リンクの冒険
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ジャンル | アクションロールプレイングゲーム |
対応機種 | ディスクシステム、ゲームボーイアドバンス、バーチャルコンソール |
開発元 | 任天堂 |
発売元 | 任天堂 |
人数 | 1人 |
メディア | ディスクシステム、ROMカートリッジ |
発売日 | 1987年1月14日(日本) |
売上本数 | 日本国内合計 約167万本 世界累計 約438万本 |
『リンクの冒険』(リンクのぼうけん、Zelda II: The Adventure of Link)は、任天堂のディスクシステム用ゲームソフト。 ただし表記はパッケージで『The Legend of Zelda 2 リンクの冒険』、テレビCMでは『ゼルダの伝説パート2 リンクの冒険』となっている。 略称は『リン冒』。 日本では1987年1月14日発売。
同じディスクシステム用ゲームの『ゼルダの伝説』の続編として作られたシリーズ作品だが、シリーズ中で唯一、横スクロール式アクションゲームとなっている。 テレビCMは所ジョージと間下このみが出演した。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
主人公リンクによって魔王ガノンは倒された。 しかしトライフォースを奪還しゼルダ姫を救出しても、ハイラルは荒廃の一途を辿った。 ガノンの遺した邪悪な影響力が、神々の地を徐々に蝕んでいた。
そして数年後、16歳になったリンクの左手の甲に、突如トライフォースの紋章が現れる。 ゼルダ姫の乳母であるインパはその紋章を見ると、リンクを初代ゼルダ姫の元へと案内し、古の王家に起きたという悲劇を語り始めた。
その昔、ハイラル王家には「力のトライフォース」「知恵のトライフォース」とは違う、「勇気のトライフォース」が封印されていた。 初代王女ゼルダは、それを狙って兄王子に近づいた魔法使いに最後まで抵抗したために呪いをかけられ、決して覚めぬ眠りに落ちた。 過ちに気付いた兄王子は後世に遺す戒めとして、代々の王女をゼルダと名乗らせるよう定めたのだ。
インパはリンクに対し、「勇気のトライフォース」があれば初代ゼルダを目覚めさせることができ、左手の紋章はトライフォースを継承できる証であると教えた。 魔物たちが魔王ガノンを復活させる儀式に必要である「ガノンを倒した者の血」を手にいれようと躍起になる中、リンクは「勇気のトライフォース」を求め、再び旅に出ることを決意する。
[編集] ゲーム概要
このゲームの目標は大神殿に行き、勇気のトライフォースを開放することである。大神殿には結界が張られており、その結界を解くには、ハイラル各地の6つの神殿にある聖なる石にクリスタルをはめなければならない。結界が解けると、大神殿の内部に入ることができる。
ゲームはハイラル城の北、初代ゼルダ姫が眠る秘密の間から始まる。前作のような見下ろし型ではなく、『スーパーマリオブラザーズ』などと同じ真横視点のスクロールアクションとなっている。敵の攻撃などを受けて体力が無くなるとゲームオーバーとなる。他のゼルダシリーズは穴などに落ちると、一定のダメージを受けた上で復活するが、このゲームでは死亡判定になり残り人数がひとり減ってしまう、シビアなシステムである。
体力(LIFE)とマジックポイント(MAGIC)が4つからのスタートとなる。攻撃力(ATTACK)・魔力(MAGIC)・防御力(LIFE)にはレベルがあり、ゲームを中断して再開した場合、ATTACK、MAGIC、LIFEの各レベルはそれらの一番低いものに統一される。例えばATTACKがレベル6、MAGICがレベル5であっても、LIFEがレベル2なら再プレイしたときのレベルは全てレベル2になる。なお、すべてのレベルが最大値に達した状態で経験値が一杯になると、残り人数が一人増える。体力とマジックポイントはアイテムを入手すると上限が増える。
2周目以降のプレイでは各能力が引き継がれており魔法も覚えているが、体力とマジックポイントは初期値に戻っている。
