太陽の牙ダグラム
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『太陽の牙ダグラム』(たいようのきば ダグラム)は、1981年(昭和56年)10月23日から1983年(昭和58年)3月25日までテレビ東京で毎週金曜日18:00 - 18:30(19話まで)、毎週金曜日17:55 - 18:25(20話から)に全75話が放映された、日本サンライズ制作のSFアニメ(ロボットアニメ)。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 概要
同時期、若者の間で好評を博した『機動戦士ガンダム』や『伝説巨神イデオン』を意識し、単なる勧善懲悪ではなく戦争をテーマとし、登場人物たちがそれぞれの信念を持って行動し、単純な悪役が存在しないリアルなストーリーを追求している。そのため、少年向けアニメには珍しい濃厚な政治ドラマが展開される。逆に「ストーリー展開がわかりづらい」「主人公たちの行動が大局にほとんど影響していない」事などに一部には批判の声も挙がった。
ロボットアニメとしては、「Xネブラ(未観測要素の多い帯電性ガス星雲の一種)」の為に電子機器の性能が極端に低下する、という二重太陽系惑星デロイアの環境下で、そのXネブラ対策を施した主役メカが、ハンデ付の敵を蹴散らす、というヒーロー的差別化が行われている。物語が進むと敵側の性能も向上し、主役メカのパワーアップが図られる、というのはこれも典型的な手法である。
本作の冒頭は、朽ち果てたダグラムを前にしての回想からスタートする。そのショッキングな演出は非常に印象的である。
テレビ版の他に、1983年7月9日にはテレビ版を編集して新作カットを加えた劇場版『ドキュメント 太陽の牙ダグラム』とコメディの『チョロQダグラム』が松竹の配給で公開されている。 (併映は富野由悠季の『ザブングル グラフィティ』)
[編集] 世界観
地球は、メドール・マルドー・テシオ・マラン・コホード・ミンガス・ローディアの7つの自治州からなる連邦国家となっている。 デロイア星は地球連邦の植民地であり、地球からの移民が始まって130年が経過している。 デロイアへ移民した地球人の子孫はデロイア人と呼ばれ、地球人より劣った存在とされ、差別の対象となっており、デロイアではそれに不満を持った人々が独立運動を繰り広げている。 一方、農産物や鉱産物の多くをデロイア星に依存する地球連邦内ではデロイア独立に否定的な意見が多い。
[編集] ストーリー
地球連邦の植民地とされ、地球連邦評議会へ代議員を送ることさえ許されないデロイア星では地球に対する不満が高まり、独立運動が勢いを増していた。 地球とデロイアの対立が日々深まる中、デロイア独立問題を討議するため、地球連邦評議会がデロイアの首都・カーディナル市で開催された。しかし、議場は地球連邦第8軍大佐、フォン・シュタインによって率いられた部隊によって制圧され、地球連邦評議会議長ドナン・カシムをはじめ、代議員たちは人質とされてしまった。 フォン・シュタインはデロイアの独立を宣言し、地球連邦はただちに人質を救出するための部隊をデロイアに派遣した。 ドナンの息子・クリンはその部隊に志願し、父の救出に尽力した。
しかし、議場に突入したクリンが見たものはフォン・シュタインと談笑する父ドナンの姿であった。 地球連邦軍によって救出されたドナンは「独立支持派に利用されただけ」という理由でフォン・シュタインを免罪し、クーデターの責任をデロイア独立を支持する代議員たちに押し付けて、彼らを投獄した。 ドナンはデロイアを地球連邦の8番目の自治州に昇格させ、フォン・シュタインをその代表に任命する一方、デロイア独立をあくまでも主張する運動家たちを徹底して弾圧した。 すべては、デロイア独立運動を押しつぶし、デロイアをあくまでも地球連邦の枠内にとどめようとするドナンの陰謀に過ぎなかったのである。
