鹿児島港
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鹿児島港(かごしまこう)は、鹿児島県鹿児島市にある重要港湾。港湾管理者は鹿児島県。開港より約650年の歴史を有し、港湾設備と都心市街地が一体化した南日本の主要な港湾地帯でもある。
港湾は、南北約20kmの範囲に及び、本港区(桜島フェリーターミナル、北埠頭・南埠頭)、新港区、鴨池港(鴨池フェリーターミナル)、中央港区(旧南港・旧木材区)、谷山港一区、谷山港二区、浜平港区に分かれる。
鹿児島県は離島が多く、本土の大半が半島や険しい地勢の為、物流・旅客共に海上交通に頼る面が多い。その為、鹿児島港の各港区や旅客ターミナルは普段から活況を呈しており港湾周辺は華やかである。加えて桜島フェリー・垂水フェリー・種子島・屋久島行の高速船は頻繁に運行されており、一般の旅客に加え、通学・通勤での定期利用者も非常に多い。又お盆や年末、転勤シーズンになると各旅客埠頭では帰省客や異動客や見送りの人々の喧騒で鹿児島中央駅や鹿児島空港以上に賑わう。
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[編集] 歴史
- 12世紀中頃:現在確認される最古の記録によれば、この時期に島津氏により開港されたようである。
- 1602年~1854年:現在の本港区の大半がこの期間に形成される。鹿児島城の築城や城下の拡大、薩英戦争の防衛などに伴い、周辺の丘陵が削られ土砂で随時埋め立てられている。埋立て開始当初、現在の中心街天文館界隈の大半は遠浅の海であったようだ。
- 1901年~1905年:明治の大改修により近代港湾として整備に着手。すでにこの頃より沖縄、阪神方面の定期航路が頻繁であり、台湾にも定期航路があった。
- 1901年:港の背後地区に官営鉄道鹿児島本線(現在の日豊本線~肥薩線経由で熊本方面へ行く山岳ルート)の鹿児島駅が開業。同時期より沖縄方面の貨物取扱いが開始。
- 1907年:横浜港・神戸港等と共に旧重要港湾に指定。
- 1919年:旧関税法の「開港」に指定。
- 1922年:国の指定港湾(内務省告示)指定。同時期より上海、大連、朝鮮半島へ国際定期航路が開設されていたようである。
- 1923~1934年:大正・昭和の大改修に着手。この頃より現在の新港の城南埠頭が建設される。目的は本港区の頻繁により一部航路を分離する為、同時に鹿児島市が近代都市として飛躍の為に漁港関連施設も同時に整備。ほぼ同時期に近隣の本港区の旧ボサド桟橋(住吉町)に全国で4番目の魚類・青果中央卸売市場が整備される。
- 1950年:植物防疫法「輸入可」港に指定。
- 1951年:新重要港湾、入管難民法の「出入港」、家畜伝染病予防法「輸入可」港に指定。
- 1952年:検疫法検疫港に指定。この頃より旧南港区(中央港区)の整備を開始。
- 1959年:現在の港湾計画を策定。新港区の整備開始、奄美・沖縄航路が本港区から移転。
- 1965年:旧木材港区(中央港区)整備開始。適用港湾、特定港に指定。
- 1966年:谷山港一区の整備開始。
- 1960年後半:新港区と鴨池港区の中間の与次郎地区の埋立が完了。
- 1967年:新港区新港に魚類中央卸売市場が新設。(住吉町市場より分離される。)
- 1971年:港湾計画を拡大して、谷山港二区の整備開始。
- 1972年:旧鹿児島空港跡地に鴨池港区の整備を開始、大隅半島の垂水航路専用のフェリーターミナルとする。
- 1972年:港湾計画を改定して、浜平港区の整備開始。
- 1972年:新港区と鴨池港区の中間の埋立地である与次郎地区を主会場に太陽国体が開催される。
