即応予備自衛官
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即応予備自衛官(そくおうよびじえいかん)とは、自衛隊における自衛官のうち、非常勤の隊員(非常勤の特別職国家公務員)であり、自衛官もしくは予備自衛官経験者からなる。但し、予備自衛官補出身の予備自衛官はなることができない。
訓練招集手当・即応予備自衛官手当・勤続報奨金・雇用企業給付金がある。即応予備自衛官制度は1997年(平成9年)に創設された。
普段は社会人として働きながら、防衛招集命令、治安招集命令、災害等招集命令、国民保護等招集命令により招集された場合、出頭した日をもって自衛官となり活動する。また、訓練招集命令により出頭し、年間一定期間(30日)の訓練を受ける。普段は社会人として一般企業に勤務しているため、訓練に参加しやすくするために分割出頭が認められている。(分割出頭出来る回数は、およそ8回から12回)
- 対象者:自衛官として1年以上勤務し、退職後1年未満の元陸上自衛官。または陸上自衛隊の予備自衛官。(※予備自衛官補出身の予備自衛官は除く)
- 特記事項:必要に応じて第一線で活動できるよう、予備自衛官よりも高い練度と即応性が要求され、当然のように訓練日数も長くなっている。
[編集] 即応予備自衛官の階級
通常、自衛官の階級は陸将以下三等陸士までの17階級であるが、即応予備自衛官においては10階級で構成されている。即応予備自衛官の階級においては即応予備二等陸尉を最高位とし、即応予備二等陸士を以って階級第10位として定められている(自衛隊生徒を主な対象とする三等陸士の階級は即応予備自衛官の階級には含まれない)。なお、即応予備自衛官の階級は、通常の自衛官の階級に即応予備と冠して呼称することとされている。
即応予備自衛官の階級 | |||
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区分 | 階級 | ||
幹部 | 即応予備二等陸尉 | ||
幹部 | 即応予備三等陸尉 | ||
准尉 | 即応予備准陸尉 | ||
曹 | 即応予備陸曹長 | ||
曹 | 即応予備一等陸曹 | ||
曹 | 即応予備二等陸曹 | ||
曹 | 即応予備三等陸曹 | ||
士 | 即応予備陸士長 | ||
士 | 即応予備一等陸士 | ||
士 | 即応予備二等陸士 |
現在のところ、海上自衛隊・航空自衛隊においては即応予備自衛官制度は存在していない。