南部縦貫鉄道
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南部縦貫鉄道株式会社(なんぶじゅうかんてつどう)は、かつて青森県上北郡の七戸町の七戸駅から野辺地町の野辺地駅を結ぶ鉄道路線を運営していた鉄道会社。旧型レールバスの運行を行っていたことで、鉄道ファンなどの間では有名であったが1997年に休止、2002年に廃止されている。
沿線の開発を目的に自治体が資金を拠出して建設された。鉄道事業だけでは経営が成り立たないため、自治体からゴミ収集や給食調理を受託し、その収益で存続してきた。しかし、野辺地~千曳間の国有地である旧東北本線の路盤を借用して運行してきた区間について買い取りを要請され、その資金が捻出できないことから休止を余儀なくされた。その後、沿線自治体によって路盤の買い取りが行われたが、休止中に荒廃した鉄道施設の復旧が予想以上に困難であったことから復活を断念している。
現在は、旧七戸駅で当時の車両が動態保存されている。なお、会社は鉄道事業廃止後もタクシー事業者として営業を続けており、2004年に南部縦貫株式会社と社名変更している。
なおここでは、運営していた鉄道路線についても記す。
目次 |
[編集] 歴史
- 1953年12月23日 南部縦貫鉄道設立。
- 1962年10月20日 千曳~七戸間開通。
- 1963年4月1日 後平駅、坪川駅開業。
- 1964年4月11日 盛田牧場前駅開業。
- 1966年5月 会社更生法適用を申請(1984年に更正計画終了)。
- 1968年5月16日 十勝沖地震で全線不通に。
- 1968年8月5日 国鉄東北本線の線路付け替えに伴い、廃止区間を借用し野辺地~千曳(名称を西千曳に変更)間を延長し、全線復旧・運行再開。
- 1984年2月1日 貨物営業廃止。
- 1997年5月5日 鉄道事業休止。
- 2002年8月1日 鉄道事業廃止。
- 2004年 南部縦貫に社名変更。
[編集] 鉄道事業
[編集] 路線データ
[編集] 駅一覧
野辺地駅 - 西千曳駅 - 後平駅 - 坪駅 - 坪川駅 - 道ノ上駅 - 天間林駅 - 中野駅 - 営農大学校前 - 盛田牧場前駅 - 七戸駅
[編集] 接続路線
[編集] 車両
- キハ101・102
- キハ103
- キハ104
[編集] その他
- 最終的には七戸駅より南下し、三本木で十和田観光電鉄十和田市駅に接続、更に五戸へ延ばし、尻内(現在の八戸駅)から五戸まで運行していた南部鉄道と結ぶ予定だったといわれる。
- 1997年の時点で廃止の予定だったが、廃止前に鉄道ファンが殺到したため、急遽廃止を休止に切り替えた。これは、東北新幹線が延伸したとき、新幹線の駅まで延長する計画もあったためだが、結果的にはその後廃止になった、
- この他にも国鉄大畑線廃止・バス転換に際して、既存の大湊線の引き受けを兼ねる条件で運行引き受けに名乗りをあげた。この際、更生会社では不都合と考え更生計画を繰り上げて終了している。当初バス転換前提で進んでいた大畑線が地元の下北交通が一時業務引継ぎになった背景のひとつである。
- 当初は京成電鉄が出資し、経営に参加していた。南部縦貫鉄道のレールバスのカラーリングは京成の赤電と同じである。
- キンカン本舗のテレビCMなどにも登場している。
- マスメディアで「南部鉄道」と誤記されていることがあるが、上記のように「南部鉄道」を名乗る鉄道事業者が南部縦貫鉄道とは別に存在していたので、注意を要する。南部縦貫鉄道は設立こそ南部鉄道関係者によってなされたが、資金調達過程で自治体や京成などの資本が入り、全く関係のないものとなってしまった。
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