坂田藤十郎 (4代目)
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四代目坂田藤十郎（よだいめ さかた とうじゅうろう、昭和6年(1931年)12月31日 - ）は、歌舞伎役者、日本の俳優(ただし、2006年の歌舞伎座における初春興行では｢○代目｣を名乗っておらず、231年ぶりにあらたに復活させた名跡であるとしている)。本名は林宏太郎（はやし こうたろう）。前名三代目中村鴈治郎。文化功労者、人間国宝。
上方歌舞伎のリーダーであり、現代歌舞伎の大看板。和事や家の芸はもちろん、立役でも女方でも芝居の巧さと独特の雰囲気には定評がある。また、近松門左衛門作品を原点から勉強しなおそうと近松座を結成。日本中にブームを巻き起こした『曾根崎心中』のお初役は初演以来1000回を越え、なお記録を更新中である。
- 愛称 藤さま（とうさま）
- 座右の銘 「一生青春」
- 屋号 山城屋
- 定紋 星梅鉢
- 役職
- 日本俳優協会副会長
- 伝統歌舞伎保存会専務理事
- 近松座主宰
- 文化功労者
- 重要無形文化財保持者（人間国宝）
- 日本芸術院会員
目次 |
[編集] 家系
- 妹 中村玉緒
- 妻 扇千景 参議院議長
- 祖父 中村鴈治郎 (初代)（成駒屋）
- 父 中村鴈治郎 (2代目)（成駒屋）
- 長男 五代目中村翫雀（成駒屋）
- 次男 三代目中村扇雀（成駒屋）
- 孫 中村壱太郎（なかむら・かずたろう）（成駒屋）
- 孫 中村虎之介（成駒屋）
- 長男の嫁 日本舞踊吾妻流家元 吾妻徳彌
- かつて義理の叔父だった 長谷川一夫 東宝歌舞伎
- いとこの子 林与一
- 義理の弟 勝新太郎
- 叔母 中村芳子
- いとこの子 二代目中村亀鶴（八幡屋）
[編集] 年譜
- 1931年12月31日 中村鴈治郎 (2代目)の長男として生まれる。
- 1941年10月 道頓堀・角座にて『山姥』の金時で二代目中村扇雀を襲名し初舞台。
- 1949年 武智鉄二の武智歌舞伎に参加。師との出会いにより、急速に実力をつける。
- 1953年 250年ぶりに復活された『曾根崎心中』のお初役が絶賛。扇雀ブームを起こす。
- 1955年2月 松竹を離脱し、宝塚映画製作所専属俳優になる。同社は、東宝のダミー会社。
- この一件で父・二世鴈治郎も松竹に居られなくなり、歌舞伎役者を一時休業している（のちに復帰）。
- 東宝で扇千景と出会う。
- 1958年10月 扇千景と結婚。
- 1963年3月 松竹に復帰し、歌舞伎役者としての活動を再開。
- 1981年 近松座を興す。
- 1991年11月 歌舞伎座にて『吉田屋』の伊左衛門、『河庄』の治兵衛で三代目中村鴈治郎を襲名。
- 1994年 重要無形文化財保持者（人間国宝）に認定。日本芸術院会員に。
- 2001年 イギリスで『曾根崎心中』を上演。
- 2005年4月 韓国（ソウル・釜山）で『曾根崎心中』『棒縛り』を上演。
- 2005年11月 京都・南座顔見世にて十種香の八重垣姫、曽根崎心中のお初、由縁の月の伊左衛門で上方歌舞伎の大名跡・四代目坂田藤十郎を襲名。
[編集] 受賞歴
[編集] 事件
[編集] 扇雀ブーム
扇雀当時、お初で大当たりをとった時の人気は凄まじく、特に関西では知らない人のない状態だった。 中には本人公認で社号及び商標を扇雀にあやかったものに改名する会社まで現れた。扇雀飴本舗はその会社の一つ。
[編集] 女性関係
昭和30年代から、浮気をすることがよくあり、週刊誌上をたびたび賑わせていた。
