宇宙一の無責任男
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宇宙一の無責任男(うちゅういちのむせきにんおとこ)は吉岡平のライトノベル小説『無責任艦長タイラー』から始まった、連作シリーズタイトル。
目次 |
[編集] 概要
「宇宙一の無責任男」を初めとする最初のシリーズは1989年1月より富士見ファンタジア文庫より刊行された。シリーズの担当挿絵画家は当初は都築和彦が担当していたが、後年のアニメ化の影響を受けて外伝5巻以降のシリーズ挿絵画家は平田智浩に変更されている。
続編としてタイラーの子供や孫、玄孫(孫の孫)などが主人公の無責任キッズ、無責任カルテット、無責任三国志がある。
また2001年11月からはファミ通文庫レーベルよりアニメ設定を踏襲させた本編のリライト作品真・無責任艦長タイラー、無責任提督タイラーや、それら作品への布石となる前章的作品無責任三銃士(2000年6月刊行)無責任黙示録(2001年2月刊行)などが発刊されている。こちらの挿絵イラスト担当画家は吉崎観音および藤本秀明(本文およびカバー、口絵挿絵・キャラクターデザイン)江田恵一(メカデザイン)である。これについては真・無責任艦長タイラーを参照の事。
また、シリーズ初作の一部分が無責任艦長タイラーのタイトルでアニメ化されている。
作者は植木等の『無責任男シリーズ』のファンで、この主人公平均(たいら ひとし)がもしスタートレックシリーズ的宇宙船の艦長になったら、といった構想で書かれていた。
原作とアニメではキャラの設定などが大幅に変わっていて、主人公のジャスティー・ウエキ・タイラーが小説では20代後半のノッペリした不細工顔のロリコンのおっさんであり、艦長から提督、元帥、更には大統領にまで出世するのに対して、アニメでは20歳でそれなりの顔で艦長のまま活躍し続けるという設定になっていたり、アニメではキャラ全体の年齢が若くなっている。
原作者の吉岡は当初はアニメ化の際の設定変更に対して「原作の世界観を壊している」と不快感を示した事があったが(小説のあとがきでもそれを匂わせるような面が見受けられる)、後に原作との差を解消するためアニメ設定にあわせて本編をリライトした真・無責任艦長タイラー、無責任提督タイラーシリーズを執筆した。
[編集] 設定
21世紀以後、地球以外の太陽系惑星や巨大衛星に進出した地球人類移民は西暦2093年(宇宙暦101年)に独立を宣言して統合地球政府に宣戦、最初に地球外惑星の独立を唱えたマリウス・ボルツの誕生日である西暦1993年1月25日を元年とする宇宙暦を導入した。西暦2098年(宇宙暦106年)に地球外惑星側の勝利に終わって体制も一新され、以後宇宙暦が統一暦となる。宇宙暦188年(以後宇宙暦省略)にワープ航法が開発され、翌年に太陽系外への地球進出が開始される。その際に宇宙空間に微妙な空気と重力の存在が確認され、無重力・真空を前提としたこれまでの宇宙観は見直しを迫られた。ところが、208年に「ぶちこわしの一週間」と呼ばれる核戦争が勃発、以後地球は5228年に浄化が完了するまでの5020年間、人類は地球を離れる事になる。その後、6556年にラアルゴン帝国との戦争が勃発、そして7000年に物語が始まる事となる。
[編集] 各巻題名
[編集] 宇宙一の無責任男
- 無責任艦長タイラー
- 明治一代無責任男
- ワングの逆襲
- 無責任元帥タイラー
- アザリン16歳
- タイラー大逆転
- 無責任大統領タイラー
- 風速四十光年
- 永遠なれ無責任男
[編集] 宇宙一の無責任男シリーズ 外伝
- 銀河無責任時代
- 大宇宙のサムライ
- 緋(あか)き獅子
- 厳冬惑星ホロシリの叛乱
- カトリくんタンマ
- 我が名はヤマモト
[編集] 無責任キッズ
- 暗黒太陽小町
- WHY?の嵐
- 燃えてキサラ
- 時先案内人
- 銀河嫁取物語
[編集] 無責任カルテット
- 君の名はマチコ
- 天使・失格
- 邪教殲滅
- 決戦!薔薇色星雲
- 銀河賛唱
[編集] 無責任三国志
- 諜略トライアングル
- 冷たい三角関数
- 炎のトリコロール
- 奇跡のトリニティー
- 三匹快進撃
- 三羽烏登場!
