国立がんセンター
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国立がんセンター(こくりつがんセンター、National Cancer Center)は日本の厚生労働省所管の施設等機関で、国立高度専門医療センター(ナショナルセンター)の一つである。
厚生労働省組織令第150条に基づいて設置され、がんその他の悪性新生物に関し、診断及び治療、調査及び研究並びに技術者の研修を行う。がん征圧のための国家の中核機関に位置づけられている。
(独立行政法人国立病院機構や地方公共団体等が開設、運営する「がんセンター」と称する機関は、別の組織である。)
目次 |
[編集] 概要
国立がんセンターの果たすべき役割は次の4点とされている。
- がん医療の提供 - 中央病院および東病院において、がんに特化した診療が行われている。
- がん研究の推進 - 研究所において基礎研究が、中央病院および東病院において臨床研究や治験が行われている。
- がん情報の発信 - 2006年10月に開設したがん対策情報センターが、がんに関する情報を収集、評価し、がん情報サービスとして発信している。
- がん専門家の育成 - 卒後3年目以降の医師を対象に研修制度を設けている。レジデント制度、がん専門修練医制度と呼ばれる。
[編集] 歴史と今後
- 日本では第二次世界大戦後、それまでの感染症に代わって悪性新生物(がん)による死亡率が急速に上昇した。ついには死因の上位を占めるに至ったため、国を挙げて対がん施策を推し進める必要に迫られた。こうした事態に際し、対がん施策の中核的な施設として設立されたのが国立がんセンターである。
- 1962年、築地キャンパス(東京都中央区築地)開設。1992年7月1日には国立柏病院と国立療養所松戸病院を統合して柏キャンパス(千葉県柏市)が開設され、この際に築地キャンパスの病院は「中央病院」と改称された。
- 現在、柏キャンパスにある緩和ケア病棟は、この時国立療養所松戸病院に開設されていたターミナルケア病棟を発展的に引き継いだものである。
- 2004年、いわゆる行政改革により国立病院の多くは独立行政法人国立病院機構に組み入れられた。国立がんセンターは国立高度専門医療センターの一つとして、厚生労働省直営の施設等機関のまま存続しているが、2010年度に独立行政法人化する予定である。
[編集] 沿革
- 1962年 東京都中央区築地に国立がんセンター設立
- 1992年 国立柏病院と国立療養所松戸病院を統廃合し柏市に東病院開設、築地キャンパスの病院を中央病院に
- 1993年 柏キャンパスに研究所支所開設
- 1999年 中央病院に新棟完成
- 2005年 臨床開発センター発足
- 2006年 がん対策情報センター発足
[編集] 組織
[編集] 中央病院(築地)
[編集] 東病院(柏市)
[編集] 臨床開発センター
- 同センターでは、東京大学大学院の連携講座(新領域創成科学研究科先端生命科学専攻がん先端生命科学分野)が開講されており、センター長、臨床腫瘍病理部部長、がん治療開発部部長は、同大学院教授・助教授を兼務している。
[編集] がん予防・検診研究センター(築地)
[編集] がん対策情報センター(築地)
[編集] 研究所
[編集] 疾病ゲノムセンター
[編集] 運営局
[編集] 歴代総長
カッコ内は前職など
- 田宮猛雄(東京大学医学部長、日本医師会会長)
- 比企能達
- 久留勝(大阪大学医学部教授、国立がんセンター病院長)
- 塚本憲甫(放射線医学総合研究所所長、国立がんセンター病院長)
- 中原和郎(癌研究会癌研究所長、国立がんセンター研究所長)
- 石川七郎(慶應義塾大学医学部教授、国立がんセンター病院長)
- 杉村隆(国立がんセンター研究所長)
- 末舛惠一
- 阿部薫(医学者)
- 寺田雅昭
- 垣添忠生
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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