Daliapour) |
1999年9月12日 | ロンシャン | ニエル賞 | G2 | 芝2400m | 1着 | M.キネーン | (Bienamado) |
1999年10月3日 | ロンシャン | 凱旋門賞 | G1 | 芝2400m | 1着 | M.キネーン | (El Condor Pasa) |
1999年11月28日 | 東京 | ジャパンカップ | G1 | 芝2400m | 4着 | M.キネーン | スペシャルウィーク |
2000年5月28日 | カラ | タタソールズゴールドカップ | G1 | 芝10f110Y | 1着 | M.キネーン | (Greek Dance) |
2000年7月2日 | サンクルー | サンクルー大賞 | G1 | 芝2400m | 1着 | C.アスムッセン | (Dancing Miss) |
2000年7月29日 | アスコット | キングジョージ | G1 | 芝12f | 1着 | M.キネーン | (Fantastic Light) |
2000年9月10日 | ロンシャン | フォワ賞 | G3 | 芝2400m | 1着 | M.キネーン | (Crillon) |
2000年10月1日 | ロンシャン | 凱旋門賞 | G1 | 芝2400m | 4着 | M.キネーン | Sinndar |
2000年10月14日 | ニューマーケット | チャンピオンS | G1 | 芝10f | 2着 | M.キネーン | Kalanisi |
2000年11月4日 | チャーチルダウンズ | ブリーダーズCターフ | G1 | 芝12f | 7着 | M.キネーン | Kalanisi |
[編集] 種牡馬実績
サドラーズウェルズの後継種牡馬として期待されていたモンジューは、その期待を上回る結果を見せる。初年度産駒からエプソムダービーを制したモティヴェイター、父と2代続けて凱旋門賞、キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスを制したハリケーンランなどを輩出。初年度産駒がデビューしてわずか2年目にして2005年のフランスリーディングサイアーの座を手中にし、イギリス・アイルランドの種牡馬ランキングでも父を上回る2位につけた。名種牡馬としてこれからの活躍が期待される。
[編集] 代表産駒
- ハリケーンラン(凱旋門賞、キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス、アイリッシュダービー)
- スコーピオン(パリ大賞典、セントレジャーステークス)
- モティヴェイター(エプソムダービー)
[編集] 三すくみ?
前述の通り凱旋門賞でエルコンドルパサーに勝利したが、ジャパンカップでは前年のジャパンカップでエルコンドルパサーに敗れているスペシャルウィークに敗れ4着であった。そのようなこともあり日本の競馬ファンの間では3頭のうちどれが一番強いのかと論議となった。 最も3頭一斉の対決ではなく、また条件(凱旋門賞は史上屈指の不良馬場、ジャパンカップは硬い日本の馬場でかつ良馬場)も全く異なるので明確な答えは出るべくもない。
[編集] 血統表
モンジューの血統 (サドラーズウェルズ系(ノーザンダンサー系)/アウトブリード) | |||
父
Sadler's Wells 1981 鹿毛 |
Northern Dancer 1961 鹿毛 |
Nearctic | Nearco |
Lady Angela | |||
Natalma | Native Dancer | ||
Almahmoud | |||
Fairy Bridge 1975 鹿毛 |
Bold Reason | Hail to Reason | |
Lalun | |||
Special | Forli | ||
Thong | |||
母
Floripedes 1985 鹿毛 |
Top Ville 1976 鹿毛 |
High Top | Derring-Do |
Camanae | |||
Sega Ville | Charlottesville | ||
La Sega | |||
Toute Cy 1979 鹿毛 |
Tennyson | Val de Loir | |
Tidra | |||
Adele Toumignon | *ゼダーン | ||
Alvorada F-No.1-u |
カテゴリ: 1996年生 (競走馬) | サラブレッド | アイルランド生産の競走馬 | フランス調教の競走馬