妻、扇千景との新婚旅行の車中では、酔った勢いで、自身の女性遍歴を悪びれることなく全て打ち明け、その相手への対応方法などを、堂々と新妻に語ったと言われている。ちなみにこの扇との結婚もできちゃった結婚であったことを、先日日本経済新聞に連載したコラム『私の履歴書』で白状している。
また、扇と結婚する前は、京都に相思相愛の芸妓がいたと言われており、その芸妓が自身の出演している舞台に訪れると、表は成駒屋（当時）の紋、裏はその芸妓が用いていた紋をあしらった扇で、舞台を務めたと言われる。
[編集] 開チン事件
鴈治郎時代の2002年、京都の舞妓・芸妓とホテルで密会し（いつものことであるが）、バスローブをはだけて、自身の陰部を露出させたことが写真週刊誌にスクープされた。その時のガウン（バスローブ）姿から「中村ガウン治郎」と揶揄される。これまでの彼の行動を知らない人たち（昭和30年代に週刊誌を見ないけれど21世紀になって週刊誌を見始めた人?）から「驚いた。人間国宝でも所詮芸人か。ほんとうに驚いた」と批判をくらったが、そのときも妻・扇は「彼は芸人ですから」と前置きした後で、「彼は常に女の人（若い子でなくともよい）がいないとダメですから」「女性にモテない夫なんてつまらない」とコメント、役者女房の神様のような発言を行い、度量の大きさを見せた。一方の本人は記者会見で芸能リポーター達から「お元気ですねぇ～」と感嘆され、「(週刊誌の記者に)自分が元気だという事を証明して下さって、ガハハ！」と豪快に笑い、「老け込んだら駄目。日本の男性たちもみんな頑張ってほしいね」と余裕のコメントを披露した。
ちなみにお相手の舞妓は事件後、元JUDY AND MARYのTAKUYAと結婚したものの2006年に離婚。
[編集] 主な出演作
[編集] 歌舞伎
- 曾根崎心中 - 天満屋遊女お初役
- 天網島時雨炬燵 - 紙屋治兵衛役
- 恋飛脚大和往来 - 亀屋忠兵衛役
- 曲輪文章・ 夕霧名残の正月 - 藤屋伊左衛門役
- 梶原平三試名剣 - 梶原平三景時役
- 金閣寺（『祗園祭礼信仰記』より） - 雪姫役
- 仮名手本忠臣蔵－高師直役・早野勘平役・おかる役・大星由良之助役・寺岡平右衛門・戸無瀬役（昭和52年11月中座公演では、足利直義・おかる・戸無瀬の三役を、平成4年2月国立文楽劇場公演では、高師直・大星由良之助・与市兵衛・斧定九郎・早野勘平・寺岡平右衛門・戸無瀬の七役を、平成11年3月松竹座公演では、高師直・早野勘平・おかる・戸無瀬の四役を演じた）。
[編集] 映画
- 魔剣（1953年） - 稲葉哲郎太役
- お役者小僧（1953年） - 岩井粂三郎役
- 快盗三人吉三（1954年） - 木屋吉三役
- 森蘭丸（1955年） - 森蘭丸役
- オテナの塔（1955年） - 小源太役
- 復讐浄瑠璃坂（1955年） - 奥平源八郎役
- 春色大盗伝（1955年） - お守り鶴次郎役
- 海の小扇太（1955年） - 小扇太（実は豊海千代若丸）役
- 美男お小姓 人斬り彦斎（1955年） - 河上彦斎役
- 白井権八（1956年） - 白井権八役
- 恋すがた狐御殿（1956年） - 春方役
- 男の花道（1956年） - 中村歌右衛門役
- 遠山金さん捕物控 影に居た男（1956年） - 遠山金四郎役
- 女殺し油地獄（1957年） - 河内屋与兵衛役
- 生きている小平次（1957年） - 小幡小平次役
- 横堀川（1966年） - 吉三郎役
- 黒髪（1980年）
- 歌舞伎役者 片岡仁左衛門 人と芸の巻 上巻（1992年、自由工房、監督羽田澄子）
- 歌舞伎役者 片岡仁左衛門 登仙の巻（1994年、自由工房、監督羽田澄子）
- 平成の坂田藤十郎（2006年）