- 三つの王冠
- 試練の三番勝負!
- サード・ビッグバン
- 輝け!トライスター
[編集] 無責任黙示録
- ファイナス電光石火
- to hurt -トゥ ハート-
- ダブルプリンス
- 勝ってはいけない
- 恩讐の彼方に
[編集] 無責任三銃士
- 上
- 下
[編集] 真・無責任艦長タイラー
- 真・無責任艦長タイラー 1入隊編
- 真・無責任艦長タイラー 2奮闘編
- 真・無責任艦長タイラー 3邂逅編
- 真・無責任艦長タイラー 4虜囚編
- 真・無責任艦長タイラー 5復活編
- 真・無責任艦長タイラー 6凱旋編
- 真・無責任艦長タイラー外伝ラヴアンドウォー(上)
- 真・無責任艦長タイラー外伝ラヴアンドウォー(下)
[編集] 無責任提督タイラー
- 無責任提督タイラー 1華燭編
- 無責任提督タイラー 2失墜編
- 無責任提督タイラー 3叛逆編
- 無責任提督タイラー 4帰還編
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場キャラクター
[編集] 宇宙一の無責任男
[編集] タイラー一家
タイラー一家(アニメ版では「そよかぜ」クルー)のキャラクターについて解説する。
- ジャスティ・ウエキ・タイラー(声:辻谷耕史)
- 本編の主人公。
- 原作では三流大学に一浪・一留して卒業後「楽がしたいから」と宇宙軍に二等兵として入隊する。二等兵→少尉→少佐→中佐→大佐→少将→中将→二等兵→大将→元帥と怒涛の大出世を遂げ、最後には大統領にまでなる。
- 大学時代に占いで130歳まで生きると言われたが本当に生き延びた。ユリコとの間に一男二女。
- 名前の由来が「植木等」と「平均(たいらひとし)」であることは言うまでもない。
- ユリコ・スター(原作ではのちにユリコ・タイラー)(声:天野由梨)
- 原作ではタイラーと結婚。結婚前はミフネの秘書を務める。
- マコト・ヤマモト(声:速水奨)
- タイラーの生涯の副官にして最大の犠牲者。山本権兵衛の子孫。
- 原作ではシア・ハスと結婚、『無責任シリーズ』ラストで長男キクチヨを儲ける。その後子供を1ダース儲け、『子宝元帥』として歴史に名を残す。
- アンダーソン最高司令官の次の最高司令官になり、イサム・フジへと引き継ぐ。
- キョンファ・キム(声:三石琴乃)
- 漢字では「金京和」。通信担当。情報収集も得意とする、ユリコの親友。
- 原作当初は婚約者を(間接的にとはいえ)死に追いやったタイラーを憎んでいたが、いつしかその気持ちは薄れていった。後にグエン・ホーミンと結婚。50歳の時に娘を出産、ユリコがノリカを出産した時期と重なり、出産した病院まで同じだった為周囲に「何もそこまで一緒でなくても…」と言われる。
- ハロルド・カトリ(声:成田剣)
- 操舵手。車も宇宙船も操縦できる名手。当初はアンドレセンの元で働いていたがタイラーに引き抜かれた。
- 女たらしで有名だったが従軍看護師クレアに一目ぼれされ結婚する。退役後はタイラー家お抱えの運転手になる。
- ユーミ・ハナー/エイミィ・ハナー(声:かないみか)
- タイラーの恩人・ハナー提督の双子の遺児。
- 原作では戦闘機を操り『バブルボール・ジェミニ』のチーム名で戦場で大活躍する。
- ユーミはコジローと、エイミィはヒラガーと結婚する。
- ミッキー・クライバーン(声:中田和宏)
- 海兵隊の一員でキーナンの直接の部下。タイラーファミリーの一員として大出世をする。キーナンの死後はその職を継ぐ。
- カール・ビョルン・アンドレセン(声:柴本浩行)