クーデター事件の真相をジャーナリストのラルターフから聞かされたクリンは苦悩する。 そのころ、ひょんなことから、クリンはデロイア独立運動の指導者であるサマリン博士と出会う。 サマリンは、クリンを地球の有力政治家の息子と知りながらあたたかく迎え、独立派ゲリラが開発した最新鋭のコンバット・アーマーであるダグラムのパイロットとして、クリンを仲間に紹介する。 それは地球人とデロイア人の友好を心の奥底から願うサマリンの心の現われであった。 クリンはサマリンの人柄に魅了されるが、ドナンに反抗的な態度を見せていたクリンの行動は地球連邦軍の監視の対象となっており、クリンがサマリンと出会ったことで、サマリンの居場所が地球連邦軍に割れてしまい、サマリンとダグラムは地球連邦軍に奪われてしまう。
地球時代の親友で独立派ゲリラのロッキー・アンドルとロッキーの仲間のキャナリー・ドネットから密告者として疑われたクリンは単身、地球連邦軍の基地に乗り込み、ダグラムを奪回する。 クリンの意気に感じたロッキーとキャナリーはクリンを自分たちのグループに迎えいれる。 こうしてデロイア独立運動に身を投じたクリンは、ロッキーらとともにサマリンの奪回にも成功し、ダグラムによって次々と地球連邦軍を蹴散らしていく。 やがて独立運動は、地球連邦軍のデロイア人兵士の間にも波及し、戦力を強化した独立ゲリラはついにパルミナ自治州の州都ドガ市を攻略して、ここにサマリンを首班とするデロイア人民解放政府を樹立した。 しかし、人民解放政府内では、「北極ポートを制圧して、地球連邦の影響力を一掃し、一気に完全独立を目指そう」とする強硬派と「地球連邦との話し合いで独立を達成しよう」とする和平派との対立が深まっていた。
地球連邦内においても、ドナンが病に倒れ、ドナンの補佐官から連邦政府のデロイア担当弁務官となったラコックとフォン・シュタインの間で権力闘争が勃発していた。 ラコックは密かに人民解放政府和平派のリーダー、ヘシ・カルメルに接触しはじめ、人民解放政府の切り崩しをはかっていた。 そのことを知ったフォン・シュタインは、ラコックを出し抜こうとサマリンへの接触を模索する。 しかし、ラコックによってフォン・シュタインは謀殺され、ラコックとカルメルによる人民解放政府乗っ取りの陰謀が進められていく。
そんなことを知らないクリンたちは北極ポート制圧のため、苦しい戦いを続けるが、ある日、人民解放政府から意外な命令を受ける…。
[編集] 登場人物
[編集] デロイア独立派(デロイア人民解放政府)
- クリン・カシム(声優:井上和彦)
- 主人公。17歳。士官学校学生だったが、父親の政策に疑問を持ち、デロイア独立運動に身を投じる。正義感の強い好青年。コンバット・アーマーの操縦には天性の素質がある様で、操縦の難しいダグラムを難なく乗りこなし、その専任パイロットとして最後まで戦う。
- デビッド・サマリン(声優:宮内幸平)
- デロイア独立運動の指導者で象徴的な人物。もとは歴史学者。地球人であるクリンを差別せず、独立運動に加えた度量の広い人物。人民解放政府では強硬派を支持した。映画俳優の故・オーソン・ウェルズに顔が似ており、モデルと思われる。
- ロッキー・アンドル(声優:田中亮一)
- クリンの親友で、独立派のゲリラ。18歳。暴走族仲間をもとに独立派ゲリラのグループ・デロイア7(後に「太陽の牙」と呼ばれる)を結成する。一時、地球の政治家の息子であるクリンと対立していたが、クリンの純粋な心意気に感じて、自らが率いるグループにクリンを入れる。
- キャナリー・ドネット(声優:山田栄子)
- 独立派ゲリラで、「太陽の牙」のサブ・リーダー。男勝りの少女。独立派ゲリラだった兄を地球連邦軍のゲリラ狩りで殺され、独立運動に身を投じる。