このゲームはアクション性が強く、他のゼルダシリーズに比べて馴れなければかなり操作しづらい点から、同シリーズ屈指の難度を誇っている。
[編集] キャラクター
[編集] 味方キャラクター
- リンク(Link)
- このゲームの主人公。前作のリンクと同一人物である。
- 初代ゼルダ姫(Princess Zelda I)
- 勇気のトライフォースを狙う魔法使いに呪いをかけられて以来、北の城で眠り続けている。前作に出てきたゼルダ姫は彼女の末裔。
- インパ(Impa)
- ゼルダ姫の乳母。リンクにゼルダ姫に関する伝説を教える。
[編集] 敵キャラクター
- ガノン(Ganon)
- 前作に出てきたラストボス。ガノンを倒したリンクの血を得ると復活することができる。今回はゲームオーバーになったときの雄叫びだけで、実際には登場しない。
[編集] 地上・神殿・洞窟内に出てくるモンスター
- ビト
- 赤いスライム。横にピョコピョコと動く。
- ボト
- 青いスライム。ビトと同じだが、飛びかかってくる。
- モリブリン
- 前作にも登場した悪魔。槍を武器とし、青いモリブリンは槍を投げてくる。
- ディーラー
- クモのような敵。糸をつるしてリンクに目掛けて攻撃する。青いディーラーは糸を切ってリンクに目掛けてはねる。
- エーク
- コウモリのような生物。リンクが近づくと、いきなり襲ってくる。赤は地面に接近するとエークマンに変身する。
- オクタロック
- 前作にも登場したタコ。岩をはいて攻撃する。
- ゴーリア
- 同じく前作に登場している。ブーメランで攻撃する。
- ゲルドアーム
- 砂漠に生息する昆虫系モンスター。頭部が弱点。
- エークマン
- 赤エークが人型に変身したモンスター。普通の盾では跳ね返せない炎を吐く。
- ローダー
- 洞窟などに生息する甲虫生物。リンクが近づくと急接近する。
- ゴビー
- 空から垂直に降り、リンクの高さまで来ると突進する昆虫系モンスター。
- メグマット
- リンクを目掛けてピョンピョンと跳ねてくる。。
- バゴバゴ
- 川や溶岩のある洞窟でハイスピードで岩をはく魚の骸骨。
- ミュー
- 動きはビト、ボトに似ているが非常に小さく下段攻撃もあたらない。
- ダイラ
- 直立歩行ができるワニ人間。通常の盾では防御できない斧を振り回してくる。赤いダイラは斧を投げてくる。
- ギルボック
- 一つ目の浮遊物体モンスター。目を開けていないとダメージを与えない。
- リーパー
- 前作にも登場した。動き方は前作と一緒。
- ゾーラ
- 前作にも登場しているが、陸上でも戦えるようになった半魚人。
- テクタイト
- 大きく飛びははねる節足動物系モンスター。前作と違い丸いビームを放つ。
- モア
- 墓場に出てくる幽霊。リンクが動くと一緒に動く不気味なモンスター。青のモアはあるアイテムを持っていないと見えない。
- ゲール
- トカゲの一種。盾で防御して槍で付く敵。青のゲールは棍棒を投げてきて普通の盾では防げない。
[編集] 神殿に出てくるモンスター
- ウォース
- イヌの戦士。一定のステップでまっすぐ進む。倒しても経験値は入らない。一体毎に歩行速度が異なる。
- バブル
- 前作にも登場した敵。触れると体力のみならず魔力も消耗する。巨大なデグバブルも登場し、触れると大幅に魔力を減らされる。耐久性が高く剣で何度も斬りつけないと倒せない。
- スタルフォン
- 人骨モンスター。剣を振りかざす。下突きを使う。
- バルタム
- スタルフォンを強くしたモンスター。兜を被っている
- グーマ
- ハンマーを連続して投げてくる半人半獣の敵。
- ヘルグーマ
- グーマが鎧をまとい、ハンマーをまっすぐに投げてくる。
- アイアンナック
- 騎士のモンスター。盾でこちらの攻撃を防御する。青のアイアンナックは剣から飛ぶビームでも攻撃する。
- ラー
- 石像に魂が入った敵。浮遊し、リンクをめがけて飛んでくる。溶岩のあるところによく出てくる。
- マウ
- ラーと同じような敵だが、ジグザグに動き、ビームを放つ。
- ウィズザール
- マジシャンの一種。足元に魔法を放ち、そのあとワープする。物理的な攻撃を受け付けない。
- マーゴ
- ウィズザールと同じ。こちらは炎を放つ。しかし剣で倒す事も可。
