上田交通デハ5000系電車
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上田交通デハ5000系電車 (うえだこうつうでは5000けいでんしゃ)は上田交通(現・上田電鉄)別所線で使用されていた電車で、『デハ5001~04・クハ5051~54』の4編成8両が在籍していた。
[編集] 概要
1986年10月1日の1500V昇圧のために、東急電鉄で余剰となっていた5000系を譲り受けた車両で、同線の近代化・車種統一に貢献した。東急からの入線に際しては鎌倉武士をイメージした塗装に変更の他に全ての車両が制御電動車だったので4両を電装解除して制御車化した事と、車掌スイッチの増設・寒地対策のため暖房の強化を行った。因みに、この5000系導入の際、夜間に電圧を一時的に1500V昇圧して運転士の訓練が行われた。
登場後は塗装変更(白地に黄色と緑→緑地に黄色と緑)が行われ暫く活躍すると思われたが、腐食化や冷房ニーズが高まると再び全車両の一斉置き換えが行われ、1993年5月28日の7200系運用開始と同時に廃車され形式消滅した。
その後デハ5001は東急電鉄に里帰りを果たし、前面の行先表示機を撤去し、東急グリーンに塗り直されるなど登場時に近い姿に復元の上、長津田検車区で、のちに東急車輛に移され保存されていた。実はこの車両、東急電鉄5000系の第一編成として登場した車両で、東急電鉄の歴史に重要な存在だった事から保存される事になったと言われていた。しかし、2006年(平成18年)にカットボディとなり、渋谷駅ハチ公口にカットされた車体のみが同年10月26日から展示されている。2007年現在でも熊本電気鉄道に現役車が両運転台化されてはいるものの現存しており、また岳南鉄道と松本電気鉄道に譲渡された車両もすでに全車廃車されてはいるものの現在でもその一部が解体されず荒廃が進んでいるものの現存している。保存のため里帰りしたこのデハ5001よりもそちらのほうが完全に近い形で残る皮肉な結果となっている。
[編集] トラブル
廃車直前に1編成がダンプカーと衝突して運用離脱していたが、既に7200系が入線していた事もあって、運転開始前日の1993年5月27日まで予備車なしで走っていた。
[編集] その他
- 性能等の詳しい解説は東急5000系電車を参照