基準電極
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基準電極(きじゅんでんきょく、Reference Electrode)とは、電極電位の測定時に電位の基準点を与える電極のこと。 参照電極(さんしょうでんきょく)、照合電極(しょうごうでんきょく)ともいう。
電位の基準点を与えるという性質上、基準電極にはその電極電位の安定性と再現性が要求される。
すなわち、
などが要求される。
本項では、一般的によく使用されている基準電極についても簡単に解説する。
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[編集] 標準水素電極
標準水素電極(ひょうじゅんすいそでんきょく、Standard Hydrogen Electrode、SHE、Normal Hydrogen Electrode、NHE)とは、 水素ガスおよび水素イオンの活量が全て1である時の水素電極のこと。
[編集] 水素電極の構造と電極反応
水素電極は水素イオン(H+)と水素ガスとの電気化学的酸化還元反応に基づく電極であり、次のような電極反応がおこっている。
また、水素電極の電極電位は、ネルンストの式により次のように表される。
ここで、
- E は水素電極の電極電位(単位 V)
- E0 は水素電極の標準電極電位(単位 V)
- R は気体定数(=8.31447 J K-1 mol-1)
- T は絶対温度(単位 K)
- F はファラデー定数(=9.64853×104 C mol-1)
- aH+ は電解質溶液中の水素イオンの活量
- pH2 は水素ガスの分圧(単位 Pa)
- p0 は標準圧力(=101.3×103 Pa)
[編集] 標準水素電極の電極電位
標準水素電極は、水素ガスの活量と水素イオンの活量が全て1である場合、 すなわち、aH+=1(つまりpH=0)、pH2=p0の場合であるから 上記の電極電位の式はE=E0となる。
ヴァルター・ネルンストの提案により、標準水素電極を全ての電位測定の基準とし、その電極電位は全ての温度範囲において0V(E0=0)であるとされた。
標準水素電極を基準にして測定されたことを表すために、測定された電位の後ろに(vs. SHE)や(vs. NHE)と付記されることがある。
[編集] 可逆水素電極
可逆水素電極(かぎゃくすいそでんきょく、Reversible Hydrogen Electrode、RHE)とは、測定対象の電極が入っている溶液のpHと同じpHの電解質溶液を用いた水素電極のこと。
上記の水素電極の電極電位の式からわかるように、電解質溶液の水素イオン活量aH+(言い換えればpH)が変わると水素電極の電位も変化してしまう。 このため可逆水素電極と標準水素電極の電極電位は一致しないが、測定対象の電界槽で用いているのと同じ電解質が使えるので液間電位差を考える必要が無いので実験上便利である。
可逆水素電極を基準にして測定されたことを表すために、測定された電位の後ろに(vs. RHE)と付記されることがある。
[編集] 銀/塩化銀電極
銀/塩化銀電極(ぎんえんかぎんでんきょく、Silver-Silver Chloride Electrode)とは、・・・。
銀/塩化銀電極/飽和KClの電極電位は、およそ+0.199V(vs. SHE、25℃)である。
銀/塩化銀電極を基準にして測定されたことを表すために、測定された電位の後ろに(vs. Ag/AgCl)と付記されることがある。
[編集] 飽和カロメル電極
飽和カロメル電極(-でんきょく、Saturated Calomel Electrode、SCE)とは、・・・。
飽和カロメル電極の電極電位は、およそ+0.244V(vs. SHE、25℃)である。
飽和カロメル電極を基準にして測定されたことを表すために、測定された電位の後ろに(vs. SCE)と付記されることがある。
[編集] 関連項目
- 電極電位
- 過電圧
- サイクリックボルタンメトリー
- 電気化学