井笠鉄道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
種類 | 株式会社 |
本社所在地 | 714-0081 岡山県笠岡市笠岡5595番地1 |
電話番号 | 0865-63-5131 |
設立 | 1911年(明治44年)7月1日 |
業種 | 陸運業 |
事業内容 | 乗合バス事業、貸切バス事業 |
代表者 | 代表取締役社長 関藤篤志 |
資本金 | 1億5,000万円(2006年3月現在) |
従業員数 | 170人(2006年3月現在) |
決算期 | 毎年3月 |
主要株主 | タカヤ繊維 149,249株 |
主要子会社 | 北振バス |
外部リンク | http://www4.ocn.ne.jp/~ikasa/ |
特記事項:設立日時は前身会社の一つ、井原笠岡軽便鉄道の設立日時。 |
井笠鉄道(いかさてつどう、通称井笠バス、英訳名Ikasa Tetsudo)は、岡山県西部と広島県福山市をエリアとするバス会社。かつては鉄道路線を有していたが、1971年に廃止されたため、路線バス・貸切バスのみの営業となった。本社は岡山県笠岡市笠岡5595番地1。
岡山・倉敷ナンバーのバスの大半と福山ナンバーのバスの一部では岡山県共通バスカードが使用できる。
目次 |
[編集] 歴史
- 1911年(明治44年)7月1日 井原笠岡軽便鉄道として設立。
- 1913年(大正2年)11月17日 笠岡~北川~井原間が開業。軌間762mm。
- 1915年(大正4年)11月26日 井笠鉄道に社名変更。
- 1921年(大正10年)10月25日 矢掛線矢掛~北川間が開業。
- 1922年(大正11年)4月9日 両備軽便鉄道高屋線として高屋(現在の子守唄の里高屋付近)~神辺間が開業。軌間762mm。
- 1925年(大正14年)2月7日 高屋線井原~高屋間が開業。
- 1926年(大正15年)6月26日 両備軽便鉄道は両備鉄道に社名変更。
- 1933年(昭和8年)9月1日 両備鉄道の両備福山~府中町国有化に伴い高屋~神辺間を神高鉄道へ譲渡。
- 1940年(昭和15年)1月1日 神高鉄道を合併し、井原~神辺間が神辺線となる。
- 1967年(昭和42年)3月31日 神辺線・矢掛線を廃止。線路用地は鉄道建設公団に買収される。
- 1971年(昭和46年)3月31日 本線を廃止、鉄道から撤退してバス会社となる。北川~井原間の線路用地は神辺・矢掛線同様に鉄道建設公団に買収され、現在の井原鉄道井原線の建設に供される。
- 1994年(平成6年)3月21日 福山~広島間に「ローズライナー」を中国バス・鞆鉄道・広島交通との共同運行で運行開始(後に中国ジェイアールバスが参入)。
- 1995年(平成7年)4月26日 中国バス・広島交通が平成大学・府中~御調~広島間に「リードライナー」を運行開始。
- 1995年(平成7年)12月21日 神辺・平成大学・府中~御調~広島間に「リードライナー」を中国バス・広島交通との共同運行で運行開始(それまで、中国・広交が運行していた路線に参入、延長)。
- 1999年(平成11年)1月12日 井原鉄道井原線開業に伴い、中国ジェイアールバスから並行バス路線(井原バスセンター~井原駅~矢掛~清音駅~倉敷駅北口間)を譲受。
- 2001年(平成13年)9月30日 井原バスセンター~井原駅~矢掛~清音駅~倉敷駅北口~川崎医大前~天満屋バスセンター線のうち、川崎医大前~天満屋バスセンター間を廃止。
- 2002年(平成14年)5月31日 中国バス・広交観光・中国ジェイアールバス・ジェイアール九州バスの4社が福山・広島~福岡(博多)間に「広福ライナー」を運行開始。井笠鉄道は予約・発券業務を担当(後に西条へ停車)。
