八大地獄
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基本教義 |
縁起、四諦、八正道 |
三法印、四法印 |
諸行無常、諸法無我 |
涅槃寂静、一切皆苦 |
人物 |
釈迦、十大弟子、龍樹 |
如来・菩薩 |
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部派・宗派 |
原始仏教、上座部、大乗 |
地域別仏教 |
インドの仏教、日本の仏教 |
韓国の仏教 |
経典 |
聖地 |
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ウィキポータル |
八大地獄(はちだいじごく)とは、恵心僧都源信の『往生要集』に記された、地獄の8つの形相のこと。八熱地獄と八寒地獄があるとされるが、通常は「八熱地獄」をさす。
[編集] 八熱地獄及び対応する罪
- 等活地獄 - 殺生
- 身体を切り裂かれ、粉砕され、死ぬが、涼風が吹いて元の身体に生き返るという責め苦が繰り返される 生前争いが好きだったものや、反乱で死んだものがここに落ちるといわれている。
- 黒縄(こくじょう)地獄 - 殺生・盗み
- 灼熱の鉄製の縄にしばられ、熱い鉄製の斧で切り裂かれる
- 衆合(しゅごう)地獄 - 殺生・盗み・邪淫
- 相対する鉄の山が両方から崩れ落ち、圧殺されるなど
- 叫喚地獄 - 殺生・盗み・邪淫・飲酒
- 熱湯の大釜や猛火の鉄室に入れられ、号泣、叫喚する
- 大叫喚地獄 - 殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語
- 焦熱地獄 - 殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語・邪見
- 大焦熱地獄 - 殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語・邪見・「尼僧への強姦」
- 阿鼻地獄(無間地獄とも) - 殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語・邪見・「尼僧への強姦」・「仏教に対する不信心」
- 剣樹、刀山、 湯などの苦しみを受ける。
[編集] (参考)八寒地獄
八寒地獄の名称は次のとおり。なおサンスクリット語の音写という性質上、漢字表記を行うと機種依存文字を含むため、一部組み立て文字(括弧内の二文字を一文字とする。左が偏、右が旁)となっている。
- 頞部陀(あぶた)地獄(安頁)部陀 Arbuda
- 寒さのあまり身体にあばたを生じる
- 尼刺部陀(にらぶた)地獄 Nirarbuda
- 頞听陀(あただ)地獄(安頁)(口斤)陀 Atata - 以下「虎々婆」まで「寒さによって発する言葉」
- 臛臛婆(かかば)地獄(月霍)(月霍)婆 Hahava
- 虎々婆(ここば)地獄 Huhuva
- 嗢鉢羅(うばら)地獄(口昷)鉢羅 Utpala - 意訳で「青蓮地獄」とも呼ばれる。
- 鉢特摩(はどま)地獄 Padma - 意訳で「紅蓮地獄」とも呼ばれる
- 摩訶鉢特摩(まかはどま)地獄 Mahapadma - 意訳で「大紅蓮地獄」とも呼ばれる。