太閤記
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太閤記(たいこうき、甫庵太閤記)は、安土桃山時代の太閤である、豊臣秀吉に関する伝記。寛永3年(1626年)、儒学者の小瀬甫庵が著す。全20巻。「太閤」とは、摂政・関白を辞した者への敬称で、秀吉が1591年に関白職を辞し、甥の豊臣秀次に譲った後に太閤となったことにちなむ。
秀吉伝記の定本とされているが、著者独自の史観や、それに基づく史料の解釈、改変も指摘されている。類書に『信長公記』を引継ぎ、秀吉を中心に関が原の戦いまでを描いた、『川角太閤記』などもある。ほかに、江戸時代成立の『絵本太功記』など。
現代作家が秀吉を主人公とした歴史小説に「太閤記」を用いた例として、吉川英治『新書太閤記』、山岡荘八『異本太閤記』、司馬遼太郎『新史太閤記』などがある。