- チコ・ビエンテ(声優:田中崇)
- 「太陽の牙」メンバー。19歳だが到底そうは見えないほど老けて見えるいかつい容姿の巨漢。修理屋の息子でメカに強く、ビッグEガンの使い手でもある。
- ビリー・ボール(声優:梨羽雪子)
- 「太陽の牙」メンバー。16歳。チコとは対照的に年齢以上に幼く見える容姿の持ち主。なかなかいっぱしの口をきく。
- ナナシ(声優:緒方賢一)
- 「太陽の牙」メンバー。年齢や本名不詳。天然ボケな言動が多いが、それがけっこうグループの危機を救ったりする不思議な存在。語尾に「だなッス」とつけるのがくせ。名前の由来はキャラ設定時に本当に名前を考えていなかったことからそのまま「名無し」が名前に転じたという。
- ハックル・G・トンプソン(声優:小宮山清)
- 「太陽の牙」メンバー。もともと地球連邦軍の整備兵だったが、ロッキーらに拉致されて、ダグラムのメンテナンスをやらされる。その後、地球連邦軍に復帰するが、傭兵部隊の腐敗ぶりを目の当たりにして、独立派に寝返る。24歳だが老け顔で、フェスタに「オジン」と呼ばれいじめられるが、フェスタの死に大きな衝撃を受ける。
- フェスタ・ブロンコ(声優:鈴木清信)
- ロッキーの仲間で、当初からロッキーのグループに参加。ガルシアを撃破したのは彼の殊勲によるものだが、直後にガルシア隊の副官オッペの残した手榴弾の爆発によって非業の死をとげる。バイクの運転技術は一流だった。
- ジョルジュ・ジュールダン(声優:千葉繁)
- 「太陽の牙」メンバー。17歳。ボナール市の暴走族だったが、グランプリ・レース会場でフォン・シュタインの演説に非難のヤジを飛ばしたことがきっかけで暴動に発展。その混乱の最中、「太陽の牙」の意気に感じてメンバーに加わる。リタに本気で惚れていたらしく、彼女が死んだときにはミサイルをくくり付けたバイクで地球連邦軍に単身乗り込んだ。なぜか九州弁を話す。そしてその容貌はロッキーらによれば「フェスタにソックリ」。
- リタ・ベレット(声優:川浪葉子)
- 踊り子で、独立派ゲリラの少女。独立派ゲリラ時代のデスタンに救われ、彼の理想主義に共鳴して独立運動に身を投じる。一時、「太陽の牙」と行動を共にする。転向したデスタンに利用され、ゲリラの情報を彼に流してしまう。仲間たちから彼を救おうとするが、逆上したデスタンに殺される。デスタンを「天使」と呼び、最後まで彼を信じていた。いかつい登場人物が多いこの作品で数少ない愛らしい容姿の持ち主。
- J(ジェイ)・ロック(声優:曽我部和行)
- 隻眼の革命家。独立派のゲリラで、独自の部隊「デロイアの星」を率いて、度々「太陽の牙」の危機を救う。ダグラムの強化パーツであるターボザックと専用トレーラーを届けたのも彼である。ザルツェフとは宿命のライバルである。最後までサマリンに忠誠を誓う。
- ジャッキー・ザルツェフ(声優:屋良有作)
- もと地球連邦軍少佐。ダグラムの掃討を命じられる。優れた戦術家であり、ラウンドフェイサーの装甲を全て外して運動性を向上させるなどの奇抜な作戦で「太陽の牙」を危機に陥れた。しかし、作戦の失敗が重なったうえにラコックと対立したことから、軍刑務所に送られる。その際に、独立派に救出されて、独立派に寝返る。その後、独立派ゲリラ、人民解放政府軍の参謀となる。地球連邦軍時代には、フォン・シュタイン大佐(当時)から、「私が最も信頼する軍人」と言われていた。
- ガボール・ザナ(声優:鈴置洋孝)
- もともと地球連邦軍中尉だったが、基地司令官のデロイア人ゲリラに対する横暴な振る舞いを批判し、司令官から銃殺刑を宣告される。しかし、このことがデロイア人兵士の反乱に発展し、反乱軍の頭目に押し上げられる。その後は兵士たちをよくまとめて、独立派へ合流する。人民解放政府では、ザルツェフの片腕として活躍。