- 2006年(平成18年)9月28日 福山~岡山空港・岡山間に「ももっちライナー」を中国バス・両備バスとの共同運行で運行開始。
[編集] 各営業所(車庫)の所在地
[編集] 倉敷ナンバー
[編集] 福山ナンバー
[編集] 主なターミナル
[編集] 路線
[編集] 高速バス
詳細な運行案内は#外部リンクの井笠鉄道サイトを参照。
[編集] 予約・発券業務のみの路線
以下の路線は、自社は運行を担当していないが、予約・発券業務を行っている。
- エトワールセト号
- メイプルハーバー
- みやこライナー
- びんごライナー
- 神戸ライナー
- フライングフィッシュ号
- キララエクスプレス
- オーシャンライナー
- 広福ライナー
- 福山駅前・広島バスセンター - 博多駅交通センター
- 運行会社:中国バス・広交観光・中国ジェイアールバス・ジェイアール九州バス
[編集] 発券業務のみの路線
以下の路線は、自社は運行を担当していないが、発券業務を行っている。
[編集] 一般
[編集] 広域
- 大門 - 茂平(もびら)工業団地
- 福山駅 - 千間土手東 - 東福山駅口 - 伊勢丘団地入口 - 大門 - 茂平(もびら)入口 - 茂平(もびら)車庫
- 福山駅 - 千間土手東 - 東福山駅口 - 伊勢丘団地入口 - 大門 - 茂平(もびら)入口 - 生江浜西 - 笠岡市民病院前 - 西の浜 - 笠岡港 - 三番町 - コムプラザ笠岡
- 福山駅 - 奈良津 - 広尾 - 培遠中学校前 - 浦上 - 坪生(つぼう) - 篠坂 - 吉浜 - 笠岡市民病院前 - 笠岡駅
- 福山駅 - 奈良津 - 広尾 - 培遠中学校前 - 春日池ニュータウン - 坪生(つぼう) - 篠坂
- 福山駅 - 奈良津 - 薮路住宅前 - 千田入口 - 横尾駅前 - 神辺駅前 - 御野学校前 - 高屋 - 井原駅 - 井原バスセンター
[編集] 岡山県
- 井原バスセンター - 井原駅 - 七日市 - 青木東 - 小田西 - 小田中 - 矢掛(やかげ) - 矢掛東町 - 呉妹(くれせ) - 備中箭田(びっちゅうやた) - 清音駅 - 古地 - 備中黒田 - 酒津口 - 北浜町 - 倉敷駅北口 - 北浜町 - 浜の茶屋 - 翠松高校前 - 百舌鳥ヶ鼻(もずがはな) - 松島西ノ口 - 川崎医大
- 清音駅 - 上中島 - 柿木 - ひだまりの家前 - きよね夢てらす前 - 天神 - ふるさとふれあい広場前 - 小屋 - 峠 - 清音支所前 - 清音駅 - 古地 - 備中黒田 - イオン倉敷 - 北浜町 - 浜の茶屋 - 翠松高校前 - 大島西 - 倉敷中央病院 - 南幸町しげい病院前
- 新倉敷駅 - 玉島中央町 - 黒崎 - 沙美 - 南浦 - 寄島車庫
- 玉島中央町 - 新倉敷駅 - 道口 - 弥高銅山 - 矢掛東町 - 矢掛(やかげ)
- 鴨方駅 - (天満屋鴨方店) - 鳩ヶ丘団地 - 西六 - 寄島車庫
- 鴨方駅 - 天草 - 鴨方本町 - 長谷上 - (天文台) - 遥照山荘
- 鴨方駅 - 天草 - 鴨方本町 - 長谷上 - 指田 - 仁故 - 緑ヶ丘団地 - 天草 - 鴨方駅
- 寄島車庫 - 西六 - (天満屋鴨方店) - 鴨方駅 - 天草 -(天満屋鴨方店) - 北平 - 四条原 - 寄島車庫
- 里庄駅 - 西六 - 寄島車庫
- 里庄駅 - 分庁舎前
- 笠岡駅 - 西の浜 - 笠岡港 - 三番町 - 大島小学校前 - 竹田 - 乗時(のりとき) - 寄島車庫
- 笠岡駅 - 西の浜 - 笠岡港 - 市民会館 - 大島小学校前 - 竹田 - 乗時(のりとき) - 正頭 - 大島小学校前 - 市民会館 - 笠岡港 - 西の浜 - 笠岡駅
- 笠岡駅 - 追分 - 大井ハイランド
- 笠岡駅 - 追分 - 吉田 - 尾坂上
- 笠岡駅 - 追分 - 大井ハイランド - 吉田 - 尾坂上