- 元カトリの上司。ラアルゴンの血が入っているらしく、ラアルゴン人の中に入っても違和感がない。
- 原作では『信濃』事件でタイラー達と懇意になり、ファミリーの一員となる。「提督・タイラー、参謀・ヤマモト、艦長・アンドレセン」のチームは最強と呼ばれる。
- 台宙事件のさなか、ラアルゴン帝国の恒星であり信仰の対象であるARA-Ⅲを犠牲にするプロジェクトに反対するテロリストが仕掛けた爆弾からアザリンを庇い絶命。しかし脳死には至らなかった為ドクターとヒラガーにより戦艦へと人格が移植される。
- コジロー・サカイ(声:岩田光央)
- 漢字では「坂井虎獅狼」。モデルは坂井三郎。
- ある事件が原因で女が苦手になるがやがて克服、ユーミと結婚する。二人の間に双子の姉妹と男が一人。パイロットの道を歩んだのは息子のみのようである。
- ヒデザブロー・キタグチ(声:八奈見乗児)
- 名前は北里柴三郎から。外見や性格は『宇宙戦艦ヤマト』の船医佐渡酒造がモデルと思われる。
- かなりの酒豪で長い航海の中、持ち込んだ酒を飲み干しエチルアルコールにまで手を出した為義眼となる。ただしただの義眼ではなくレーザービームを仕込む物騒な物ではあるが、コジローを救った事もある。普通のライト機能も搭載。
- ハルミ(声:岡本麻弥)
- 看護婦であるがその実体はアンドロイド。
- アニメでの活躍が目立つが原作では無差別で殺人を犯し、コジローとドクターの手でスクラップにされる。
- タケオ・シラギク
- アニメには登場しない、コジローの最後の同期。アシュラン戦役『南十字星の戦い』でコジローを庇って戦死する。タイラーファミリーの中で唯一はっきりとした戦死者。
- ボブ・キーナン
- 海兵隊の隊長。タイラーファミリーの一員として活躍する。ホロシリの鎮圧時においては既に将官であった為か留守番を言い渡され、スネるという可愛い一面を見せる。
- 台宙騒動のさなか、ワープ装置に仕掛けられた爆弾を自ら抱え込んで絶命するが、アンドレセンと同様脳死に至っていなかった為アンドレセンとは別の戦艦に人格が移植される。
- イツァーク・ハイフェッツ
- タイラーファミリーの重鎮。アシュラン戦役で敵を道連れにしてランダムワープを決行、行方不明となる。
- そんな彼の最後の心残りは、生まれたばかりのタイラーの娘(キサラ)をその手に抱けなかった事だけだった。
- ジェット・シン・ヤスダ
- ヤマモトに並ぶタイラーの副官。原作で「そよかぜ」の副長だった。のちにタイラーの下で宙雷戦隊司令官。
- グェン・ホー・ミン
- これと言った活躍はなかったが、随所で存在感を出す。『明治一代無責任男』で九十九里浜でキムの背中にオイルを塗った縁で付き合い出し、後に結婚。
- イサム・フジ
- フジ参謀の一人息子。父親を反面教師とし、タイラーを尊敬してアシュラン戦役時には幼年学校を中退、一兵卒として付き従う。
- ユリコ・キサラ奪回作戦にも参加して地球に降り立つが、その時の出来事が余程こたえたのかデモストレーションの時ですら戦車に乗らないくらいのトラウマと化す。乗らない理由をマスコミに聞かれ、「暗い狭い怖い」と答えた程。
- アシュラン戦役後は幼年学校に復学を認められ翌年卒業、士官学校に進学してすぐ卒業扱いになり、タイラーに負けない程の大出世を遂げ、20代で最高司令官に登りつめる。
- 後にアザリンと結婚。
- トオル・ジョーニアス・ヒラガー
- 名前は平賀譲から。人口知能を搭載した『信濃』を作り上げるが暴走騒ぎを起こす。
- 「ハードはヒラガー、ソフトはタイラー」と呼ばれる程の実力者で、タイラーとは違う意味での救世主だが誰にも感謝されていない。
