中塚一碧楼
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中塚 一碧楼（なかつか いっぺきろう、 明治20年（1887年）9月24日-昭和21年（1946年）12月31日）日本の俳人。本名・直三（なおぞう）。俳号は他に一碧（いっぺき）。
目次 |
[編集] 経歴
岡山県浅口郡玉島町（現・岡山県倉敷市玉島勇崎）の旧家で製塩業等を営む実業家・中塚銀太の4男に生れる。
明治33年（1900年）岡山中学（現・岡山県立岡山朝日高校）入学。明治39年（1906年）中学卒業の年に洗礼を受けクリスチャンとなる。翌、明治40年（1907年）早稲田大学商科に入学する。大学時代は飯田蛇笏に兄事し俳句を学ぶ。早稲田吟社にも一時参加。後に早大を中退し帰郷。
帰郷後の一碧楼は守旧的な『国民俳壇』の句風よりも、新傾向俳句運動を展開する河東碧梧桐の『日本俳句』に傾倒。明治41年（1908年）から日本俳句に投句を始める。明治42年（1909年）城崎温泉に碧梧桐を尋ね15日間にわたり師弟は俳句を作り続ける。この際、碧梧桐より「半ば自覚せぬ天才の煥発である」と評される。
明治43年（1910年）兵庫県飾磨郡（現・兵庫県姫路市）で素麺問屋を営む濱田家の婿養子となる。碧梧桐の弟子ではあったが碧梧桐が荻原井泉水らと出版する俳誌『層雲』には参加せず、『自選俳句』を郷里にて出版。翌明治44年（1911年）には再び早稲田大学文科に入学する。この年『試作』を創刊して一時碧梧桐から遠ざかった。のち大正元年（1912年）早大を再び中退し帰郷。新聞『日本』俳句欄に投句。新傾向の作家として頭角を表す。
昭和4年（1915年）碧梧桐を主宰として俳誌『海紅（かいこう）』を創刊。層雲と並び自由律俳句の中心誌となる。のち碧梧桐が海紅を去り一碧楼が主宰者となる。また、『朝日俳壇』選者もつとめた。
第二次大戦の終戦間もない昭和21年の大晦日、59歳でその生涯を閉じた。
[編集] 作家論
異論はあろうが俳句に積極的に口語を採用し、それ故に五七五調に囚われない自由な俳句を作り出した一碧楼を自由律俳句の創始者とする見方もある。その作風は真実と人間味の直接的表現を求め、人間としての自然と融和した句境を目指した。
