交響曲第8番 (ドヴォルザーク)
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交響曲第8番ト長調作品88は、チェコの作曲家、アントニン・ドヴォルザークが作曲した交響曲である。古くは出版順により第4番とよばれていた。
彼のそれまでの慣例を破ってイギリスの出版社から出版されたため、かつてはイギリスという副題が付されていた（或いは「イギリス交響曲」と呼ばれていた）が、音楽の内容はイギリスというよりもむしろチェコであり、最近では「イギリス」と呼ばれることはほとんど無くなった。
第7番以前の交響曲にはブラームスの影響が強く見られ、また第9番「新世界より」ではアメリカ滞在のあいだに聞いた音楽から大きく影響を受けているため、この交響曲第8番は「チェコの作曲家」ドヴォルザークの最も重要な作品として位置づけることができる。ボヘミア的なのどかで明るい田園的な印象が特徴的で、知名度の点では第9番には及ばないものの、第7番などと同様に人気のある交響曲である。
なお、第1楽章の展開部の入り（提示部が繰り返されるかのように始まりながら、展開されていく）、再現部の入り（提示部とは明らかに違った形で始まる）の処理、第4楽章が変奏曲であること、主調が平行調の関係にあることなど、形式面で、ブラームスの交響曲第4番との共通性が見られるのは興味深い。
目次 |
[編集] 作曲
1889年の8月から11月にかけて、ボヘミアのヴィソカにて作曲された。
[編集] 初演
[編集] 曲の構成
- 第一楽章 Allegro con brio
- 序奏を伴うソナタ形式。ト短調による序奏の後、明るい主題がト長調で現れ、次第に盛り上がってゆく。力強く明るい楽章。
- 第二楽章 Adagio
- アダージョ。ところどころ激しく感情的な部分があるが、最後には静かにおわる。途中にヴァイオリンのソロがある。
- 第三楽章 Allegretto grazioso
- 三拍子の舞曲。終わりの部分では四拍子になって、力強く終わる。
- 第四楽章 Allegro, ma non troppo
- 変奏曲。トランペットによるファンファーレのあと、チェロによって主題が静かにゆっくりと提示される。ゆっくりのままで何度か変奏されたら、次は力強く速く変奏される。ここではホルンのトリルが特徴的である。その後一度沈静し、瞑想的になるが、すぐに静かさを打ち破るように再び力強い変奏があらわれ、そのまま一気におわりまで駆けぬけていく。
第一楽章から第三楽章までは、アレグロ - 緩徐楽章 - 舞曲、という通常の交響曲の構成によるが、フィナーレ（第四楽章）には変奏曲が配置されるという特殊な構成になっている。
[編集] 楽器編成
- フルート 2 （ピッコロ持ち替え1）
- オーボエ 2 （第1楽章の再現部、2小節半のみコーラングレ持ち替え1）
- クラリネット 2
- ファゴット 2
- ホルン 4
- トランペット 2
- トロンボーン 3
- チューバ 1
- ティンパニ
- 弦五部
通常の二管編成である。
[編集] 演奏時間
約35分。ドヴォルザークの交響曲ではやや短めである。
[編集] 外部リンク
- ドヴォルザークの交響曲第8番の総譜 (HTML) - IUDLP: The Indiana University Digital Library Program
- ドヴォルザークの交響曲第8番の演奏 (MP3) - The Columbia University Orchestra (楽章別, bit rate:160Kbps)
カテゴリ: 交響曲 | ドヴォルザークの楽曲