- 1976年~1980年代:鴨池港区の背後地区(鹿児島飛行場跡地)である鴨池新町を旧日本住宅公団が「鴨池ニュータウン」として都市整備、高層集合住宅団地の建設を皮切りに地区計画を策定し外壁の色調を統一したオフィス街が出現。
- 1976年:中央港区木材港背後地区に青果中央卸売市場が移転。これにより住吉町の中央卸売市場は閉鎖された。
- 1985年:本港区と背後地区の再整備計画に着手。
- 1986年:谷山港二区に石川島播磨重工業が進出。(2002年撤退)
- 1991年:本港区の市役所大通りを鹿児島市が「みなと大通り公園」として再整備。
- 1991~1993年:本港区背後地域の県農協連跡地に再開発ビル「アーバンポート21」を整備、高層集合分譲住宅、商業施設、シティーホテル等の一体化した整備される。
- 1993年:本港区北埠頭ターミナルの供用開始。
- 1996年:本港区背後地域の小川町21番街区に再開発ビル「アーバンポート住宅棟」が整備される。
- 1996年:将来の臨港道路の一部となる谷山臨港大橋が開通。
- 1997年:鴨池港区の背後地区に鹿児島県庁、県警察本部、県議会が移転。
- 1997年:本港区にいおワールドかごしま水族館が開館。
- 1998年:新桜島フェリーターミナル供用開始
- 2000年:将来の臨港道路の一部となる天保山シーサイドブリッジ供用開始。
- 2002年:本港区南埠頭ターミナルの供用開始。
- 2004年:本港区背後地区にJR貨物のコンテナ列車専用の取扱い駅である鹿児島貨物ターミナル駅が開業。鉄道と海上輸送とのオンタイムが実現。
- 2005年:本港区に大型商業施設ドルフィンポートが開業。
- 2006年:本港区にNHK鹿児島放送局が新築移転。
- 2007年:中央港区の旧木材港に大型商業施設イオン(AEON)鹿児島SC(仮称)が開業予定。
[編集] 主な施設
- 本港区
- 北埠頭:旅客待合所、旅客ターミナルビル、桜島フェリーターミナル、県営1号上屋、県営2号上屋、県営4号上屋
- 南埠頭:旅客待合所、南ふ頭旅客ターミナル、村営フェリーとしま乗り場、村営フェリーみしま乗り場、高速船ターミナルビル(建設中)
- 新港区:
- 新港第1待合所、新港第2待合所、県営上屋2号、県営上屋2号、県営上屋5号、鹿児島市魚類中央卸売市場
- 鴨池港区:
- 鴨池フェリーターミナル、天保山シーサイドブリッジ
- 谷山港一区:
- 谷山漁港、鹿児島市青果中央卸売市場、谷山臨港大橋、県営上屋1号、県営上屋2号
- 谷山港二区:
- 県営上屋
[編集] 各埠頭の航路紹介
- 本港区北埠頭
- 鹿児島商船:高速船「トッピ-」 ※2007年4月を目処に本港区南埠頭(高速船ターミナルビル)へ移転予定。
- コスモライン:高速船「ロケット」 ※2007年4月を目処に本港区南埠頭(高速船ターミナルビル)へ移転予定。
- 鹿児島港 - 種子島(西之表港) - 屋久島(宮之浦港)
- 奄美海運(マルエーフェリー系列):「フェリーあまみ」「フェリーきかい」 ※親会社マルエーフェリーと使用岸壁が違うので注意。
- 本港区南埠頭
- 新港区(第2待合所)
※県として本港区北埠頭に移転を要請中。
- マリックスライン:「クイーンコーラル」「クイーンコーラル8」
- マルエーフェリー:「フェリーあかつき」「フェリーなみのうえ」
- 鹿児島港 - 奄美大島(名瀬港) - 徳之島(亀徳港) - 沖永良部島(和泊港) - 与論島(与論港) - 本部港 - 那覇港
- 鴨池港区(通称:「鴨池フェリーターミナル」)
- 大隅交通ネットワーク
- 鹿児島港 - 垂水港
- 谷山港二区(七ッ島地区)
- 鹿児島商船:貨客船「はいびすかす」
- 鹿児島港 - 種子島(西之表港) - 屋久島(宮之浦港)