- 後にエイミィと結婚。男女ひとりずつをもうける。二人の血がうまく混ざりあった為か、父親そっくりの息子は戦闘機の設計を希望し、娘は戦艦の操縦を希望する。
[編集] 惑星連合軍
- セッシュウ・ミフネ(声:麦人)
- ススム・フジ(声:西村知道)
- 惑星連合軍参謀総長。中将。タイラーを亡き者にしようと色々画策するが、アシュラン戦役では妻子を人質に取られながらも奮闘するタイラーを助けようとしたりと、男気も見せる。妻とは政略結婚だったがお互いに愛情は一欠けらもなかった為、彼女との間には子供はいなかった。そういう関係だった為、退役後は一方的に離婚される。
- 名前は藤田進から。
- ロベルト・J・ハナー
- 退役中将。タイラーが師と仰ぐ、惑星連合軍の元名将。ユーミィ・エイミィの父親。
- 名前は恐らくハナ肇から。
- アドリアン・アンダーソン
- 惑星連合軍最高司令長官。元帥。タイラーを寵愛している。
- キクチヨ・ミフネ
- ヒラカワ
- 名前は平田昭彦から。
- サハラ
- ジェイコブ・ランカー
- タイラーが軍隊に入隊しようと門を叩いた際面接を行った人事担当者。言わばタイラーを軍隊に入隊させた張本人の為フジににらまれ、極寒惑星ホロシリに左遷させられる。クーデターを起こした彼を討伐に来たのは偶然にもタイラーだったが彼に感謝していたタイラーの口添えと活躍によりホロシリに永遠の春が訪れ、家族を呼び寄せる事ができた。
- アスカ・コリア
- フジ参謀の愛人であり、イサムの実母。
[編集] 惑星連合(民間人)
- コウサク・カヤマ
- タイラーの最初の理解者。モデルは加山雄三。大学の学園祭でゲストとして来ていたノリコと知り合い、後に結婚。数年で離婚するが一男を儲ける。
- ノリコ・バッハ
- バッハとはドイツ語で「小川」の意味でモデルは小川範子である。人材を求める軍のCMに出演し、それもあってタイラーは軍の門を叩く。
[編集] ラアルゴン帝国
- ゴザ16世(幼名:アザリン、原作ではのちにルッチナ1世)(声:笠原弘子)
- 父ゴザ15世と母、兄二人を一度に失った為幼くして即位した。即位から暫くはワングによる独裁政治が行われたが、失脚後は彼女の親政となる。
- アシュラン戦役時に一時は退位するが戦役終了後はラアルゴン帝国を共和国に変え、自ら象徴の立場として政治を行う。
- 戦役時に知り合ったイサムに惹かれ結婚。
- ル・バラバ・ドム(声:関俊彦)
- 別名「赤き獅子」。父はワングの罠にかかり戦死、母も病で死に、恋人も殺されるが不屈の闘志で戦い続ける、タイラーの名ライバル。
- ナク・ラ・ワング(声:塚田正昭)
- 宰相。権力に異常な執着を見せ、アザリンの裏で政治を操っていた。
- 敵に背を見せる事を恥とするラアルゴンの中で転進また転進の愚行により失脚・逃亡するが偶然にも『信濃』と遭遇して共同戦線を張る。
- シア・ハス(原作ではのちにシア・ヤマモト)(声:三田ゆう子)
- 海賊あがりの軍人。女だてらに男勝りの仕事をする女傑だったが、ひょんな事から知り合ったヤマモトに惚れ込み結婚、地球に帰化する。
- ユッター・ド・ロナワー
- 「泥縄を結った」が語源だが、正しくは泥棒を見て(捕らえて)縄を「なう」である。
- バルサローム
- ドムの副官。アシュラン戦役で死亡。
[編集] アシュラン公国
血縁的にはラアルゴン寄りであり、皇帝の血筋が絶えた時一番皇位を継ぐにふさわしい家系であったが、ワングの諌言によりゴザ15世により滅ぼされた一族の生き残り。 父の、一族の敵を取る為ラアルゴン帝国へ復讐する。その野望はやがて宇宙を手にするという野望へと変わり、アシュラン戦役へとつながる。
