レジェンズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
レジェンズ (Legendz) とは、WiZ原案による、アニメ、漫画、小説、ゲームなど様々な分野にメディアミックス展開されている作品。また、各作品に登場する伝説のモンスターの総称。
各作品は、基本設定だけは同じだが、舞台や登場人物などは異なっている。ただしウインドラゴン(風属性のドラゴン)であるシロンは、設定などは異なるもののほぼ全作品に登場する。
目次 |
[編集] 基本設定
かつて地球上には「レジェンズ」と呼ばれる伝説のモンスターが存在した。しかし、レジェンズたちは「レジェンズウォー」という戦争の末、「ソウルドール」という結晶体に姿を変え長い眠りについていた。そして現代、レジェンズは伝説の魔道具「タリスポッド」を使って復活(リボーン)させることが出来ることが分かった。各レジェンズはトルネード(風)、ヴォルケーノ(火)、ストーム(水)、アースクエイク(土)、スピリチャル(光)、ネクロム(闇)の六つの属性を持っており、各属性のタリスポッドを扱うことが出来る人間は「サーガ」と呼ばれる。
[編集] アニメ版
『レジェンズ 甦る竜王伝説』(-よみがえるりゅうおうでんせつ)というタイトルで、2004年4月4日から2005年3月27日までフジテレビ系で毎週日曜日の09:30 - 10:00(JST)に放送された。但し、関西テレビを中心とした西日本地域はJR西日本の一社提供・ブロックネット番組『走れ!ガリバーくん』を放送していたため異時ネット(関西テレビでは2004年9月までは日曜日の9:00 - 9:30に先行放送、同年10月からは『おじょママ!P』の放送開始に伴い金曜日の16:58 - 17:26に枠移動し遅れネットとなる。それ以外の局=岡山放送・テレビ新広島等=は各局ごとに異なる)だった。大地丙太郎監督作品。ぎゃろっぷ制作。
[編集] 設定
舞台はニューヨーク。主人公シュウが、父から貰ったおもちゃの「タリスポッド」で、本物のレジェンズ「ウインドラゴン」のシロンを甦らせてしまう。
[編集] 概要
基本は米国のカートゥーンを思わせるドタバタ劇で、大地丙太郎のスピード感に飛んだギャグセンスが遺憾なく発揮されている。が、次第にレジェンズたちの戦いに巻き込まれる子供たちを中心として、その親や友人、そしてレジェンズの心理描写は極めてリアルに描かれており、キャラクターデザインとのギャップが激しい。序盤のギャグテイストをランシーンの登場と共にぶった切る中盤、そして次々と謎が明かされ、衝撃的な場面が幾重にも重なり、見るものの不安をあおりまくる終盤。だが、要所要所、物語がシリアスで暗い方向に傾きかける度、主人公であるシュウがその強烈に馬鹿馬鹿しくかつあっけらかんとしたキャラクターでどんでん返しを起こし、また『いつもの調子』へと引き戻していく。それはまるで一陣の風を吹きぬけるような爽快感があり、これが本作品の最大の見所でもある。人気、知名度としては社会現象を引き起こしたTBS系アニメ『鋼の錬金術師』ブームの陰に隠れた感じがあるが、ファンが離れない作品であり、放映終了を経た今も続編の声が多い。
最高視聴率は12月5日放送の8.3%。平均視聴率は6.2%(いずれも関東分)。
[編集] 他の大地丙太郎監督作品との繋がり
主人公の名前がシュウゾウ・マツタニ(通称シュウ)というのは、本作の監督である大地丙太郎の作品『今、そこにいる僕』の主人公・松谷修造と同じ読み方である(演じる声優も同じく岡村明美)。ただし、両作品にストーリー上の繋がりはない。
また『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』のパロディはより明確である。劇中登場する『レジェンズクラブの歌』の曲調は、詩・曲とも『マサルさん』に登場する劇中歌『セクシーコマンドー部のテーマ』に非常に酷似している(しかもこの『レジェンズクラブの歌』は劇中でかなり重要な役割を果たす)。また劇中、キャラクターの様々な台詞を特に意味も無く英訳する英語A太であるが、彼は第22話においてカツラと着け鼻をとり、団子を食べている所をあわてて取り繕う場面が登場する。このほんの数秒確認できるカツラと着け鼻をとった「英語A太」は、『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』最終話で、偽新番組スポットに登場した「だんごゴン太」に酷似、というか正にそれ本人である。
