多重人格探偵サイコ
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『多重人格探偵サイコ MPD PSYCHO』(たじゅうじんかくたんてい サイコ)は、原作大塚英志、画田島昭宇による漫画作品。「少年エース」(角川書店)にて1997年2月号より連載中。2006年2月現在11巻まで刊行。小説化、テレビドラマ化、ラジオドラマ化もされ、2005年には大塚英志自らの脚本により舞台化もされた。ハリウッドで映画化される予定もある。
2007年、同年創刊した角川書店の青年コミック雑誌・コミックチャージに連載を移籍する事が告知された。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
殺人犯に恋人を惨殺され、そのショックから元の人格を失くし多重人格者となった元刑事が次々と起こる猟奇殺人事件の謎を追うサスペンス漫画。
第1話には主人公の恋人(千鶴子)が、両手・両足を切断された状態で生かされ、主人公のもとに宅配便で箱詰めして届けられるという描写がある。これを知った角川書店の役員が印刷機を止め、当初1997年1月号から連載スタートする予定が2月号からになるという事故で始まった。また、猟奇殺人を描き、残酷な描写が特徴。その描写故に、2006年に茨城県で青少年保護育成条例に基づく有害図書に指定された。
少年エース連載作品で唯一実写化された作品である。またトレカもある。ミスプリント版という稀有なカードも存在するほか、DVD限定ビジュアルボックスには、件の手足の切断された千鶴子のフィギュアが同梱された。
通常、小説化やテレビドラマ化がなされる場合、漫画版が“原作”という位置づけになり同一のストーリーを小説やドラマといった様々な表現方法で描くものがほとんどであるが、この作品の場合は、漫画で描かれていない部分を小説で描くなどしている。また、意図的に矛盾や設定に食い違いが生じるようになっている。
[編集] 登場人物
- 久保田 拓也(くぼた たくや)
- 前半の主人公「雨宮一彦」「西園伸二」「小林洋介」の肉体。「学窓(ガクソ)」が雨宮診療所にて「雨宮一彦」の人格実験を行っていた際に、その依り代として使用された人物。本人は第三巻で雨宮の白日夢に出てきた少年として出現した。数多くの人格を転移しても壊れない、稀有な肉体と精神の持ち主。西園伸二の人格の時にハイジャック事件の犯人としてSATの隊長(実は「学窓」のスナイパー)の朝顔利光に射殺され、美和が奪った「雨宮一彦」以外の人格もすべて消失した。バーコード所有者。
- 小林 洋介(こばやし ようすけ)
- 雨宮 一彦(あまみや かずひこ)
- 小林洋介消滅後の主人格。冷静沈着かつ聡明、無愛想な性格。他人格の西園伸二が殺人を犯したことにより、刑務所に入れられていたが、持ち前のプロファイリング能力を買われ、出所後に伊園犯罪研究所所長の伊園磨知に雇われる。自らの内に潜む多くの人格と、自分の周りで起こる事件の真相の謎を解くため、「学窓」に挑む。自分が何者か知らなかったが、後にプログラム人格であることが判明。ジャンボ機ハイジャック事件の時、美和経由で西園弖虎に転移され、再び主人格の裏へと隠れる。
- 西園 伸二(にしぞの しんじ)
- 雨宮一彦の内に潜む主人格。任意に出現でき、冷酷かつ大胆な人格で、自分の興味を満たす為に残忍な行為を平気で堂々と行う。「学窓」とも接触があり、事件の真相に大きく関わる。雨宮から西園に人格が変わると、銃や車の扱いができるようになり、眼鏡も必要なくなる。「学窓」が生み出したプログラム人格ではなく、雨宮一彦の人格を久保田拓也の肉体に転移した際に自然発生した人格。雨宮の影とも言える人格。ジキルが雨宮で、ハイドが西園のようなもの。雨宮が覚醒する前は、元の主人格である小林洋介と別人格の村田清を巧みに利用して、多重人格探偵として何でも屋まがいな事を生業としていた。
- 村田 清(むらた きよし)
- 雨宮一彦の別人格。西園伸二の使い走りとして、知り合いの犯罪者の上野 達(うえの すぐる)に警察の情報を横流ししていた。プログラム人格。
- 雨宮 美奈(あまみや みな)
- 雨宮一彦の別人格。盲目の女性。盲目なのに丸文字が書ける。謎のプログラム人格。
- 桜井 琴音(さくらい ことね)
- 雨宮一彦の別人格。少女。プログラム人格。
- 伊園 磨知(いその まち)