- ティン・ルウ
- アシュラン3兄弟の長兄で、アシュラン公国の車椅子の公王。先代ティン・マオが殺された時はまだ若かった為地下へ潜り復讐の機会を待った。アザリンとは乳兄弟の間柄で彼女より4歳年上。一番仲が良く、アザリンは彼を本当の兄のように慕っていた。
- 彼が車椅子なのはアザリンが原因ではあったが、恨んではいない。
- 最後はアザリンとの一騎打ちを演じるがイサムが放った銃により死亡。二人に銀河の平和を託す。
- ティン・ラオ
- アシュラン3兄弟の次兄でラットバルト選帝公。アザリンより1つ上。3兄弟の中では一番冷徹であり、侵略した土地を制圧するには一番適した性格と言われていた。
- ラアルゴン、アザリンを一番憎んでいたと思われていたが、兄弟から見れば一番アザリンを愛していたかもしれない人物。アザリンとの一騎打ちで死亡。
- ティン・シュン
- アシュラン3兄弟の末弟でアザリア辺境伯。アザリンとは同い年。その立場のせいか実力はあるがやんちゃ坊主の雰囲気が拭えず、主催したパーティーで乱闘騒ぎが起こった際本来ならば抑える立場の彼だったが見るや否や嬉々として乱闘に参加した。
- 一族の敵ではあるがアザリンを憎むことはできず、彼女の安全をタイラーに託した程。
- アシュラン戦役ではタイラーに完膚なきまでに完敗するが2人の兄の死亡、降伏の潔さを認められ辺境伯に封じられる事で生き延びる。
[編集] 無責任キッズ
- ビクトリー・キサラ・ウエキ・タイラー
- タイラーとユリコの第一子。アシュランが地球を陥落した日に生まれる。生まれて暫くはアシュラン側に母と共に人質となっていた。
- 成長後は士官学校へ入学、偉大すぎる父を超えようと奮闘。因みに士官学校在籍時の校長はキム。
- シゲチヨ・ヤマモト
- ヤマモトとハスの第一子。キサラより2つ年下。親子共々タイラー一家に振り回される運命になるが、本人はそれで結構幸せらしい。女装が似合いユーミィ達の玩具にされたり、ウェディングドレスまで着たりした。
- クム・ナン
- 両性共有の王族。『スリーピング・ビューティー』の計画に参加、専用施設がある星でキサラ達と出会い、大きな影響を与える。
- レオナルド・リチャード・カーネギー・デュポン・ミツイ・イワサキ・ロックフェラーⅨ世
- 宇宙を股にかける大財閥の御曹司。通称ディック。生まれながらに免疫に問題があり、完全に除菌された部屋でしか生きる事ができない。どうしても部屋から出なければいけない時は、やはり完全に滅菌された宇宙服を着るが、重すぎて自力で行動できない。
- キサラの行動力に惹かれ、プロポーズする。
- ハルミⅡ
- かつてタイラー率いる『阿蘇』に潜入し、コジローとドクターにスクラップにされたハルミのデータを元に再度作られたアンドロイド。キサラ達を助ける。
[編集] 無責任カルテット
- ジャスティ・エドワード・ウエキ・ハス・ヤマモト・タイラーⅢ世
- キサラとシゲチヨの長男、つまりタイラーの初孫でタイラーが一番可愛がっている。通称「エド」。弟一人と妹が三人いる。名前が長すぎて昔から苦労している。
- 幼い頃に出会い結婚を誓い合ったマチコを探し求め、邪教集団ブラック・セラフィムに潜入までした。
- カツヤ・ウエキ・タイラー・ジュニア
- タイラーとユリコの長男。エドより3歳年長の叔父。一応タイラー家の嫡男だが本人曰く「家督は姉貴がもっていったようなもので、家を継ぐのはエド」。豪快な性格だが頭は切れ、軍人ではないが艦隊を率いるのを任されるや否や大活躍、「番長」の二つ名で活躍する。
- ディスティニー・ノリカ・ウエキ・タイラー