このあまりに踏み込んだパロディは、両作品の監督が自分であること、そして『レジェンズ』の漫画版が集英社の月刊少年ジャンプに、『マサルさん』の原作が同じく集英社の週刊少年ジャンプにそれぞれ連載していたという繋がりからくるものかと思われる。また、井上和彦、南央美、内藤玲らは『マサルさん』にも出演していた。
さらに、監督が同じだからなのか、声優は『おじゃる丸』にも出演していることが多い。(ex.渕崎ゆり子(カズマ役)、齋藤彩夏(貧ちゃん役)、竹本英史(カンブツさん)他)
[編集] 登場人物
- シュウゾウ・マツタニ(シュウ):岡村明美
- メグ・スプリンクル:那須めぐみ
- マイク・マクフィールド(マック):鈴木真仁
- ディーノ・スパークス:南央美
- ウインドラゴン シロン ランシーン:井上和彦
- ブレイズドラゴン グリードー:山口祥行
- グリフィン ガリオン:土井美加
- ブルーノ・スパークス/デヴォアクロコダイル ダンディ:石井康嗣
- メリッサ・スパークス:安原麗子
- ビッグフット ズオウ:齋藤彩夏
- サスケ・マツタニ:澤田博幸
- BB/ヨウコ・マツタニ:天野由梨
- J1/サラマンダー:竹本英史
- J2/マンティコア リーオン:前田剛
- ウェアウルフ ウォルフィ:中野裕斗
- ハルカ・ヘップバーン:渕崎ゆり子
- ユル・ヘップバーン:江原正士
- ラド・ヘップバーン:岩男潤子
- ウインドラゴン ランシーン:井上和彦(途中まで「?」表記)
- 社長/メイズオクトパス ラッパーキング/ジャバウォック:松山鷹志
- 総務/英語A太:沢城みゆき
- エド:内藤玲
- ファイアージャイアント ファイアード:松本吉朗
- ハーピィ アンナ:千葉千恵巳
- ケットシー コンラッド博士:小林晃子
- スケルトン:三ツ矢雄二
- ジン マミューム:大津尋葵
- ヴァンパイア エクトール・フォン・ギュンター:佐々木望
- バイコーン キルビート:三石琴乃
- 特別出演-ビッグフット リンダ:山本リンダ
[編集] スタッフ
- 監督:大地丙太郎
- 原作:渡辺けんじ
- キャラ原案:宮崎なぎさ
- キャラデザイン:小林一幸
- 脚本:伊丹あき・江夏由結・桑畑絹子・山田由香・池田眞美子
- 絵コンテ:大地丙太郎・渡辺けんじ・高林久弥・桜井弘明
- 演出:小野勝巳
- シリーズコンセプト:長濱博史
- 美術監督:小林七郎・河野次郎
- 音響監督:たなかかずや
- 音響制作:神南スタジオ
- 制作:フジテレビ、ウィズ
- アニメーション制作:ぎゃろっぷ
[編集] 主題歌
オープニングテーマ
- 「風のレジェンズ」
- 作詞:大地丙太郎、作曲:太田美知彦、編曲:太田美知彦、歌:KYOKO
エンディングテーマ
- 「どうにもとまらない~ノンストップ~」
- 「どうにもとまらない~ノンストップ~」
- 作詞:阿久悠、作曲:都倉俊一、編曲:武藤星児、歌:山本リンダ
- 「空色の指先」(最終回のみ)
- 作詞:国分友里恵、作・編曲:岩本正樹、歌:国分友里恵
[編集] 漫画版
ウィキポータル |
日本の漫画作品 |
日本の漫画家 |
漫画原作者 |
漫画雑誌 |
カテゴリ |
漫画作品 |
漫画 - 漫画家 |
プロジェクト |
漫画作品 - 漫画家 |
『レジェンズ』というタイトルで、月刊少年ジャンプにて2003年11月号から2005年4月号まで連載されていた。平井隣原作、春野まこと作画。
[編集] 漫画版の設定
竜童学園に転校してきた風来ケンが、ウインドラゴンのシロンと共にバトルを繰り広げる。
なお漫画版は、同誌で同時期に連載されていた『ドラゴンドライブ』と設定や雰囲気が類似していた(主人公がモンスターを操るバーチャルゲームをプレイするうち、事件に巻き込まれていく)ため、両者が比較される事も多い。
[編集] コミックス
- 第1巻 風 来たる(トルネード カム)! ISBN 4-08-873583-8 2004年3月4日
