ロイ・フォッカー
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ロイ・フォッカー(Roy Focker)は、SFアニメ作品『超時空要塞マクロス』および関連作品(マクロスシリーズ)に登場する架空の人物。男性。統合軍のエースパイロット。(声:神谷明)
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[編集] 経歴
[編集] 『マクロス ゼロ』まで
アメリカ出身。大学時代は真面目で大人しい学生で、先史文明や考古学を専攻。大空を愛していたが、争いを好まぬ非戦派であった。互いに好意を持っていたゼミの1年先輩アリエス・ターナーがイギリスに留学する際、想いを告げられず辛い別れを味わう。その痛手から逆に吹っ切れ、酒と女を愛する豪快な性格に変貌した。その後、一条輝の父親が率いるアクロバット飛行チームに参加し、花形パイロットとして活躍。一条輝を実の弟のように可愛がり、操縦法や恋のイロハを伝授する。当時の特技はスタント機の後席に女性を乗せ、急降下中に強引に口説くことであったという。
統合戦争中、爆撃で旧友が亡くなったことから弔いの意味もこめ統合軍に入隊。戦闘機F-203ドラゴンIIを駆り180機を撃墜し、トップエースに君臨する(この内には、二日酔いのまま撃墜した機体も含まれる)。配属先の地方基地で新兵のクローディア・ラサールと知り合うが、当時はまだ数多いガールフレンドのひとりという関係であった。階級は中尉。
統合戦争終結後、腕を見込まれ開発中の試作機VF-X1のテストパイロットとなり、南アタリア島へ赴任。そこでクローディアと再会し、やがて深く理解しあうパートナーとなる。階級は大尉。
2008年、依然反統合同盟との局地戦が続く中、スカル小隊長(少佐)として試作可変戦闘機VF-0フェニックスの実用試験部隊に参加。空母アスカに乗艦し、マヤン島沖のプロトカルチャー遺跡(AFOS)争奪戦へ派遣される。工藤シンら年若い部下を率い、反統合同盟軍のSV-51と交戦。かつての教官D.D.イワノフとの師弟対決を行う(傭兵イワノフは以前統合軍にも所属していた)。プロトカルチャー研究者となったアリエスと再会。束の間心を通わせるが、戦闘で負傷した彼女の最後を看取ることになる。
[編集] 『超時空要塞マクロス』
南アタリア島に戻り、空母プロメテウス所属のスカル大隊長に就任。最新鋭の量産型可変戦闘機VF-1バルキリーで編成されるSDF-1マクロス護衛航空部隊の中心的存在となる。2009年2月のマクロス新宙式典に一条輝を招待し、ゼントラーディ軍との第一次星間大戦開戦後は入隊を勧めることになる。フォールド事故後冥王星付近から地球への帰還を目指すマクロスを守るべく奮戦。しかし、地球帰還後の2009年11月、太平洋上でのゼントラーディ軍女性空挺部隊との交戦中、部下のマクシミリアン・ジーナスの援護に向かう際、不意の攻撃を受け致命傷を負う。マクロスに自力帰投したが、恋人クローディアの部屋で彼女の手料理パインサラダを待ちながら息絶えた。死後、愛機VF-1S(通称ロイ・フォッカー・スペシャル)と「スカルリーダー」の名は一条輝に受け継がれた。
後年、その功績を讃え「ロイ・フォッカー勲章」が制定され、統合軍の優秀なパイロットに授与されることになった。『マクロスプラス』の主人公イサム・ダイソンは3度の受賞歴を持つ(ただし軍規違反で全て剥奪)。
[編集] 『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』版
マクロス航空部隊のスカル小隊長(少佐)。部下として一条輝、マクシミリアン・ジーナス、柿崎速雄を率いる。訓練機を無断使用した一条輝を救うべく出撃するが、共にゼントラーディ軍の捕虜となる。ブリタイ艦内からの脱出時カムジン03350の急襲を受け、コックピットを押しつぶされ、重傷を負いながらも相打ちとなって戦死する。
[編集] 人物像
アメリカの戦闘機乗りらしい豪放磊落な性格。操縦も機体を激しく振り回し、攻撃を紙一重でかわす野性的なスタイルが魅力であった。リーダーとしての統率力に優れ、プライベートでも面倒見のいい兄貴分として部下に慕われていた。酒豪として知られるが、しらふでも酔っていても男女論になぞらえて説教するのが癖である。
ただし、陽気なイメージに隠れた人間性を知る者は少ない。彼はスタント時代まで大空を愛するが故に戦闘機での殺し合いには否定的であったが、いざ入隊し戦場で命のやり取りを潜り抜けると、その緊張感に魅了されてしまい、終戦後も軍を離れられなくなってしまった。前々からフォッカーの綱渡り的なテクニックにある種の「殺気」を感じていた一条輝の父親は、軍隊という場があまりにもフォッカーに合いすぎていると察し入隊に反対したが、終戦後スタントチームに復帰するという条件付きで送り出していた。その件については、TV1話のフォッカーと輝の会話でほのめかされているが、先輩の変心を責めた輝もまた、のちに戦い続ける意味をリン・ミンメイに問われ、同じジレンマに直面することになる。
また、冷静かつ大胆な腕前で知られるが、心根には不安に苛まれる繊細さを秘めており、その孤独を見せぬよう虚勢を張っていた面もある。その弱さを素直に打ち明けられる人物はクローディア・ラサール以外におらず、数多くの浮名を流したが、生涯を通して本当の意味で心を許せる恋人は彼女だけであった。また、一条輝の恋心を取り持とうとリン・ミンメイの元へ足繁く通うなど、後輩想いでマメな一面もある。ごく親しい者にしか見せないこれらの一面は、フォッカーという人物の別の魅力ともいえる。
[編集] データ
- 北米地区(アメリカ)出身。身長2m16cm、体重118kg。
- 年齢については、資料等に書かれた29歳が通説であったが、最新の映像作品『マクロス ゼロ』では2008年時点で「26歳」と設定されており、1年後(2009年)の『超時空要塞マクロス』では27歳か28歳ということになる。
- TV放送当時、あまりにもあっけない死に様に驚き、制作者に抗議したファンもいた。地球帰還後に戦死するという設定は当初から決まっていたが、「カムジンと相打ちになる」予定がシナリオ変更などの影響でこのような唐突な形となった。劇場版では本来の形に戻され、後輩を救いカムジンと刺し違える名場面が演出された。
- アメリカ海軍の戦闘機乗りをイメージしたキャラクターだけに、ロボテックを通して海外(とくに北米)のアニメファンにも人気が高い。ロボテックのサイドストーリー的なコミックでは、フォッカーを主人公にした作品もある。
- 英語吹替え版の『マクロス ゼロ』や『超時空要塞マクロス』では、一条輝が呼ぶ「先輩」という台詞はそのまま'senpai'と訳されていた。
[編集] 搭乗機
- フォッカー D.VII (スタントパイロット時代のレプリカ機)
- F-203ドラゴンII (統合戦争中)
- VF-0Sフェニックス (2機使用、うち1機撃墜 識別番号301)
- VF-X1 (テストパイロットを務める)
- VF-1Sバルキリー (ロイ・フォッカー・スペシャル 識別番号001)
- VF-1Sストライクバルキリー (劇場版 識別番号001)