- ヘシ・カルメル(声優:加藤治)
- デロイア人民解放政府和平派のリーダー。もともとは地球連邦内の自治州間の対立を利用し、反メドール州の資本家などを、デロイア独立に協力するよう説得するのを任務としていた。一枚岩ではない人民解放政府内部の弱点を衝かれ、次第にラコックに利用されていく。
[編集] 地球連邦
- ドナン・カシム(声優:山内雅人)
- クリンの父親であり、地球連邦評議会議長(メドール州選出)。デロイアの独立を時期尚早と考えており、デロイア独立阻止のために尽力する。彼自身はそれが地球のためだと思っており、邪心や私利私欲は一切ない。クリンやレークの実直さを評価する一方で、ラコックの卑怯な面も見抜いている。
- フォン・シュタイン(声優:蟹江栄司)
- デロイア自治州代表。デロイア出身だが、地球で教育を受け、地球暮らしが長かったため、考え方は地球人とほとんどかわらない。ドナンの傀儡だが、ドナンが病に倒れた後、デロイア人としての自覚を取り戻していく。
- ヘルムート・J・ラコック(声優:仁内達之)
- もとはドナンの補佐官だったが、ドナンが病気で倒れると、地球連邦政府内の反ドナン派に立ち回って、デロイア担当の弁務官の地位を手に入れる。25歳。自己保身欲と権力欲の塊で、そのためにクリンの兄をはじめ多くの人々に罠をしかけ、失脚させることもいとわない。デロイアを実質的に支配することを狙っている。最後に逆上したデスタンに射殺される。
- レーク・ボイド(声優:池田勝)
- 地球連邦軍大尉。クリンの義兄で、実の兄以上にクリンを思っている。誠実な人柄で部下の信任も厚い。独立派ゲリラの勢いが強いパルミナ自治州の行政官に任命され、善政を敷く。デロイア人兵士の待遇改善を訴え、独立派との対話路線を模索するが、ウルナ基地でデロイア人兵士による反乱が発生すると、周囲に惜しまれつつ、行政官を引責辞任した。
- ディック・ラルターフ(声優:兼本新吾)
- ジャーナリスト。47歳。反権力志向の中年記者。APU通信の特派員としてデロイア中をまわっている。心情的にはクリンらに近く、デロイア独立運動をメディアの面からサポートした。ひとりデロイアで身寄りの無いデイジーにも好意的に接した。「太陽の惑星デロイアの持つ鋭い牙」との意味を込めて、クリンらのグループを「太陽の牙」と命名したのも彼である。
- デイジー・オーセル(声優:高島雅羅)
- クリンの恋人。16歳。財閥会長の令嬢で、世間知らずのお嬢様だったが、単身、クリンを追ってデロイア星に赴き、旅の途中で目覚しく成長する。野戦病院の看護師となって、傷ついた兵士のために献身的な働きをする。野戦病院閉鎖後は、孤児院で働く。
- コール・デスタン(声優:広瀬正志)
- もともと独立派のゲリラ部隊のリーダー格だったが、ボナール市のゲリラ弾圧を機に転向し、今度はラコックの情報屋となる。人間の意志の弱さを象徴した人物であるが、最後に思わぬ行動を見せる。
- ヴルドラン・ガルシア(声優:玄田哲章)
- 荒くれ者の傭兵部隊、通称「ガルシア隊」の隊長。傭兵らしく金が全てであり、勝つ為には手段を選ばない。「太陽の牙」追討の為に送り込まれ、得意の砂漠戦と新型CBアーマーで彼らを窮地に追い詰めるが、彼らの非道に憤ったハックルの裏切りによって部隊は壊滅。なおも執拗に単身追撃するが敗死する。
- オッペ(声優:千葉繁)
- ガルシア隊の副官。性格はかなり悪い。手榴弾を投げようとしてハックルに射殺されるが、この時バイク(サイドカー)の中に取り落とした手榴弾に誰も気づかなかった事が悲劇を招いた。
[編集] 登場メカニック
荒地や砂漠の多いデロイアでは、不整地走破性の高い車両やヘリコプターが多用されている。CBアーマー、特に2足型は押しなべて行動時間が短い為、それらを戦場まで輸送する大型車両やヘリも劇中に登場する。
