天文館
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天文館(てんもんかん)は、鹿児島県鹿児島市にある南九州最大の中心部商業・娯楽地区の総称。商店街・繁華街と隣接する歓楽街が一体的となっている。
天文館という名称は街全体の通称であって、天文館という地名等が存在する訳ではない。また特定の通りや街路だけを指す名称でもない。ただし、「天文館」が長年に渡って拡大・変化してきたため、『「天文館」の範囲は具体的にどの辺りまでか?』という議論が交わされる場合もある。
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[編集] 概要
天文館の中央には、天文館電車通り(いづろ通り)、天文館本通り、天文館G3(千日通り)が貫き、その周辺を放射状にアーケード街やカラー舗装された通りが迷路の如く連なる。アーケード街には、古くからの個人経営の商店に混じり、ブティック、カフェなど洒落た店が立ち並び、またパチンコホールや無数の飲食店が軒を連ね、昼夜を問わず年中多くの人で賑わっている。アーケード街が比較的多いのは、桜島の降灰対策や夏の強い紫外線を含んだ直射日光避けである。道幅が広いところ以外に細い路地状のところ、幹線道路の歩道部分などにもアーケードが設置されている為、アーケード抜きには天文館を語ることは出来ない。
現在の近況であるが、以前は「天文館」というブランドの神通力のためか路地裏や地下のような導線の劣悪な場所でも空き店舗がなかなか出なかったが、今ではアーケード内の1階や電車通りの1階でも場所により空き店舗が目立つようになり、また銀行、証券会社等の統合により店舗ビルが取り壊され青空駐車場となっている地点も出始めている。これらの原因として考えられているのは、九州新幹線の部分開通に合わせて開業した鹿児島中央駅ビル「アミュプラザ鹿児島」による新たな商業エリアの出現、また都市計画の用途指定が緩和されたことにより、湾岸の埋立・港湾エリアにオープン予定のイオンなどの大型店舗の他、ロードサイドショップなどとも競合などであろう。映画館は天文館地区から2006年10月で完全に消滅し最後の画廊や割烹旅館も閉店したが、一方で山形屋の3号館増床の正式発表やいづろドーム跡の再開発ビルの着工、中央資本による新規ビジネスホテルの着工並びに計画等があり、業種・店舗によって好不況が分かれている。
[編集] 都市間競争・空洞化の兆候
九州新幹線が全通する2011年頃には鹿児島市中心部と福岡市の博多駅までが1時間強で結ばれることになり、福岡市へのストロー現象が予想されている。鹿児島経済を大きく変化させると見られる九州新幹線全通と天文館の将来を見据えて、再開発事業、貸ビルの建替え、不動産流動化等も各所で段階的に行われており、リサイジング・店舗入れ替え・業態変換など、今後の動向が注目されている。中振連や商店主といった街側の姿勢も以前は、県内ではここでしか取り扱いがない、売ってやるから出て来いという地方都市でよく見受けられる『殿様商売』的な傾向が色濃かったが、危機感を感じたのかここ数年は年間に手弁当でイベント等を行うなど地道な努力を始めている。
しかしながら鹿児島市内では長い間商業地図に変化がなかったため急激な変化の波に必ずしも対応出来ていない面も数多く、イオン進出を前に通行量の減少や映画館の全面撤退、さらにアーケード内からの有力テナント(タワーレコード鹿児島店、ハーゲンダッツなど)の連鎖撤退が起こりはじめており、徐々に空洞化の兆候が出始めている。以前のように「鹿児島では天文館に出店することがステータス」といった神通力はすっかり影を潜めてしまった。こうした状況は以前からある程度の予想はされてはいたが、見通しよりも進行が早く、加えて地元資本の老舗ホテルの撤退など予想外の展開も生じている為、商店主達の戸惑いは日に日に増しつつある。
[編集] 歴史
江戸時代、第25代薩摩藩主・島津重豪が、この界隈に天文観測や暦を研究する施設明時館、別名「天文館」を建設したことに由来する。明治期までは薄の生える空き地も目立つような寂しい場所であったが、大正時代後半から昭和初期にかけて路面電車が開通、同時に多数の映画館や劇場(現在はない)が開館した。それに伴い鹿児島各地から昼夜の別なく多くの人々が押し寄せるようになり、まもなく周辺に映画客目当てとした飲屋や赤線、食堂などが自然発生的に現れた。千日町や山之口町界隈の歓楽街は、その頃に原型が形成された。その後山形屋呉服店が大正時代初頭に神戸以西で初の鉄筋コンクリート造の大型デパートを開業すると、その周辺の商店や町屋が次第にショッピングゾーンに変貌し、戦前には現在の街並みがほぼ完成された。近年鹿児島中央駅周辺や鹿児島市中南部に新興繁華街やロードサイド店が台頭しつつあるが、南九州エリアで最大級の歓楽・ショッピングゾーンとして地元では絶大なブランド力と神通力を持ち続けている。
[編集] アーケード及び通りの総称
- アーケード
- いづろ通り・照国表参道通り・天文館通り・天文館本通り・天文館電車通り・天文館G3通り・にぎわい通り・はいから通り・中町コアモール・中町本通り・中町ベルク・ぴらもーる(天神おつきや商店街)・金生通り・納屋通り・天文館G3(千日通り)
- モール
- テンパーク通り・ゴンザ通り・七味小路通り・セピア通り・グルメ通り・おつきや東通り・天文館一丁目商店街・呉服町通り
- 歓楽街
- 文化通り・中町別院通り・中町中通り・中町御堂筋通・銀座通り・松山通り・船津町通り・松原本通り・天文館文化通り・萩原通り・二本松馬場通り・山之口町中通り・山之口本通り・二官橋通り・樋之口本通り・山之口電車通り・高見馬場通り・山之口本通り・二官通り
[編集] 周辺施設
- デパート・ファッションビル
- ホール・アミューズメント
-
- NCサンプラザ
- キャパルポ(SRホール)
- T‐MAX BOWL
- T‐MAX
- 城山VIPホール
- カラオケ館
映画館は2006年に天文館地区から全面撤退した
[編集] アクセス
- 鹿児島中央駅から
- 鹿児島駅から
- 鹿児島港の本港区(桜島フェリー・高速船乗り場・奄美・沖縄航路)から
- 徒歩7分。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 鹿児島社交業組合公式ホームページ(優良店紹介)
- うわさのヒットマン 天文館ナビガイド(天文館のお店情報やお役立ち情報)
- 天文館どっとこむ 天文館公式サイト[公式](天文館のお店情報・観光情報・地図情報)
- 天文館ナイトガイド 天文館ナイトガイド(天文館のグルメ・ナイト情報)
- 鹿児島市観光ガイド(天文館のページ)
- [2]S-yleカゴシマより
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