- アーネル
- 蛇のような敵。動かずに岩や炎を吐く。
- フォッケル
- 大神殿に出てくる鳥人。炎を吐いてくる。炎は長時間灯る。
- フォッカー
- 大神殿に出てくる半人半鳥の騎士。アイアンナック以上に強く、大きくジャンプしながら攻撃する。青はビームを放つ。
[編集] ボスモンスター(守護者)
- マズラ
- 第1の神殿の守護者。顔が馬面の半人半獣のモンスター。
- ジャーマフェンサー
- 第2及び国内版第5の神殿の守護者。ダメージを受けると頭が飛び、首だけになっても攻撃を続ける。第5神殿のものは頭が2つ飛ぶ。
- レボナック
- 第3の神殿の守護者。青いアイアンナックが馬に乗って突進する。
- カロック
- 第4の神殿の守護者。魔術師。物理的な攻撃を一切受け付けない。
- ジャイアント
- 海外版の第5の神殿のみ登場。頭部への攻撃を受け付けない。
- バルバジア
- 第6の神殿の守護者。移動しながら炎を吐くドラゴン。弱点以外への攻撃を受け付けない。
- ボルバ
- 大神殿の守護者。巨大な体躯で浮遊し、炎を執拗に放つ。ある魔法を使うことで弱点が露出する。
- ラストボス
- リンクの影。リンクと同様攻撃パターンを持つ。
[編集] 剣術
剣術は、ゲーム開始時から使える基本のものと、街の剣士から習得するものがある。
- 上段攻撃
- 通常の攻撃手段。立った状態で剣を振り攻撃する。背の低い敵や、リンクより低い位置にいる敵には当らない。
- 下段攻撃
- しゃがみ状態で剣を振る。背の低い敵には下段攻撃でなければ当らない。
- ビーム
- 剣から出るビーム。体力が全快状態で剣を振ることによって出る、剣と同じ大きさの攻撃弾。画面の四分の一ほどの距離まで飛ばす事ができる。効かない敵もいる。
- ジャンプ攻撃
- ジャンプしながら剣を振る。上段と下段があり、リンクが同じ高さにいても攻撃する位置が違うため、使い分ける必要がある。
- 下突き
- 剣士から習う剣術。ジャンプ中に下ボタンを押している間、出すことができる。出している間は下方向の広い範囲に攻撃判定があり、また、攻撃後にリンクが弾かれるため反撃を受けにくい。
- 上突き
- 剣士から習う剣術。ジャンプ中に上ボタンを押している間、出すことができる。空中を浮遊している敵などに対して有効な攻撃手段。
- 防御
- 持っている盾で防御する。上段と下段があり、通常の状態では上段を防御している。しゃがみ時には下段を防御しており、上段に対する攻撃には当ってしまうので、敵の攻撃方向に対して使い分けなくてはならない。REFLEXの魔法を使わないと防御できない攻撃がある。剣を振っている間も防御は有効になっている。
[編集] 魔法
魔法はそれぞれの町に行けば覚えることができるが、SHIELD以外は街の魔術師に習ったり、ある条件を達成しておかないと覚えることができない。またMP消費量はLVによって異なる。
- SHIELD
- リンクの着ている服が緑から赤くなり、防御力が高くなる。
- JUMP
- ジャンプ力が二倍になる。
- LIFE
- リンクの体力を回復することができる。消費MPは大きい。
- FAIRY
- リンクが妖精に変身し、JUMPでは越えられない高さの壁を越えることができる。
- FIRE
- 無限射程のファイアーボールを、二発まで放てるようになる。効かない敵もいる。
- REFLEX
- 通常の盾では跳ね返せない飛び道具(オノ、ファイアーボールなど)を跳ね返すことができる。
- SPELL
- 画面内の弱い敵がスライム化する。また、ほかの使い方もある。
- THUNDER
- 画面内の敵に大ダメージを与える。ほかの使い方もある。
[編集] その他
- とある街に「勇者ロトの墓」がある。ロトは『ドラゴンクエスト』に登場する伝説の勇者の名。本作がドラゴンクエストより後に発売されていることなども合わせて考えると興味深い。
- 2004年8月10日にゲームボーイアドバンス用ソフト「ファミコンミニ ディスクシステムセレクション」の一本として発売された。
- レトロゲーム紹介サイトでは、他のサイトへのリンクページのタイトルに「リンクの冒険」と書かれる事が多いが、それはつまらない行為とされている。
