安達太良山
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安達太良山 | |
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標高 | 1,728 m |
位置 | 北緯37度38分49秒 東経140度16分50秒 |
所在地 | 福島県福島市、二本松市、郡山市、 安達郡大玉村、耶麻郡猪苗代町 |
山系 | -- |
種類 | 成層火山 |
初登頂 | -- |
安達太良山(あだたらやま)は福島県中部にある火山。 日本百名山およびうつくしま百名山に選定されている。
北から鬼面山(1418m)、箕輪山(1728m;最高峰)、鉄山(1709m)、安達太良山(1699m)、和尚山(1625m)と連なる。
目次 |
[編集] 登山
全体として緩やかな山体であり、また、奥岳~薬師岳にゴンドラがあるため、初心者でも比較的登りやすいとされる。主な登山口は、奥岳(二本松市)、塩沢温泉(二本松市)、野地温泉(福島市)、沼尻(猪苗代町)、石筵(郡山市)である。しかし、西に秋元湖があるせいか、天気の急変が多い。特に稜線付近は樹木がほとんど無く、雷雲がやってきた際、非常に危険である。加えて、悪天候時、稜線付近は強風が吹き荒れるため、立ち入りは避けた方がよい。
また、沼ノ平火口周辺では、有毒ガス噴出がある。1997年の沼ノ平における火山ガスによる死亡事故以降、沼ノ平コースとくろがね小屋~鉄山コースは、通行禁止となった。
[編集] 登山コース
- 奥岳登山口~勢至平~くろがね小屋~峰の辻~安達太良本山
- 所要約3時間。くろがね小屋は通年営業の温泉付山小屋(有人)で、源泉の引いてある温泉山小屋として知られる。くろがね温泉を名乗っている。日帰り入浴もでき、登山客に人気がある。この温泉の歴史は古く1000年以上前に記された文献にも登場する。なお、岳温泉はここから引湯している。
- 奥岳登山口~薬師岳~五葉松平~安達太良本山
- 奥岳~薬師岳には、ゴンドラ「あだたらエクスプレス」がある。所要約2時間30分で片道900円。
- 表登山口~仙女平~安達太良本山
- 所要約3時間30分
- 塩沢温泉登山口~くろがね小屋~峰の辻~安達太良本山
- 塩沢温泉~くろがね小屋は渓谷沿いの道。途中、滝や巨大な岩などがあり、紅葉がとても美しい。所要約3時間30分。
- 沼尻登山口~胎内岩~鉄山避難小屋~鉄山~安達太良本山
- 硫黄川流域の荒涼とした風景と胎内岩の岩くぐりが楽しめる。所要約3時間15分。
- 沼尻登山口~障子ヶ岩~船明神山~安達太良本山
- 所要約3時間15分。
- 野地温泉登山口~鬼面山~箕輪山~鉄山避難小屋~鉄山~安達太良本山
- 所要約4時間45分(縦走コース)。
- 横向登山口~箕輪山~鉄山避難小屋~鉄山~安達太良本山
- 所要約3時間45分
- 銚子ヶ滝登山口~和尚山~安達太良本山
- 所要約4時間。
[編集] 火山噴火と対応
- 数万年前までは、マグマ噴出を繰り返す活動が活発な火山であったが徐々に沈静化。約2,400年前の噴火の際にマグマ噴出以降は、時折、マグマ水蒸気爆発を繰り返す程度となる。
- 1900年の噴火の際には火砕サージの発生も見られた。
- 主な噴火口である沼ノ平火口で西側を向いている。このため、噴火時のハザードマップは主に猪苗代町を対象としている。なお、風向きは西よりの風が卓越しているため、噴火時には二本松市側にも大量に降灰する可能性はある。
- 気象庁では地震計、空振計、GPS観測装置、カメラを設置し常時観測を行っている。解析結果等は毎月上旬に気象庁のウェブサイトで公表されている。
[編集] 災害履歴
[編集] 観光
沼ノ平周辺の荒涼とした火山景観は見る者を圧倒させる。また、ガンコウラン、クロマメノキなどの高山植物を始めとし、ヤエハクサンシャクナゲ、サラサドウダン、レンゲツツジなどが咲き誇り、田中澄江著「花の百名山」に選ばれている。
この火口を中心とする優れた火山景観と、高山植物達を保護するため、磐梯朝日国立公園に指定されている。また、岳温泉、奥岳温泉、塩沢温泉、野地温泉、横向温泉、沼尻温泉など、多くの温泉場が取り囲んでいる。
冬は、あだたら高原、塩沢、箕輪の各スキー場が開設される。緩やかな山体から、山スキーのメッカとしても名高い。
[編集] 文学
万葉集にも歌われ、また高村光太郎の『智恵子抄』“樹下の二人”の節にも名が見える。日本百名山にもリストアップされている。