- 笠岡駅 - 追分 - 吉田 - 新山(井笠鉄道記念館) - 青木東 - 小田中 - 矢掛(やかげ)
- 笠岡駅 - 追分 - 吉田 - 新山(井笠鉄道記念館) - 青木東 - 小田中 - 小田駅
- 笠岡駅 - 追分 - 山王口 - 井原駅 - 井原バスセンター
- 笠岡駅 - 追分 - 七日市 - 井原駅 - 井原バスセンター
- 笠岡発 - 笠岡市民病院前 - 入田 - 広東
- 笠岡駅 - 笠岡市民病院前 - 生江浜西 - 城見台団地口 - 茂平(もびら)車庫
- 笠岡駅 - 西の浜 - 笠岡港 - 市民会館 - 中村口 - 神島外浦
- 笠岡駅 - 西の浜 - 笠岡港 - 三番町 - 中村口 - 内浦見崎
- 笠岡駅 - 西の浜 - 笠岡港 - 市民会館 - 中村口 - 神島外浦 - 寺間排水機場 - 中村口 - 市民会館 - 笠岡港 - 西の浜 - 笠岡駅
- 笠岡駅 - 西の浜 - 笠岡港 - 市民会館 - 中村口- 寺間排水機場 - 内浦見崎 - 神島変電所前 - 神島外浦 - 中村口 - 市民会館 - 笠岡港 - 西の浜 - 笠岡駅
- 笠岡駅 - 西の浜 - 笠岡港 - 三番町 - 富岡 - 今井入口 - 今井小前 - 田頭 - 笠岡駅
[編集] 広島県
- 福山駅 - 奈良津 - 薮路住宅前 - 千田入口 - 横尾駅前 - 神辺駅前 - 中条 - 三谷
- 福山駅 - 奈良津 - 薮路住宅前 - 千田入口 - 横尾駅前 - 森脇(もりわけ) - 中国中央病院
- 共同運行:中国バス
- 福山駅 - 東深津 - 広尾 - 福山市民病院
- 福山駅 - 奈良津 - 広尾 - 福山市民病院 - 日吉台団地 - 培遠中学校前 - 春日池ニュータウン
- 福山駅 - 東深津 - 東福山駅北口 - 高屋団地 - 坪生(つぼう)
- 福山駅 - 奈良津 - 広尾 - 福山市民病院 - 神辺駅前 - 坪生(つぼう)
- 福山駅 - 東深津 - 広尾 - 福山市民病院 - 道上(みちのうえ) - 東城別 - 加茂支所 - 芦原(あしはら) - 粟根(あわね) - 苅光 - 広瀬
- 福山駅 - 東深津 - 広尾 - 福山市民病院 - 道上(みちのうえ) - 東城別 - 加茂支所 - 芦原(あしはら) - 粟根(あわね) - 苅光 - 山野下市
- 福山駅 - 千間土手東 - 広尾 - 福山市民病院 - 道上(みちのうえ) - 東城別 - 芦原(あしはら)団地
- 福山駅 - 千間土手東 - 広尾 - 福山市民病院 - 平成大学
- 福山駅 - 千間土手東 - 高屋団地 - 幕山団地
- 共同運行:中国バス
- 福山駅 - 千間土手東 - 高屋団地 - 大谷台小学校
- 共同運行:中国バス
- 福山駅 - 千間土手東 - 東福山駅口 - 引野農協 - 旭ヶ丘団地・四十分団地
- 共同運行:中国バス(但し、中国バスは手城経由。)
- 福山駅 - 千間土手東 - 東福山駅口 - 伊勢丘団地入口 - 大門 - 沖下
- 福山駅 - 千間土手東 - 東福山駅
(スタブ)
[編集] 臨時
[編集] 社番について
井笠バス・北振バスの車両には、1台ごとに社番と呼ばれる番号が付与されている。
アルファベット1文字+4桁(北振バスは3桁)の数字で構成される。
[編集] 旧鉄道線
[編集] 路線と駅
1967年(昭和42年)1月現在。
- 本線 笠岡 - 鬮場(くじば) - 大井村 - 小平井 - 吉田村 - 新山 - 北川 - 薬師 - 木之子 - 七日市 - 井原
- 矢掛線 北川- 備中小田 - 毎戸 - 本堀 - 川面 - 矢掛
- 神辺線 井原- 出部(いずえ) - 下出部 - 高屋 - 両備金光 - 御領 - 両備国分寺 - 湯野 - 神辺
[編集] 廃線跡