- タイラーとユリコの次女。エドと同い年の叔母。末っ子という事で三人兄弟の中では一番可愛がられ、かつ一番彼の強運を受け継いだ。後にケンと結婚、7人もの子供をもうける。
- ロナルド・ケン・カーネギー・デュポン・ミツイ・イワサキ・ロックフェラーⅩ世
- かつてキサラにプロポーズしたディックの一人息子。母はキサラの友人だったイリナ。人工授精で誕生した為父親の病気は遺伝していない。後にノリカと結婚。
[編集] ブラック・セラフィム
ヤーヴェを師とし、マリアを崇拝する邪教集団。実態はマリア=マチコの為にハーレムを作ろうとしたヤーヴェ=カヤマの歪んだ愛で生まれた。幹部の大多数は『リガの惨劇』の孤児で、事故がトラウマと化して雷を怖がる。
- マチコ・カヤマ
- エドの初恋の相手にして、タイラーのかつての親友コウサク・カヤマとノリコ・バッハの孫。ソーラーシステムの暴走により起こった『リガの惨劇』により両親を失い一時的に叔父夫婦に引き取られ、エドと知り合った。その後祖父・カヤマに引き取られ行方不明となる。
- 邪教集団ブラック・セラフィムの「マリア」として崇拝される。
- カイ・マサヒコ
- ブラック・セラフィムの幹部。『リガの惨劇』の孤児。
- シン
- カトリの末息子。いじめられっ子だったがブラック・セラフィムの中に自分の居場所を見つけて入信する。
[編集] 無責任三国志
- イツマ・タイラー
- シリーズスタート時は21歳。タイラーの玄孫でありキサラの曾孫でありエドの孫。父親はエドの長男。タイラーが99歳の時に誕生した。本来は女性として誕生したが11歳の時叔父(エドの次男)に暴行され、女性を捨て男となった。女性としての名前はジョアンナ。
- その経験から男性と比較されるのを極端に嫌い生き、大統領にまで上り詰める。
- そんな彼女の全てを受け入れ、支えてくれたドミンが命の危機に晒された際全ての持てる力を使い、彼が助かると最大の助力をしてくれた「ベルファルド・コーポレーション」を国家と認め、メディアで自分が女性である事、男性として生きた理由をカミング・アウトする。
- スウェイン
- イツマの片腕。影に日向にと彼女を支える。
- ドミン
- ある小国の王子。大学卒業後はイツマが経営する会社に就職、いち早く彼女の正体に気付き支える。後に結婚。
- シズマ
- イツマの弟。先天的に発達障害があるが天才画家と呼ばれ、その絵はキャンパスに留まらず様々な場所に伸び伸びと描かれる。ベルファルドと共にある事件に巻き込まれ精神的に大きなショックを受けるが、それが引き金となってさらに才能を開花させる。
[編集] ベルファルド・コーポレーション
- ベルファルド
- シリーズスタート時は21歳。エドの次男の結婚相手の連れ子。実はタイラーの細胞から作られたクローン。
- 性格は大人しいが正義感が強く、タイラーのクローンだけあって戦略にも長ける。タイラーの策略、「銀河三分の計」により『ベルファルド・コーポレーション』という国家を成立させる。
- チッコリーナ
- ベルファルドの妻。タイラー家を出たベルファルドが勤務していた会社の同僚。その会社が倒産後障害者達と立ち上げた会社を共に支え続けた。彼との間に一男一女。
- ハルミⅣ
- ハルミシリーズの後継機。ベルファルドのサポートを続けるが、部品等の関係から彼女以降の製造は不可能。
- エッソ
- ドミンの大学の同期。優秀だが若すぎて、「労働基準法に引っかかる為」と企業に拒まれ続けていたが、障害者も分け隔てなく受け入れるベルファルドの会社に就職する。
- セイジューロー・キタグチ