- 第2巻 炎立つ(バーンナウト)!! ISBN 4-08-873615-X 2004年6月4日
- 第3巻 闇の胎動(ネクロムメナス) ISBN 4-08-873687-7 2004年11月4日
- 第4巻 そして伝説へ(レジェンズ カム トゥルー) ISBN 4-08-873799-7 2005年4月4日
また上記とは別に、『リボーンだよ! シロンくん』というタイトルで、アニメ版の設定を元にした4コマ漫画が同じく月刊少年ジャンプにて2004年6月号から2005年7月号まで連載されていた。漫画は中山敦支。
[編集] 小説版
文学 |
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
『レジェンズ 甦る竜王伝説』というタイトルで、2003年10月27日に小説が刊行された。園田英樹著、渡辺けんじ原作・作画。
目立たないが、これが一連のレジェンズシリーズの皮切りとなっており、この作品での設定がTVアニメシリーズの初期設定の元となっている。
- 『レジェンズ 甦る竜王伝説』 ISBN 4-08-703132-2 集英社<JUMP j-BOOKS>、2003年10月
[編集] 小説版の設定
主人公はニューヨークに住む10歳の少年、ケン・キッドマン。ある日突然、町が一夜にして森と化してしまい、レジェンズと呼ばれる怪物が出現する。母親がさらわれてしまったケンは、ウインドラゴンのシロンと共に立ち向かう。
[編集] 専用ゲーム機版
2004年にバンダイから、ソウルドールやタリスポッドが発売された。タリスポッドは液晶画面が付いた専用のゲームハードになっている。これにソウルドールを差し込みプレイする。レジェンズを育成し、バトルを行うことが出来る。2つのタリスポッドをつないで通信対戦も行える。各レジェンズの育成データはそれぞれのソウルドールに保存される。
ソウルドールは様々なレジェンズのキャラクターに合わせて百数種類が発売されている。中にはアニメ版のキャラクターや漫画版のキャラクターのソウルドールもある。
[編集] 一般ゲーム機版
以下のような家庭用ゲーム機用ソフトがバンダイ(現・バンダイナムコゲームス)から発売されている。これらのゲームの設定はアニメ版が下敷きになっている。
上記専用ゲーム機版のソウルドールやタリスポッドと連動しており、ゲームボーイアドバンス版では実際にソウルドールを接続してプレイする。
- 『レジェンズ 甦る試練の島』(ゲームボーイアドバンス、2004年7月29日発売)
- 『レジェンズ 激闘!サーガバトル』(プレイステーション2、2004年12月16日発売)
- 『レジェンズ サインオブネクロム』(ゲームボーイアドバンス、2005年2月17日発売)
[編集] カードゲーム版
『レジェンズ・ザ・カードゲーム』 (LEGENDZ THE CARD GAME) というシリーズ名で、バンダイから発売されたトレーディングカードゲーム。
カードゲーム版の公式サイトは2006年9月に閉鎖となった。
[編集] 外部リンク
- Legendz Web Site
- レジェンズ 甦る竜王伝説 - フジテレビ (アニメ版)
- レジェンズ 甦る竜王伝説 - バンダイビジュアル (アニメ版DVD)
- レジェンズ - 月ジャンネット (漫画版)
- レジェンズ 甦る竜王伝説 - ジャンプ ジェイブックス (小説版)
- レジェンズ 甦る竜王伝説 - 最強小学生 (専用ゲーム機版)
- レジェンゲームズ - バンダイレーベル (一般ゲーム機版)
[編集] 前後番組の変遷
フジテレビ 日曜09:30枠 | ||
---|---|---|
前番組 | レジェンズ 甦る竜王伝説 | 次番組 |
ASTRO BOY 鉄腕アトム | おすピー&ロンブーの起きなさいよッ!! |
カテゴリ: アニメ作品 れ | フジテレビ系アニメ | 2004年のテレビアニメ | ぎゃろっぷ | 漫画作品 れ | 月刊少年ジャンプ | 日本の小説 | ライトノベル | ゲームボーイアドバンス用ソフト | プレイステーション2用ソフト | トレーディングカードゲーム | バンダイ | メディアミックス作品