笠岡から北川にかけては断片的に残っているが、岡山県道48号笠岡美星線の拡幅などでかなりの旧道床が姿を消した。また矢掛線と井原以西の旧道床も、大半が井原鉄道井原線の道床に転用され、遺構はわずかに残るのみである。
旧新山駅は駅舎が現存しており、井笠鉄道記念館として車輌や資料を保存している。
[編集] 保存車両
井笠鉄道はかつての軽便鉄道のなかでも比較的遅くまで存続しており、しかも廃車となった車両の大半を解体せずに自社鬮場(くじば)車庫で保管していたため保存車が多く、2006年現在も下記の通り多数の機関車、気動車、そして客貨車が保存されている。
なお、この他にも全廃時まで残存していた車両の大半が鬮場車庫に保管され、保存車の搬出後もそのまま残されていたが、1980年2月21日深夜、車庫敷地内に侵入した 愛媛県生まれ住所不定無職の男(当時27)の手によって「女友達にあえない焦りと、無一文になった腹いせ」で放火され、その大半(記念館で保存予定だったホハ1も被害を受け、後に修復された)が車庫ごと喪われている。
- 笠岡市交通公園(井笠鉄道本社前)
- ホジ9[2](気動車)
- 井原市 七日市公園
- 9号機関車[3](蒸気機関車)
- 井原市笹賀町 経ヶ丸グリーンパーク(子供の村)
- ホジ101[4](気動車)
- ホハ8(客車)
- 福山市神辺町 太陽保育園
- ホハ11(客車)
※
- 所沢市 西武遊園地
- ホハ2
- ホハ5
- ホハ6
- ホハ10
- 遠軽町丸瀬布 いこいの森
- ホハ13
- ホハ14
- ホハ18
- ホハ19
- ^ コッペル製B型ウェルタンク・サイドタンク式蒸気機関車。西武鉄道山口線でも使用。
- ^ 梅鉢鉄工場製2軸ボギー式ガソリンカーを戦後、宇都宮車両でディーゼルカーへ改造したもの。
- ^ ベルギー・コッケリル社製B型蒸気機関車。元富士製鐵釜石鉱山専用鉄道151。
- ^ 日本車輌製造製2軸ボギー式ディーゼルカー。
- ^ コッペル製B型ウェルタンク・サイドタンク式蒸気機関車。1号機の同型車。ただし、実車は「2」と車番を表記。
- ^ コッペル製B型ウェルタンク・サイドタンク式蒸気機関車。1号機の同型車。ただし、実車は池田動物園側の希望で「3」と車番を表記。
- ^ コッペル製C型ウェルタンク・サイドタンク式蒸気機関車。兵庫県姫路市の解体業者に引き取られたが、長期間放置され、「茄子畑のコッペル」として知られた。その後姫路市内のパチンコ店や、DIY店の駐車場などに展示された後、野辺山SLランドに譲渡された。
- ^ 富士重工製2軸ボギー式ディーゼルカー。1972年3月31日の下津井電鉄線茶屋町~児島間廃止後に運行が計画された、地上設備撤収用貨物列車牽引を目的として下津井電鉄に譲渡された。但し、現役時代同系車中で最も不調であったとされるホジ3だけにエンジンが不調で牽引力が充分でなかったと伝えられており、結局大半はトラックを直接軌道内に乗り入れさせて撤去作業を実施したため、ほとんど役に立たなかったという。
[編集] 鉄道線に関する参考文献
- 『毎日ムック 軽便鉄道 郷愁の軌跡』(毎日新聞社、1978年)
- 『軽便鉄道』(松本典久著、保育社、1982年)
- 『消えた鉄道を歩く』(堀淳一著、講談社、1986年)
- 『鉄道廃線跡を歩くII』(宮脇俊三編著、日本交通公社出版事業局、1996年)
- 『追憶の軽便鉄道 井笠鉄道』(いのうえ・こーいち編著、プレス・アイゼンバーン、1997年)
- 『軽便追想』(高井薫平著、ネコ・パブリッシング、2000年)
[編集] 関連会社
- 北振バス
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 中国地方の乗合バス事業者 | 中国地方の貸切バス事業者 | 廃線 | 軽便鉄道 | 井笠鉄道 | 岡山県の企業 | かつて存在した日本の鉄道事業者