- リンクがミスをした時、画面が激しく点滅するが、一連のポケモンショックの影響により、後に出たゼルダコレクション版とファミコンミニ版のリンクの冒険では、画面が赤く染まるだけになった。
- 後年の作品である大乱闘スマッシュブラザーズDXの神殿のステージのBGMには、本作の神殿のBGMが流用されている。
[編集] 漫画版
- 『リンクの冒険』乱丸 1987年 月刊わんぱっくコミック (徳間書店)
- 前作『ゼルダの伝説』の続編。前作に登場したワット以下オリジナルキャラクターも引き続き登場している。基本的な流れやイベントはゲームに批准しているが、途中でゼルダ姫(当然前作の)が合流し、さらにある悲劇によりガノンが不完全ながらも復活を果たすなど独自の展開を見せる。さらにガノンの意外すぎる正体は後に公式化されたガノンドロフに先んじており、ゼルダシリーズの歴史を語る上で興味深い。しかしそれ以上に登場キャラクターの心理描写が秀逸で、旅の途中で戦う意味を見失いかけたリンクが葛藤するシーンでは、そこにいたる経緯から立ち直るまでの描写や演出は特に秀逸である。その他にも名シーンが多く、リアルタイムで読んでいた読者からはゲームコミカライズ作品の最高傑作との呼び声が高い。単行本は全2巻(いずれも絶版)発売され、最終巻である第三巻は発売が告知されたにも拘らず、わんぱっくコミックの休刊により発売されなかった。そのため前作『ゼルダの伝説』と共に単行本未収録分を収録した完全版の復刻が求める声が多いが、前作同様復刊ドットコムによるとこう着状態のままである。
- 必勝テクニック完ペキ版『リンクの冒険』1(23巻)しごと大介、2(27巻)3(28巻)みなづき由宇1987年(徳間商店)
- わんぱっくコミックの単行本「必勝テクニック完ペキ版」に書き下ろされたゲーム攻略漫画。全三巻(括弧内は必勝テクニック完ペキ版での巻数)。1がスタートから第一神殿まで、2がミドロ沼から第四神殿、3がエンディングまでの攻略。特に3は大神殿攻略を行っている唯一の攻略本である。ただしネタバレを防止の為マップなどは掲載されていない。執筆者が交代したのは1の執筆者が急病で降板したためである。しかし、初代ゼルダ姫がリンクの守護霊として攻略のアドバイスを行うというのは三冊とも共通。
- 宝島コミックス『リンクの冒険』未将崎雄、1991年(JICC出版局(現: 宝島社))
- 前作『ゼルダの伝説』の続編。カナンやジェナードなど前作に登場したオリジナルキャラクターも引き続き登場し、かつてリンクが倒したのはガノンの一部に過ぎない、冒頭からガノンが行動を起こしている、ハイラルが騎士団の他に忍者部隊を所有しているなど、前作同様ストーリーが原作から大幅に脚色されている。―――リンクがガノンを倒してから3年後、彼の右手にトライフォースの紋章が現れた。インパから伝説を聞かされたリンクとゼルダ姫は北の城へと向かい、そこで一匹の犬と17代前の初代ゼルダ姫の魂と出会い、ガノンが復活しようとしていることを聞かされた。かつて初代ゼルダ姫はガノンと戦い、自身の肉体を残すことで魔界の大神殿に封じ込めた。しかしその封印は破れてしまった。再度魔界の扉を封印するには、魔界の大神殿へ渡って初代ゼルダ姫の体と魂を一つにするしかなく、それが出来るのはガノンを倒したリンクしかいない。犬に憑依した初代ゼルダ姫と共に、二人はガノンの復活を阻止すべく旅に出た。その頃、すでに辺境に生き残っていた魔族の残党が動き始めていた。魔界の扉が開きかけ、魔界そのものがハイラルに堕ちようとしていたのだった。
[編集] 外部リンク
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シリーズ作品 | ゼルダの伝説 - リンクの冒険 - 神々のトライフォース - 夢をみる島 - 時のオカリナ - ムジュラの仮面 - ふしぎの木の実 - 風のタクト - ゼルダコレクション - 神々&4つの剣 - 4つの剣+ - ふしぎのぼうし - トワイライトプリンセス - 夢幻の砂時計 |
派生作品 | チンクルのルッピーランド - チンクルのバルーンファイト |
キャラクター | リンク ‐ ゼルダ ‐ ガノンドロフ |