- 自分が雨宮一彦であると主張する小林洋介の治療を担当した精神科医。科捜研でプロファイリングの基礎研究に従事していたが、雨宮のプロファイリング能力を見出し、雨宮の出所にタイミングを合わせる形で警察を退職して私設の犯罪研究所を開設、雨宮を研究員として受け入れる。精神科だけでなく法医学の単位も持つ才女。多くの人物から信頼を集めている。理知的な美女で、ストーカーの被害にも遭い、左手の薬指と小指を失っている。実は、「学窓」が雨宮一彦の監視役として作ったプログラム人格であり、役目が終了したとして消去された。
- 伊園 若女(いその わかな)
- 伊園摩知の正体。「学窓」のメンバー。プログラム人格「伊園摩知」の消去と共に覚醒した。
- 伊園 若女(いその わかな)
- 笹山 徹(ささやま とおる)
- 猟奇犯専門の捜査一課11係の刑事で、小林洋介の上司。磨知も被害者の一人であった連続爆弾事件の捜査に失敗し、部下二名を死亡させたため、出世コースから外されている。警視庁勤務の心理分析官…とは名ばかりで、常に磨知や雨宮に頼っている。最初はとぼけた脇役キャラクターだったが、舞台を去った雨宮の代わりに事件の真相を突き止める役を担うことになり、狂言回しを務めている。
- 伊園 アリワン 美和(いその ありわん みわ)
- 磨知の異母妹。姉と違い、今時の女子高生な性格で、好奇心旺盛かつ我が儘。常に雨宮の周りに起こる事件に首を突っ込む。母親はシンガポール人で、日本とシンガポールの二重国籍を持つ。一見どうでもよさそうな人物だが、実は「学窓」の関係者である。ハイジャック事件時に行った人格転移の後遺症で植物状態となった。右目にLUC-XXと刻まれている。
- 西園 弖虎(にしぞの てとら)
- 後半の主人公。「学窓」が生み出した人間兵器。多くの人格を投入、転移することができ、相手の意識を操るだけでなく、戦闘能力も非常に高い。「西園伸二」の人格を主として活動している。弖虎自身の人格は不明。かつては「学窓」に使われる身だったが、自分の体内に埋め込まれている毒物の中和剤を手に入れたため自由に活動できるようになり、「学窓」に造反して敵対関係となる。左目にLUC-Yと刻まれている。
- 西園 伸二(にしぞの しんじ)
- 弖虎の主人格。久保田拓也の人格である「西園伸二」とは違う模様。詳細不明。
- 雨宮 一彦(あまみや かずひこ)
- 「学窓」が開発した人格統合のプログラム人格。美和が久保田拓也から奪い取り、弖虎に転移され、多重人格の弖虎を安定させる存在となる。現在は薬で抑えられ、封印されている。
- 西園 伸二(にしぞの しんじ)
- 渡久地 菊夫(とぐち きくお)
- 常に雨宮たちの周りに起きる事件を嗅ぎ回るフリーのジャーナリスト。かつてゲリラに左目を抉られたため、左目に眼帯をしている。飄々とした性格で、事件の裏側に潜む何かを掴んでいるような節を覗かせている。また「学窓」とも繋がりがある。最後は自棄になり、都庁占拠事件を起こし、大量無差別殺人をしでかした挙句に、全一に射殺された。バーコード所有者。
- 島津 寿(しまづ ひさし)
- 連続バラバラ殺人事件の犯人。バーコード所有者。西園伸二に射殺された。
- 本田 千鶴子(ほんだ ちづこ)
- 小林洋介の恋人。保母。小林と結婚し花屋を開業するのが夢だった。島津寿に四肢を切断され、生きたまま発泡スチロールの箱に入れられ、警視庁の小林のもとに送付された。小林が生命維持装置を密かに切り、死亡。バーコード所有者。
- 全一(ぜんいつ)
- 「学窓」に属する殺し屋。「学窓」にかつてのプロジェクトで作られた、四股を切断されても数週間で再生する能力を持つ怪物。普段は白髪に黒ずくめのファッションを着こなす、紳士な優男だが、素顔は顔面の皮膚を剥いだ顔をしており、あらゆる人物に変装することもできる。戦闘能力も高い。雨宮や磨知、笹山たちの前に現れ、いつも謎めいた言葉を残していく。
- 御恵 てう(みめぐみ てう)
- 「学窓」の研究員。ユダヤ人で、前名はナオミ・アーヴィングといい、磨知の父・伊園知和の秘書を勤めていた。「学窓」が進めているヒトゲノム計画の成果を応用して二十代後半の肉体を維持している。実年齢は不明。全一を生成した「ママ」で、廃棄される予定の全一を引き取り、手駒として使っている。「学窓」に不満を持ち、反主流派に属している事もあって、分派行動を起こしつつある。ちなみに、戦前の日本が舞台の「木島日記」に、ナチスと日本軍の間で立ち回ってた頃のアーヴィングが登場している。
- 雨宮 一彦(あまみや かずひこ)
