太田愛

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

太田愛（おおたあい、1964年 9月2日 - ）は日本の脚本家。香川県高松市出身。

[編集] 来歴

1997年に「ウルトラマンティガ」21話「出番だデバン!」で脚本家デビューし、以降円谷プロダクション制作の作品を中心に活躍している。
当時は塾講師をしながら合間をぬって脚本を執筆していた。
「ウルトラマンネクサス」では同作品でシリーズ構成をしていた長谷川圭一の要望により第三クールのメインライターを担当した。

[編集] 作風

太田愛が脚本を担当したウルトラシリーズには人類に敵意をもたない異星人や怪獣が数多く登場し(例：ウルトラマンティガのマスコット小怪獣デバンやウルトラマンダイナの瑠璃色宇宙人ラセスタ星人等)、その為ウルトラマンが怪獣や異星人を倒すという、いわゆる王道の図式ではないストーリーが非常に多い。そんな中で明確な敵が存在する「ウルトラマンガイア」初期には防衛チームの人間ドラマのみで構成し他の作品では多くを語る怪獣の代わりに「触手のある隕石」（光熱魔石レザイト）を出してお茶を濁した（ガイア後半には地球怪獣と侵略者の対立が持ちこまれ、太田は地球怪獣中心に脚本を書く）。「ウルトラマンコスモス」では逆に他の脚本家よりも（その時点では）本質を見据えた「時の娘」前後編を書いたが、コスモスの世界では怪獣を保護する手前「怪獣に居場所がある」為、却って脚本が書きにくくなったらしく、その後異世界に居場所を持つグラルファンの話を一本書いたのみである。また日常生活の描写に定評がある。登場する怪獣に本編に出てこない正式名称が存在する場合もある（デバンダデバン、オビコボウシ、シーラキートなど）が「名前は大切にしないといけない」という意向からである。

敵意を持たない敵が多いとされるが、実際凶悪な敵もかなり登場する。傾向としてはイルドやエノメナの様に人心を操り、人の絆を壊す存在である場合が多い。そして「人の絆」がキーになっている話が多く、『トリック2』においてもそれは踏襲されている。

太田にとっての怪獣が何なのかはデビュー作「出番だデバン！」登場の「ゆかいな一座」のメンバーから伺える様に「俗世に居場所がない存在」（他のメンバーは常にピエロのメイクで素顔を出さない繊細な青年とドラッグクイーン風のオカマ、彼等も怪獣デバン同様一座が唯一の居場所）なのである。

怪獣リメイクが売りの最新作「ウルトラマンメビウス」で唯一（現時点で）新怪獣しか出さない脚本家でもある。ただし、マケット怪獣のウィンダムやデスレムの仲間としてメフィラス星人が登場する為、正確にはリメイク怪獣をメインで使わないと言うべきかもしれない。