ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎
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『ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎』は、漫画家モンキー・パンチ原作の人気アニメ『ルパン三世』の毎年恒例となっているTVスペシャルのシリーズ第二弾である。1990年7月20日に日本テレビ系の金曜ロードショーで放送された。また、1996年3月にその年のGWに公開された劇場映画第六作『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』の宣伝として再放送された(この際はモンキー・パンチのインタビューも最後に放送された)。
泥棒業界の謎とされてきたアーネスト・ミラー・ヘミングウェイのヘミングウェイ・ペーパーを巡る、ルパン・コンサノ・カルロスの三つ巴の争奪戦を描く。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
地中海のコルカカ島には、パリの大文豪ヘミングウェイが発見しながら、そのまま残された莫大な財宝があるという。彼が絶筆した原稿に、その場所が記されていた。これに必要な黄金の鍵を追ってドイツへ向かうルパンだが、同じ目的で暗躍する武器商人のマルセスが放った雇兵たちに先を越されてしまう。ひとまずコルカカ島へ赴く。この島は二つの勢力がいがみあっており、その地でルパンが見たのは現地の大統領カルロスを倒そうとする反乱勢力コンサノの軍勢にいる、次元の姿だった。一方、五ェ門もまたカルロス側に雇われていた。コンサノとカルロス、それぞれの代理人として勝負を強いられる次元と五ェ門だが、二人の対決は引き分けに終わる。時を経てコルカカ島に到着したマルセスはコンサノと提携。やがてルパンは島で酒場を開く女マリアから、コンサノとカルロスは十年前に財宝を狙って来訪した同胞だったと知る・・・
[編集] スタッフ
- 監督:出崎統
- 企画:高橋靖二 武井英彦
- 脚本:柏原寛司
- 音楽:大野雄二
- 作画監督:古瀬登 平山智 長岡康史
- 撮影監督:長谷川肇
- 録音監督:加藤敏
- 音楽監督:鈴木清司
- 美術:平田秀一
- 編集:鶴渕允寿
- プロデューサー:武井英彦 伊藤響 松元理人
- 主題歌「HE's GONE」
- 作詞:三浦徳子 リンダ・ヘンリック
- 作曲/編曲:大野雄二
- 唄:木原美智子
- オリジナルサウンドトラック:「ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎」
- 製作:東京ムービー新社・日本テレビ放送網
[編集] 声の出演
- ルパン三世:山田康雄
- 次元大介:小林清志
- 峰不二子:増山江威子
- 石川五ェ門:井上真樹夫
- 銭形警部:納谷悟朗
- マリア:佐々木優子
- コンサノ:富田耕生
- カルロス大統領:小林修
- マルセス:筈見純
- クレイジー・マッシュ:立木文彦
- ロペス:島香裕
- リベラ:谷口節
- 高僧:峰恵研
- アントニオ:塚田正昭
- メンゲル:村松康雄
- ヘリコプター運転手:星野充昭
- カルロス大統領軍兵士:秋元羊介
[編集] 用語解説
- ヘミングウェイ・ペーパー
ヘミングウェイがパリにいたときに書いたもので、何者かに奪われその後自殺に見せかけて殺されたといういわく付きの文書で、ヘミングウェイが発見した莫大な財宝の在処が記されているという。
- パンドラの箱
斬鉄剣でも斬れぬという派手な装飾が施された箱で、この中には莫大な財宝の在処が記されたヘミングウェイ・ペーパーが入れられている。五右衛門が何度も斬鉄剣で打ちかかっても切れなかったが、最後に斬鉄剣の柄で小突いたら簡単に割れた。
- コルカカ島
地中海の真珠と呼ばれている島で、総面積は40000平方キロメートル。平和な島だったが、ヘミングウェイ・ペーパーの噂が広がってから各地から宝探しの連中が集まり、後にそれらの勢力を結集したカルロスとコンサノが争い島は内戦状態になっている。
- サソリ
コルカカ島へ宝探しにやってきた山師たちが、島の実権を握ったことに抵抗して、先住民が作った組織。マリアの兄がリーダーだったが、カルロスとコンサノの手によってサソリの一員はマリア以外全員殺されてしまう。
コルカカ島の死の谷に眠っていた財宝の正体。作品中で核兵器が作れるといっているが、ウラン238は核分裂を起こすことはないので、ウラン235の間違いだと思われる。
[編集] 備考
なお、オークションに出品すれば途方もない値がつくことの確実な「ヘミングウェイの未発表原稿」それ自体がお宝であるという事実は作中において一顧だにされていない。
[編集] 参考資料
- DVD「ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎」の冊子