- 久保田拓也のプログラム人格「雨宮一彦」の元となった人物。本物の雨宮一彦である。二十数年前の雨宮診療所事件で御恵てうに助け出される。「学窓」の実験船で「完全な雨宮一彦」になるべく弖虎の人格「西園伸二」を奪おうとするが、弖虎によって人格崩壊プログラムを転移させられ、死亡。バーコード所有者。
- 村田 清(むらた きよし)
- 雨宮診療所の火災での生き残り。久保田拓也のプログラム人格「村田清」の元となった人物。死体を集めて、雨宮診療所の事件を再現しようとして、美和を誘拐した。しかし自分で起こした火災に巻き込まれ死亡。
- 清水 義秋(しみず よしあき)
- 伊園犯罪研究所の出資者。政界のフィクサー的存在。ちなみに、「木島日記」に、生涯を賭けてその陰謀を暴くことになる「学窓」(当時は瀬条機関と俗称されていた)とのパイプ役をやらされていた頃の清水少尉が登場している。
- 鬼干潟 龍夫(おにひがた たつお)
- 保守政党の有力政治家。腐りきった現在の日本の体勢を憂えており、新たな秩序の形成と治安維持のため、法務大臣就任時に犯罪者の死刑執行を増やすなど冷酷な性格。「学窓」とも浅からぬ因縁があるらしい。現在は総理大臣に就任している。
- 鬼頭 日明(きとう あきら)
- 警視庁公安課課長。笹山の元部下で、現在は上司。雨宮一彦を要注意人物として監視している。雨宮以上に無愛想で、時として冷徹。磨知とはかつて恋人同士という関係にあったが、鬼干潟の娘と政略結婚するために別れた。清水義秋から、自分が鬼干潟の臓器移植用のスペアとして生成されたという事実を知らされ、弖虎と協力関係を結んで六本木ヒルズで鬼干潟と対決を果たすが、敗れて死亡。テロから鬼干潟を守って殉職したということで処理された。
- 天馬(てんま)
- 笹山の新しい部下。背が低く、瓶底眼鏡の某眼鏡屋のキャラクターのような女刑事。アーミーコートのせいで笹山からは「青島」と呼ばれている。当初は笹山を監視する為に仕向けられた「学窓」のスパイだったが、今では笹山を支える側に回っている。
- 犬彦(いぬひこ)
- 新宿署の刑事。羽根のある殺人者を追って独自捜査をしていた。上海に一緒に渡る予定だった恋人の麒麟に目の前で自殺され、自らの手で決着をつけるために笹山と行動を共にすることになる。下の名は不明だが、魍魎戦記MADARAシリーズに犬彦綬陀矢という同姓のキャラクターが登場する。
- 伏姫 麒麟(ふせひめ きりん)
- 磨知の大学時代の同期。犬彦の恋人。警察病院の監察医。後に独立して新宿で開業医になる。犬彦を自分の研究に利用してたことを全一に暴露されたため、犬彦の目の前で自殺した。バーコード所有者。犬彦と同様、魍魎戦記MADARAシリーズに同名のキャラクターが存在する。
- ルーシー・モノストーン
- 六十年代に熱狂的に支持されたロックミュージシャン崩れのテロリスト。197X年、南米の教会で信者と共に集団自殺した。「学窓」が学術的興味から再生を試みられてる人格=死の衝動の再現。
[編集] 作品
- 漫画
- 多重人格探偵サイコNo.1~11(以下、続刊)
- 多重人格探偵サイコ'No.1 - 上記、No.1と同一の内容。原作者名が大江公彦名義の限定版。
- 多重人格探偵サイコNo.6 限定先行無修正版 - DVDの付録。
- サイコエースVol.1~2 - 総集編。
- 多重人格探偵サイコ特別総集編 - 総集編。
- 多重人格探偵サイココミックお試し版小冊子 - 多重人格探偵サイコフェアプレゼント品。非売品。
- 小説
- 多重人格探偵サイコNo.1~情緒的な死と再生~
- 多重人格探偵サイコNo.2~阿呆船~
- 多重人格探偵サイコ~雨宮一彦の帰還~(ノベルスと文庫が存在)
- 多重人格探偵サイコ~小林洋介の最後の事件~(ノベルスと文庫が存在)
- 多重人格探偵サイコ~西園伸二の憂鬱~(ノベルスと文庫が存在)
- 多重人格探偵サイコREAL
- 多重人格探偵サイコFAKE 1~3
- 戯曲
- 多重人格探偵サイコ/新劇~雨宮一彦の消滅~
- 映像作品
- 舞台化作品
- グッズ
- トレーディングカード
- カレンダー
- ガレージキット
- 派生商品など
- 多重人格探偵サイチョコ - 4コマ漫画
- 多重人格探偵サイコ ルーシー・モノストーンの真実
- ロリータの温度
- ロリータの温度 (CD)
- ロリータ℃の素敵な冒険
- 多重人格探偵サイコ異常心理解析 - いわゆる研究本
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 多重人格探偵サイココミックお試し版(web KADOKAWA内)
- MPD-PSYCHO unofficial.web 2000-2007