- コンバットアーマー
- CBアーマーと略称される。機甲部隊の運用の効率化、新兵器開発による需要創出等といった狙いで開発されたまったく新しい陸上兵器である。詳細はコンバットアーマーの項目を参照。
- キュレイユ MP-2 デューイ
- 連邦軍が多用する地上攻撃用戦闘ヘリ(画像)。胴体長11.5m,乗員2名,最大速度430km/h,標準武装は20mmガドリングガン×1,80mmロケット弾ポッド×2,対CBアーマーミサイル×4
- イーストランド WE-211 マーベリック
- 2足型CBアーマー専用輸送ヘリ(画像)。横長の機体に、双ローターが左右に並び、中央部にCBアーマー1機を直立状態で懸架する。輸送したCBアーマーを即時戦線に投入する事が可能。大きなペイロード(搭載量)を誇るものの、構造上CBアーマー以外の輸送には全く適さない。
- ヘルタット3 ボーンフィッシュ
- 中型輸送ヘリ(画像)。機体下部に、コンテナの代わりに多脚型CBアーマーを懸架して輸送する事が可能。この他に、CBアーマーを内部に収納できる、さらに大型の輸送ヘリも使用されている。
- ズナーク Mir-770 ウェイル
- 大型輸送ヘリ。連邦軍の所有する最大級の輸送ヘリコプター。その巨大な胴体内に複数のCBアーマーを積載する事ができる。ただし、あまりに巨大な機体のためにヘリボーン作戦には直接加わることはできない。基地間や前線後方の支援部隊への物資輸送を主任務とする。
- ブロムリー LTR-62
- 2足型CBアーマーの運搬用大型トレーラー。全長16.8m、最高速度80km/h(ソルティック積載時)
- アイバン DT-2
- ダグラム専用に開発された大型輸送トレーラー。荷台内部にターボザックを格納し、装備用のクレーンアームも備えている。ブロムリー社の開発車両。ダグラムの援護のために装着用アームでターボザックを直立させ単体でリニアカノンを射撃する荒業もやってのけた
- ブロムリー A・R・M・C インステッド
- 連邦軍が多用した戦闘装甲車(画像)。キャタピラでなく8輪。砲塔を換装することで様々な用途に使用できる。通常型は105mm砲を搭載した砲塔を持ち、この砲塔両側面にミサイルポッドを追加したものは重武装型と呼ばれる。これ以外の砲塔のバリエーションとして、15連装式の対空ロケット弾ランチャーを搭載したもの、左右に連装式の無反動砲を搭載したもの、左右に1発ずつ大型ミサイルを搭載したもの、連装式の対空機関砲を搭載したものなどがある。
- ブロムリー J・R・S ネイティブダンサー
- J・ロック隊が使用する戦闘用6輪バギー(画像)。通称、J・ロック・バギー。ミサイルや対アーマーライフルを装備。
- リニアガン(詳細はリンク先記事を参照)
- CBアーマーの主兵装(機種によっては装備していないものも)。装甲車の主砲なども概ねこれである。
- 車載用の小型のものを「対アーマーライフル」、歩兵用のものを「Eガン」「ビッグEガン」と呼ぶ。威力が大きい反面、本体とは別にパワーユニットが必要で、連続発射ができない、などの欠点もある。「ビッグEガン」は携帯火器としては最強の威力を誇るが、反動も非常に強烈で、常人にはとても扱えない。
[編集] スタッフ
- 原案:矢立肇
- 原作:高橋良輔、星山博之
- 監督:神田武幸、高橋良輔
- 演出:三浦将則、谷田部勝義、兜史郎ほか
- キャラクター・デザイン:吉川惣司/塩山紀生
- メカニカル・デザイン:大河原邦男
- 作画監督チーフ:塩山紀生
- 音楽:冬木透
- 脚本:高橋良輔、星山博之、吉川惣司、渡辺由自、鈴木良武、富田祐弘ほか
- 絵コンテ:京春香(=吉川惣司)ほか
- 作画監督:泉口薫、福田皖、谷口守泰、西城明ほか
- 制作:日本サンライズ
- 主題歌