- タイラーファミリーの一人として活躍したドクター・キタグチの子孫。やはり酒豪だが腕は確かで、難しいと言われたドミンの手術を成功させ、会社の「国家」としての成立を可能にさせた。
- ナ・バァム・ドム
- ル・バラバ・ドムの子孫。当初は帝国でバグジーに忠誠を誓っていたが訳あってベルファルド側についた。もちろんバグジーに対する忠誠は変わっていない。
[編集] バグジー・スレイ帝国
- ドン・レオ・スレイ
- シリーズスタート時は21歳。ある施設で育った孤児だが、その施設で生まれた子供達は皆タイラーの冷凍保存された精子から生まれた試験管ベビー。つまり彼はタイラーの「息子」になる。
- 気が荒く、警察のお世話には何度もなったが情には厚い。刑務所から早く出所できる手配をしてくれたバグジーの境遇に同情して彼をつれて出奔、バグジー・スレイ帝国を立ち上げる、
- バグジー・マローン・ウエキ・タイラーⅤ世=ノワール・ド・エル・クラン・ライクン
- エドの娘の一人息子であり、アザリンの曾孫にあたる。通称バグジー。タイラーの120歳の誕生日パーティーが行われたビルで偶然スレイと出会い懐く。
- スレイが出所して間もない頃に皇帝だった父と母を事故で亡くすが、ラアルゴンの一部により皇帝への即位を拒まれスレイと共に出奔、帝国を立ち上げバグジー1世として即位する。
- ノーイ・ライオネス・スレイ
- ある惑星で男に買われ、スレイの前に「一夜の供に」と現れた。その男の行動に激怒したスレイは彼に「ある事」をした後、彼女を自分の養女として育てる。
- 皇位を巡って不安定な状態にあったバグジーの元にスレイからの使者として現れて以来彼と懇意になり結婚する。
- ユーリア・ヒープ
- ドミン達の大学の同期。容姿に自信がない代わり、才能でのし上がろうと当初はイツマの会社の面接に望むが彼女の逆鱗に触れ不採用、スレイの元へ走る。
- チュラティープ・チュリアカーン
- スレイの片腕であり、組織の弁護士のような立場にいた。スウェインとは大学の同期。
- 後年ベルファルドの娘・ハルミと不倫関係に陥り、ベルファルド・コーポレーションに亡命する。
[編集] メカニック
[編集] 惑星連合軍
- 駆逐艦「そよかぜ」
- タイラーが最初に艦長を勤めた老朽駆逐艦。味方の全軍崩壊の危機に際し、タイラー中尉が殿を志願し、与えられた艦(駆逐艦の艦長には最低限、少佐の階級が必要な為、戦死の二階級特進を前借して少佐となった)。アニメ版では最後までこれに乗り続ける。副長はジェット・シン・ヤスダ大尉。
- 駆逐艦「あさなぎ」
- 小説外伝においてタイラー中佐(駆逐艦「そよかぜ」での活躍により昇進)が駆逐艦「そよかぜ」の次に艦長を勤めた最新鋭の駆逐艦(ただし欠陥あり)。タイラーを煙たがるフジ参謀総長がタイラーが欠陥により戦死することを期待して与えられた(逆にタイラーは欠陥を生かして敵艦隊を全滅させた)。副長はジェット・シン・ヤスダ少佐。
- 重巡洋艦「阿蘇」
- 小説1巻においてタイラー大佐(駆逐艦「あさなぎ」での活躍により昇進)が艦長を勤めていた最新鋭の重巡洋艦(なお、この世界の重/軽巡洋艦の分類基準は作者にもわからないらしい)。副長はマコト・ヤマモト中佐。この艦のクルーを中心にタイラー一家が形成されていく。
- アニメでは、最終話でヤマモトに与えられる予定だったが、進宙式の際にそよかぜに吹っ飛ばされた。
- 戦艦「摂津」
- セッシュウ・ミフネ中将が司令官として座乗する戦艦。小説1巻においてタイラー少将(重巡洋艦「阿蘇」での出撃で戦死したと思われ、二階級特進)がラアルゴンから脱出してきた際、戦死直前のミフネ中将より指揮権を託される。