- オープニングテーマ「さらばやさしき日々よ」(作詞:高橋良輔 作曲:冬木透 編曲:武市昌久 歌:麻田マモル)
- エンディングテーマ「風の行方」(作詞:高橋良輔 作曲:冬木透 編曲:武市昌久 歌:麻田マモル)
[編集] 放送リスト
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※26話「振り向けば遠く…」、42話「動乱の航跡」、62話「きざまれた光る道」の3本は総集編となっている。
[編集] その他
総話数75話は、サンライズが制作した単一タイトルでの作品としては『犬夜叉』の全167話、2007年1月現在放送中の『ケロロ軍曹』、『ミスター味っ子』の全99話、『ニャニがニャンだー ニャンダーかめん』の全83話に続く第5位。オリジナル作品としては第1位である。
- (宇宙世紀シリーズのガンダム(各作品合計191話)、『激闘!クラッシュギアTURBO』と続編『クラッシュギアNitro』(68話と50話の合計で118話)、『機動戦士ガンダムSEED』と続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(共に50話で合計100話)は、基本設定は共通であるものの、連続して制作されていないため除外。また『シティーハンター』シリーズもここでは除外。)
当時のアニメプラモデル(ガンプラ)ブームを受け、玩具メーカーのタカラがプラモデルを中心とした商品展開を行っている。主力商品となったのは高価格帯の1/48スケールと低価格帯の1/72スケール、2系統のプラモデルでSAK(スケールアニメキット)というシリーズ名が冠されていた。
- 1/48スケールではスケールの大きさを生かしてデロイア7のキャラクターフィギュアやJロックバギー(商品名)も模型化。1/72スケールではアニメに登場する全CBアーマーが模型化という快挙を成し遂げた他、ブロムリーやアイバン他の車両やデューイやマベリック等のヘリボーンといったCBアーマーと組み合わせられるサブメカニックも数多くキット化された。これらCBアーマー以外のアイテムの充実により、複数のキットを組み合わせて遊んだり情景模型を作るというプレイバリューを広げた(余談だが、このプレイバリューの啓蒙及び普及には、タカラが丸善と組んで発行した模型雑誌「デュアルマガジン」が大いに活用されていた)。
- 玩具の頑丈さと模型の精密さを併せ持つ精密ホビー「デュアルモデル」も展開された。“デュアル”の名称は、一部の装甲を外すと設定上の内部構造が再現されているという“二重構造”に由来している。
これらの商品のヒットは、ライバル企業であるバンダイの後塵を拝していた(特にプラモデルというジャンルにおいて)タカラを大いに勢い付ける事となった。飛び抜けて良い視聴率を残した訳ではない(これはキー局における裏番組が当時女性ファンを中心に人気だった『六神合体ゴッドマーズ』で、家庭用ビデオの普及率も低かった当時はアニメファンの間で『ダグラム』派と『ゴッドマーズ』派に分かれていた事も影響していたといわれる、しかし本放送時の視聴率そのものは、サンライズのオリジナル作品としては『トライダーG7』に次いで歴代2位を記録している)本作が全75話という長期放送を成し遂げたのは、模型等の売り上げが良かった為である。そして本作のアニメ本編及び商品で追求された“リアルロボットにおけるミリタリズム表現”というテーマは、『装甲騎兵ボトムズ』にて一つの頂点を迎える事となる。
リアルロボット物でありがちな、番組当初はストーリー上主人公メカが活躍する場がないことから、第1話の「朽ち果てたダグラム」とともに、本来なら後に入るエピソードをダイジェスト的に先行して見せるという手法が取られたが、デイジーとラルターフの出会いなど、本編とは矛盾している描写がある。