- 戦艦「肥前」
- アニメ版でミフネ中将が座上するミフネ艦隊旗艦。艦首に大口径粒子砲を搭載する。
- 空母「鳳凰」
- アニメ版での参謀本部旗艦。肥前を上回る全長1.5kmもある巨大空母で、フジ中将が乗艦しており、艦内には手術室や軍法会議場、処刑場などもある、一種の移動要塞である。
- 戦艦「尾張」
- 惑星連合軍総司令官アドリアン・アンダーソン元帥が座乗する、宇宙軍の総旗艦。
- 戦艦「信濃」
- トオル・J・ヒラガー造船中佐開発の対ラアルゴン用に建造された最新鋭戦艦。AIによる無人制御、強力な破壊力を誇る無限粒子砲が特徴。しかし自我を持つに至ったコンピューターが暴走し、ワングに利用され、タイラーと対決する。
- 巡洋戦艦「六甲」
- 「信濃」と並んで八・八艦隊計画において計画された戦艦。主兵装は分間6000発を誇るバルカンフェザー砲。軍縮条約(アスキルト条約)に基づいてモスボール化。
- 究極戦艦「樺太」
- ラアルゴンと停戦・軍縮条約(アスキルト条約)が結ばれた後、その「全長1000m以上の艦を建造してはならない」という条項の裏をかいて作られた艦。「信濃」の無限粒子砲を上回る兵器拡散無限粒子砲を装備している。全長999m、全幅8500m。当然ながら横向きに進む。
[編集] ラアルゴン帝国
- 高速戦艦「ドローメ」
- ル・バラバ・ドムが艦長を務めるドローメ級高速戦艦。アニメでは重巡洋艦。
- 戦艦「バローメ」
- アニメ版でのラアルゴン帝国軍宇宙艦隊司令長官ドナンが艦長を務める巨大戦艦。そよかぜを追い詰めるが、タイラーの悪運に破れ撃沈。ドナンも戦死する。
- 駆逐艦「ガルギュラン」
- シア・ハスが艦長を務める大型駆逐艦。
- 移動要塞「メルバ」
- ゴザ16世の御座艦。当初は「戦艦」と称されていたが、後に「巨大砲艦」と呼ばれたり、「移動要塞」と呼ばれるようになった。「惑星破壊砲」を装備。地球側に拿捕され「磐手」と改名された(後に返還され、その後特設探査艦に)。
[編集] アニメ版
無責任艦長タイラー (アニメ)を参照。
[編集] カセット文庫版
富士見書房の富士見カセットブックレーベルから、1991年8月30日に「無責任艦長タイラー(宇宙一の無責任男シリーズ1)」、1992年6月30日に「厳冬惑星ホロシリの叛乱(宇宙一の無責任男シリーズ2)」の2本が発売された。原作者の吉岡平自らが脚本を手がけ、タイラーの設定は中年、原作のイラストレーターだった都築和彦が表紙を描くなど、アニメとは異なり原作に忠実なのが特徴である。タイラー役には山本正之を起用し、音楽性を重視したミュージカル調の作りは、まさしく原作者が意図したSF版植木等『無責任男シリーズ』である。また、作者はアザリン役の声優は本田知恵子しかない、とあとがき等で何度も言明しており、この点も実現している。
[編集] スタッフ
- 原作・脚本:吉岡平
- プロデュース:白山隆彦
- 演出:とまとあき
- 音楽:山本正之
- 音響制作:メディアリング
- キャスティング協力:ぷろだくしょんバオバブ
[編集] キャスト
- タイラー:山本正之
- ヤマモト:松本保典
- アザリン:本多知恵子
- アンドレセン:古田信幸
- カトリ:子安武人
- キム:水谷優子
- ユリコ:川村万梨阿
- ランカー:緒方賢一
- ドム:堀内賢雄
- フジ:菅原淳一
- アンダーソン:小野純一
- ハナー:吉岡平
- ヤスダ:とまとあき
- ユーミ:志村佳名子
- エィミィ:太田薫
- ナレーション:さとまさのり
カテゴリ: ライトノベル | 富士見ファンタジア文庫 | SF小説